在胎39週4日で、正常分娩で出生した児。出生体重3,000g、身長48.0cm。出生直後、児に付着していた羊水をふき取り、インファントラジアントウォーマーの下で観察を行った。体温37.5 ℃、呼吸数56/分、心拍数150/分、呼吸音は異常なし。看護師は観察を終え、温めておいたベビー服を着衣させ、同様に温めておいた寝具を用いて準備をしたコットに児を寝かせた。コットは壁際や窓辺を避け、空調の排気口からの風が当たらない場所に配置した。
生後3日。看護師が朝の観察を行った時の児の状態は、体温37.0℃、呼吸数40/分、心拍数130/分。体重2,680g。顔面と胸部の皮膚に黄染が認められる。その他の部位は淡紅色である。手関節と足関節の皮膚に落屑がある。尿は6回/日、便は2回/日で移行便である。児の状態で生理的特徴から逸脱しているのはどれか。
1: 体温
2: 呼吸数
3: 皮膚色
4: 体重減少率
5: 皮膚の落屑
Aさん(23歳、女性)は、大学を卒業後、インテリア会社に事務職として就職した。入社後に「ユニフォームが似合うようになりたい」とダイエットを始め、次第にやせが目立つようになった。母親がAさんに食事を作っても「太るのが怖い」と言って食べず、体重は2週間で5kg減少した。心配した母親とともに精神科外来を受診し、摂食障害(eating disorder)と診断され、開放病棟へ入院した。入院時、身長160cm、体重37kgであった。
入院後2週が経過した。Aさんは食事の時間に食べ物を細かく刻み、1時間以上 時間をかけるが、摂取量はスプーン1杯ほどである。ベッド上でストレッチを2時 間行っている。Aさんと話し合ったところ「私はこの病棟で一番太っているから少しでも痩せなきゃ」と話した。 看護師の関わりとして適切なのはどれか。
1: 体重測定の回数を増やす。
2: 鏡でAさんの全身を映して見せる。
3: 痩せたいという気持ちについて話し合う。
4: Aさんは看護師よりも痩せていると伝える。
Aさん(38歳、初産婦)は、妊娠38週3日に2,900gの女児を正常分娩した。出産前は、Aさんは夫と2人で暮らしていた。引っ越して3か月であり、周囲に親しい知り合いや友人はまだいない。
産褥3日。子宮底の高さは臍下3横指にあり硬度良好であった。乳房は軽度緊満しており、乳汁分泌がみられる。体温37.0℃、脈拍76/分、血圧124/72mmHgであった。訪室時、Aさんは「体がなんとなくだるいです。理由もないのに涙が出てきます」と涙ぐんでいた。 Aさんの状態として考えられるのはどれか。
1: 産褥熱(puerperal fever)
2: 高血圧症(hypertension)
3: 産後うつ病(postpartum depression)
4: マタニティブルーズ(maternity blues)
Aさん(36歳、経産婦)は、夫と長男(3歳)との3人で暮らしている。妊娠40週0日、午前9時にAさんは陣痛開始のため入院した。このときは未破水であった。午後1時、体温36.8 ℃、脈拍64/分、血圧126/70 mmHg であった。Aさんに分娩監視装置を装着したところ、陣痛間欠4分、胎児心拍数基線は140 bpmで、一過性徐脈はみられなかった。午後2時、破水感があり医師が診察したところ、子宮口は7cm開大であり、羊水の流出がみられた。
産褥4日、Aさんの体調は回復し、退院が決定した。夫に連れられて来た長男が赤ちゃんを珍しそうに見ている。Aさんは退院後に長男の退行現象が現れることを心配している。 Aさんへの説明で適切でないのはどれか。
1: 「長男と2人きりになる時間をつくるようにしましょう」
2: 「長男と一緒に赤ちゃんのおむつを交換しましょう」
3: 「長男にしっかりするように話しましょう」
4: 「長男をほめて安心させましょう」
体重6kgの乳児に必要な1日の水分摂取量で最も適切なのはどれか。
1: 480ml
2: 600ml
3: 840ml
4: 1200ml
A さん(35 歳、初産婦)は、夫と 2 人で暮らしている。妊娠 28 週 2 日、妊婦健康診査で胎盤が内子宮口を全部覆っていると指摘された。自覚症状はない。その他の妊娠経過に異常は認められていない。A さんは、身長 155 cm、体重 56 kg(非妊時体重50 kg)である。
A さんは、妊娠 37 週 0 日に帝王切開で体重 2,800 g の児を出産した。術後 3 日、A さんは看護師に「どうすることもできなかったのは分かっているのですが、自然なお産をしたかったです。赤ちゃんを産んだ実感がありません」と話した。看護師の対応として最も適切なのはどれか。
1: 精神科の受診を勧める。
2: 妊娠期からの振り返りをする。
3: 次の出産で経腟分娩を試みるよう勧める。
4: 数日前に帝王切開術を受けた褥婦に話をしてもらうよう勧める。
Aさん(25歳、初産婦)は、妊娠 40週0日に3,600 gの女児を正常分娩した。出血量は 250 ml、持続した出血はない。分娩後、 Aさんは児を見て「かわいい」と言い、授乳している。乳管口の開口数は左右 1本ずつである。分娩 2時間後、子宮底の位置は臍下 1横指で、硬度は良好であった。
産褥 1日。Aさんは「トイレに行ったら、小さい血の塊が 1個出ました」と訴えた。看護師が観察すると、 Aさんは、体温 36.5℃、脈拍 60/分であった。子宮底の位置は臍上 1横指で、硬さは昨日より軟らかくなっていた。乳管口の開口数は左右 2本ずつである。このときの Aさんへの対応で優先度が高いのはどれか。
1: 人工乳を勧める。
2: 腹部の温罨法をする。
3: ベッド上の安静を勧める。
4: 子宮底の輪状マッサージをする。
Aちゃん(5か月、女児)は、父親(会社員)、母親(主婦)、兄のB君(3歳)と4人家族である。近所に祖父母が住んでいる。Aちゃんは3日前から鼻汁と咳嗽があり、昨日夕方より39℃の発熱がみられ小児科外来を受診した。自宅で哺乳量の低下はなく、1日に1、2回咳嗽とともに嘔吐がみられていた。来院時、体温39.3℃、呼吸数45/分、脈拍142/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)であった。診察と検査の結果、RSウイルスによる急性細気管支炎acute bronchiolitisと診断され、去痰薬が処方された。
Aちゃんは、発熱が続き、哺乳量が減ってきたため2日後に再度来院した。来院時、体温39.4℃、呼吸数60/分、脈拍154/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(room air)、口唇色と顔色はやや不良であった。胸部エックス線撮影で肺炎像は認められない。Aちゃんは、経口摂取不良と呼吸困難のため、母親が付き添って入院することとなった。酸素吸入と点滴静脈内注射が開始された。 入院前のAちゃんについて母親から収集すべき情報で優先度が高いのはどれか。
1: 去痰薬の内服状況
2: 最終排尿の時間
3: 皮膚搔痒の有無
4: 排便の状況
Aさん(58歳、男性)は、 3年前に直腸癌 (rectal cancer) と診断され、手術を受けてストーマを造設 した。その後Aさんは直腸癌 (rectal cancer) を再発し、治療を行ったが効果がなく、腹部の癌性疼痛 を訴えたため、疼痛をコントロールする目的で入院していた。 Aさんは「自宅で療養したい。痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない」と在宅療養を希望した。現在、Aさんはオキシコドン塩酸塩を 1日 2回内服し、食事は食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少している。 Aさんの家族は 56歳の妻と他県で仕事をしている長女である。
Aさんの傾眠傾向が強まり、時々無呼吸がみられるようになった。Aさんは食事や水分の摂取量は少ないが、疼痛を訴えることはない。 Aさんの妻は「できればこのまま自宅でみていきたい」と話している。 Aさんを自宅で看取るための訪問看護師の対応として適切なのはどれか。
1: 高カロリー輸液の開始を医師と相談する。
2: 24時間の継続した観察を Aさんの家族へ指導する。
3: 仕事を辞めて介護を行うように Aさんの長女を説得する。
4: 今後起こりうる身体症状の変化を Aさんの家族へ説明する。
在胎40 週0日、体重3,011gで出生した男児。出生後1分、呼吸数60/分、心拍数140/分であった。四肢を屈曲させ、刺激に対して啼泣している。体幹はピンク色、四肢にはチアノーゼがみられる。 この男児の1分後のApgar<アプガー>スコアはどれか。
1: 1点
2: 3点
3: 5点
4: 7点
5: 9点
Aさん ( 75歳、女性 )は、娘と 2人で暮らしている。 5年前に Alzheimer〈アルツハ イマー〉病 (Alzheimer disease)と診断された。半年前から食欲不振が続き体重減少がみられ受診した。検査の結果、胃癌 (gastric cancer)と診断され胃全摘出術が行われた。入院時の改訂版長谷川式簡易知能 評価スケール〈HDS-R〉16点、 Mini-Mental State Examination〈MMSE〉18点。
術後の経過は良好で 2週間が経過した。食事は全粥、軟菜を 8割程度摂取している。娘に対する Aさんの退院後の食事指導で適切なのはどれか。
1: 食後の安静臥床を勧める。
2: 食物繊維を多く含む食品の摂取を勧める。
3: 1日の食事量を 6〜8回に分けて食べることを勧める。
4: 食事時間が長くなっても満腹になるまで摂取するように勧める。
Aさん(72歳、男性)。妻と2人暮らし。朝6時に、妻が一緒に寝ていたAさんの様子がおかしいことに気付き、救急車を呼んだ。Aさんは病院に搬送された。病院到着時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉 II-10。右片麻痺および失語がみられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数20/分、心拍数110/分、血圧150/90mmHg。身長160cm、体重60kg。頭部CTで明らかな異常所見はなく、頭部MRIを行う予定である。
Aさんは翌日の2時に尿意があり、自然排尿があった。8時に「昨夜は後陣痛の痛みが強くて眠れませんでした。おっぱいを飲ませたら、後陣痛がさらに強くなって、汗が出てきました」と言う。子宮底の高さは臍高、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、脈拍68/分、血圧125/70mmHgであった。 このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 授乳を促す。
2: 入浴を勧める。
3: 骨盤底筋体操を指導する。
4: 鎮痛薬の使用を医師に相談することを伝える。
A さん(30 歳、経産婦)は、妊娠 40 週 1 日で、妊娠経過は順調であった。本日、午後 5 時に体重 3,900 g の女児を正常分娩した。会陰縫合術を受け、分娩時出血量は400 mL であった。分娩後 2 時間のバイタルサインは、体温 37.1 ℃、脈拍 64/分、血圧 124/70 mmHg であった。排尿後の子宮底の位置は臍下 1 横指、収縮良好で帰室した。A さんは午後 8 時に夕食を全量摂取し、寝るまでに水を 500 mL 飲んだ。
産褥 2 日の午前 10 時。A さんは「 9 時に排尿したとき、 3 cm 大の血の塊がでました。大丈夫でしょうか」と訴えた。このとき、体温 37.3 ℃、脈拍 60/分、血圧120/64 mmHg であった。子宮底の位置は臍高で軟らかく、後陣痛は増強している。乳管口の開口数は左右 3 本ずつで初乳がみられ、乳房の発赤、硬結および熱感はない。A さんの状態で最も疑われるのはどれか。
1: 産褥熱 (puerperal fever)
2: 乳腺炎 (mastitis)
3: 子宮復古不全 (subinvolution of the uterus)
4: 妊娠高血圧症候群 (pregnancy-induced hypertension)
Aさん(34歳、初産婦)は順調な妊娠経過であった。妊娠40週5日の午前8時、10分毎の規則的な子宮収縮を主訴に来院し、医師の診察の結果、入院となった。入院時の胎児心拍数基線は130bpm、胎児の推定体重は3,300gであった。
Aさんの分娩は順調に進行した。午後5時に破水し、午後6時には子宮口開大8cmとなった。「便が出そうです。もう、これ以上頑張れない」と陣痛発作時には全身に力が入っている。 このときの看護師の声かけで正しいのはどれか。
1: 「リラックスするためにお風呂に入りましょう」
2: 「赤ちゃんのために我慢しましょう」
3: 「トイレに行って排便しましょう」
4: 「息を吐いて力を抜きましょう」
体重9.6kgの患児に、小児用輸液セットを用いて体重1kg当たり1日100mLの輸液を行う。 このときの1分間の滴下数を求めよ。 ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。 解答:① ② 滴/分 ① 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ② 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
乳幼児で人見知りが始まる時期はどれか。
1: 生後 1〜2 か月
2: 生後 6〜8 か月
3: 生後 18〜24 か月
4: 生後 36〜42 か月
Aさんは妊娠37週0日に骨盤位のため予定帝王切開術となった。術後の経過は母児ともに順調である。Aさんへの看護として適切なのはどれか。
1: 手術室で出生児と対面する。
2: 2日に初回歩行をする。
3: 3日に初回授乳をする。
4: 4日以降に弾性ストッキングを履く。
生後4日の新生児の状態で正常を逸脱しているのはどれか。
1: 臍帯が乾燥している。
2: 体重減少が7%である。
3: 黒緑色の便が排泄されている。
4: 排気とともに少量の母乳を吐く。
5: 皮膚が乾燥し一部がはがれている。
Aちゃん(生後3か月)は、体重 2,850gで出生した。Aちゃんは、出生直後から心雑音を認め、中等度の心室中隔欠損症(ventricular septal defect)と診断された。強心薬と利尿薬との内服で経過観察していた。昨日から喘鳴と哺乳力低下とがみられるようになり、心不全の治療のため入院となった。入院時、Aちゃんは体重 5,050g、体温 37.6 ℃、呼吸数52 /分、発汗が著明である。チアノーゼはみられない。ミルクは約 100 ml/回を1日6、7回哺乳している。
入院後5日の朝、看護師が病室に行くと母親は疲れた顔をしてAちゃんを抱いていた。母親は「この子は泣いたら泣き止まないんです。オムツを替えても抱っこしてもだめなんです。 この子は私を責めているんです。私は母親失格です」と涙を浮かべて話した。母親の話を傾聴した後の対応で最も適切なのはどれか。
1: 精神科の受診を勧める。
2: 親がしっかりしなければと励ます。
3: 泣き止むまで泣かせて良いと伝える。
4: 母親の対応が悪いのではないと伝える。
Aちゃん(生後24日、女児)は両親と3人暮らし。母親が母子健康手帳の便色カードを見て、Aちゃんの便色が気になったため、Aちゃんを連れて近所の小児科医院を受診した。Aちゃんは在胎39週、出生体重3,100g、出生時に異常はない。 現在、混合栄養で体重は3,700gである。体温37.2℃、呼吸数36/分、心拍数108/分、整、血圧78/44mmHg。眼球結膜に黄染を認める。 血液検査結果:Hb12.6g/dL、白血球7,800/μL、血小板21万/μL、プロトロンビン時間〈PT〉88%、総ビリルビン11.3mg/dL、直接ビリルビン9.5mg/dL、AST96U/L、ALT126U/L。 紹介先の病院で腹部超音波検査を実施した結果、Aちゃんは胆道閉鎖症biliary atresiaの疑いがあり入院した。
術後5日、Aちゃんは経口摂取が可能になり順調に経過している。医師から母親に、胆汁の排泄を促すために利胆薬の内服が重要であると説明があり、散剤が処方された。母親から看護師に「赤ちゃんに粉の薬をどうやって飲ませたらよいのでしょうか」と質問があった。看護師は散剤を( )に混ぜて飲ませることを説明した。 ( )に入るのはどれか。
1: 果汁
2: 白湯
3: 人工乳
4: はちみつ