第100回午後第106問の類似問題

Aさん(23歳、男性)は、マラソンの途中で嘔吐し、意識混濁状態となり救急車で搬送された。来院時、体温39.5℃で、熱中症(heatillness)と診断された。気管挿管と人工呼吸器管理が実施された。膀胱留置カテーテルを挿入後に輸液療法を開始して、ICUに入室した。表面冷却と血管内冷却によって体温は37℃台に下降した。 既往歴 : 特記すべきことはない。 身体所見 : ICU入室時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-20。体温37.8℃、呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧94/74mmHg。暗赤色尿を1時間で20mL認めた。 検査所見 : Hb16.8g/dL、Ht48.6%、Na130mEq/L、K6.5mEq/L、Cl100mEq/L、クレアチンキナーゼ〈CK〉48,000IU/L、尿素窒素60mg/dL、クレアチニン2.4mg/dL、AST〈GOT〉70IU/L、ALT〈GPT〉88IU/L。尿一般検査でミオグロビン陽性。胸部エックス線写真および頭部CTで異常所見なし。心電図でSTの変化はなく、洞性頻脈を認めた。

第106回午後:第116問

Aさんは腎不全が悪化し、持続的血液透析を1週間実施した。入院後20日が経過し、Aさんは尿量100mL/時間以上、クレアチニン1.4mg/dLとなった。気管チューブと膀胱留置カテーテルは抜去され、状態は落ち着いている。ADLは拡大し、3日後に退院することとなった。 Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。

1: 水分を制限する。

2: 蛋白質を制限する。

3: 積極的に運動する。

4: 生野菜を積極的に摂取する。

在胎40週2日、正常分娩で出生した男児。出生時体重3,300g、身長48.5cm。生後1日の体重は3,200g。バイタルサインは腋窩温37.2℃、呼吸数70/分、心拍数130/分。出生後24時間までに、排尿が1回、排便が1回みられた。

第106回午前:第106問

児の状態で正常から逸脱しているのはどれか。

1: 体温

2: 呼吸数

3: 心拍数

4: 排尿回数

5: 排便回数

Aさん(40歳、男性)。入院時体重65kg。既往歴に特記すべきことはなく、全身状態は良好である。胃癌(gastric cancer)のため胃全摘出術を受けた。術中の出血量は 450mlで輸血はされなかった。術後1日、体温37.5℃、呼吸数24/分、脈拍120/分、血圧162/90mmHg。Hb14.8 g/dl。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(酸素吸入3l/分)。尿量50ml/時。創部のドレーンからは少量の淡血性排液がある。硬膜外持続鎮痛法が行われているが、創痛が強いため呼吸が浅く、離床はできていない。

第102回午前:第94問

術後1日のAさんのアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 体温の上昇は感染による。

2: 脈拍の増加は貧血による。

3: 血圧の上昇は麻酔の影響による。

4: 酸素飽和度の低下は創痛による。

5: 尿量の減少は循環血液量の減少による。

Aさん(16歳、女子)は、両親と弟と4人で暮らしている。中学生の頃からモデルにあこがれてダイエットを始めた。高校に入ってからは、太ることへの恐怖から食べた後に吐いたり、緩下薬を服用することも多くなった。次第にやせが顕著になり、無月経となった。Aさんの状態を心配した母親に伴われ、心療内科を受診し、医師から入院治療を勧められ、Aさんは入院した。

第101回午前:第118問

入院時、Aさんの身長は 162 cm、体重は36 kg。体温 35.0 ℃。血圧 90/60mmHg。脈拍 56/分、不整。血液検査で最も注意すべきデータはどれか。

1: 尿酸

2: 血清カリウム

3: 中性脂肪

4: HbA1c

Aさん(73歳、女性)は夫(73歳)と2人暮らし。6年前にParkinson〈パーキンソン〉病Parkinson diseaseと診断され、レボドパ〈L-dopa〉を1日3回内服している。Hoehn - Yahr〈ホーエン・ヤール〉重症度分類のステージⅢ、要介護1である。夫が付き添い神経内科外来に月1回、杖歩行で通院している。外来受診のとき、Aさんは足がすくんで転びやすくなったことを主治医に相談し、レボドパ〈L-dopa〉を1日4回に増量して様子を見ることになった。Aさんと夫は薬の副作用〈有害事象〉について外来看護師に尋ねた。

第111回午前:第115問

外来看護師がAさんと夫に説明する副作用〈有害事象〉の内容で正しいのはどれか。

1: 低血糖

2: 体重増加

3: 呼吸器症状

4: 不随意運動

第100回午前:第65問

Aさん(78歳、女性)は心筋梗塞(mycardial infarction)の再発作で入院した。治療経過は順調であるが、日常における行動範囲が拡大しない。Aさんは「心臓に負担がかかるから休んでいたい」と言う。 Aさんへの言葉かけで適切なのはどれか。

1: 「それでは、休みましょう」

2: 「息が上がる程度に動きましょう」

3: 「不整脈があっても大丈夫ですよ」

4: 「負担がかかると思うのはどんなときですか」

第101回午後:第88問

入院中の患者がベッド上で心肺停止状態となっていた。 発見した看護師が1人の場合、対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 家族に連絡する。

2: 医師を呼びに行く。

3: AEDを取りに行く。

4: 胸骨圧迫を開始する。

5: ナースコールでスタッフを呼ぶ。

Aさん(52歳、女性)。自宅で突然激しい頭痛と悪心が出現し、自力で救急車を要請し、搬送された。ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉I-2で頭痛を訴えており、発汗著明であった。瞳孔径は両側3.0mm。上下肢の麻痺はない。Aさんは頭部CTでくも膜下出血(subarachnoid hemorrhage)と診断され、ICUに入室した。入室時のバイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数24/分、脈拍92/分、血圧156/98mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%であった。

第107回午後:第94問

ICU入室から24時間以内に注意すべきAさんの症状や徴候はどれか。

1: Kussmaul〈クスマウル〉呼吸

2: 膝蓋腱反射の低下

3: 企図振戦

4: 瞳孔散大

第110回午前:第73問

Aさん(52歳、男性)は、49歳から高血圧症hypertensionで内服治療と食事や運動に関する生活指導を受けている。2か月間の予定で開発途上国に出張することになり、予防接種を受ける目的で渡航外来を受診した。Aさんから「渡航にあたって何か注意することはありますか」と質問があった。  Aさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。

1: 「出張中は、減塩の必要はありません」

2: 「出張先では有酸素運動は控えましょう」

3: 「現地に到着してから健康診断を受診しましょう」

4: 「持参する高血圧症hypertensionの薬について、かかりつけ医に相談しましょう」

A さん(72 歳、男性)は、アパートの 1 階に 1 人で暮らしている。家族や親戚はいない。15 年前から心不全 (heart failure) のために利尿薬を毎朝内服している。半年前に要支援 2 の認定を受け、介護予防通所介護を週に 2 回利用している。早朝、A さんは玄関の外で座り込んでいるところを近所の人に発見され救急搬送された。来院時、体温37.4 ℃、呼吸数 20/分、脈拍 98/分、血圧 100/70 mmHg であった。血液検査と尿検査の結果、脱水症と診断された。

第104回午前:第97問

A さんは看護師に「頭がふわふわして歩けない。めいもする。昨日の夜から気持ちが悪くなり、朝までに 2 、 3 回吐いた。体に力が入らない」と話した。A さんの脱水症について追加で情報収集すべき内容で最も適切なのはどれか。

1: 昨日の経口摂取量

2: 排尿の自立状況

3: 生活活動強度

4: 睡眠の状況

Aさん(60歳、男性)は、自宅近くを散歩中に突然の胸痛が出現し、救急車を要請した。救急隊到着時のバイタルサインは、呼吸数28/分、脈拍100/分、血圧80/40mmHgであった。冷汗が著明で、前胸部から左肩にかけての激痛を訴えていた。問診で狭心症(angina pectoris)の既往歴があることが分かった。入院時の検査で急性心筋梗塞(acute myocardial infarction)と診断された。

第106回午後:第118問

緊急心臓カテーテル検査で左冠動脈起始部に90%の閉塞を認め、緊急冠動脈バイパス術が行われた。術後5日、集中治療室から一般病棟に転棟した。Aさんは「手術も無事終わって命が助かった。リハビリテーションが大切と聞いたので、頑張って廊下を歩きますよ」と看護師に話した。術後のADL拡大は順調に進み、Aさんは病棟内での200mの歩行が許可されている。胸部症状の出現や心電図の変化は認めない。 Aさんへの心臓リハビリテーションについて適切なのはどれか。

1: 息苦しさが出現したら中止する。

2: 気分の良いときに階段昇降を勧める。

3: 衣服の着脱は家族に介助してもらう。

4: レジスタンストレーニングを中心に行う。

Aちゃん(8歳、女児)は、両親と妹(3歳)の4人家族である。2歳時に気管支喘息(bronchial asthma)と診断された。5歳までは喘息発作のため救急外来を受診することも多く年に1回は入院していた。6歳から発作を起こすこともなくなり、定期受診はしなくなっていた。アレルゲンは、ダニとハウスダストである。

第108回午後:第102問

気管支喘息(bronchial asthma)による発作は軽快して点滴静脈内注射が中止された。咳嗽が軽度あるが全身状態は良好であるため、退院が決定した。Aちゃんに学校での生活状況を確認すると「最近、喘息発作はなかったけど、体育の時は咳が出たり苦しくなったりすることが時々あった」と話した。そのため、Aちゃんと母親に、退院後も抗アレルギー薬の内服と副腎皮質ステロイド薬の吸入を続けるように医師から説明された。 看護師のAちゃんに対する退院後の指導で適切なのはどれか。

1: 「咳が出なくても体育の授業は見学しましょう」

2: 「学校で咳が続くときは先生に伝えましょう」

3: 「咳が出なくなったら薬はやめましょう」

4: 「部屋の空気の入れ替えはやめましょう」

第100回午後:第87問

気管切開による24時間の在宅人工呼吸療法を行う患者と家族への退院指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 入浴はできない。

2: 外出や旅行は控える。

3: 外部バッテリーを準備する。

4: 呼吸器回路の予備を準備する。

5: 加温加湿器には水道水を入れる。

第104回午後:第19問

成人の安静時における所見で異常なのはどれか。

1: 体温 36.2 ℃

2: 呼吸数 12/分

3: 脈拍 116/分

4: 血圧 128/84 mmHg

A君( 8歳、男児 )は、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、肉眼的血尿および両眼瞼の浮腫を主訴に病院を受診した。 1か月前に扁桃炎 (tonsillitis)に罹患した以外は既往歴に特記すべきこ とはない。扁桃炎 (tonsillitis)は抗菌薬を内服し軽快した。血液検査の結果、 溶連菌感染後急性糸球体腎炎 (poststreptcoccal acute glomerulonephritis)と診断されて入院した。入院時、 A君は体温 36.8℃、呼吸 数20/分、脈拍は 80/分、整で血圧 132/80 mmHgであった。

第103回午後:第104問

入院 3日目。両眼瞼の浮腫、肉眼的血尿は続いていた。看護師がバイタルサインを測定していると、 A君は「頭が痛い。気持ち悪い」と訴えた。 A君は体温 36.8℃、呼吸数 20/分、脈拍 88/分、血圧 142/86 mmHgであった。この状況から A君に起こりうる症状で注意するのはどれか。

1: 耳痛

2: 鼻閉

3: 視野欠損

4: 意識障害

第110回午後:第67問

Aさん(82歳、女性)は、脳梗塞cerebral infarctionの既往があり、要介護2で、夫(85歳)と2人暮らし。訪問看護師の訪問時、Aさんは体温37.0℃、脈拍62/分、血圧100/50mmHg、少し汗をかいており、唇の乾燥がみられた。訪問看護師は、翌日予定されている訪問介護の担当者とAさんの援助の方向性について共有することにした。  共有する内容で適切なのはどれか。

1: ポータブルトイレでの排泄に変更する。

2: 水分を多めに摂取するよう促す。

3: 頻繁に寝衣を交換する。

4: 入浴介助を中止する。

Aさん(92歳、女性)は、脳梗塞cerebral infarctionの後遺症のため要介護4で、2年前から特別養護老人ホームに入所している。入所時は、日常生活は全介助で、話しかけるとうなずいたり首を振るなど自分の意思を伝えることができた。Aさんは歌が好きで、歌に関するレクリエーションには車椅子で参加し、笑顔がみられていた。家族は週1回、面会に来ていた。入所時に、Aさんは「延命処置を望まない」、家族は「できるだけ長生きしてほしい」と言っていた。  最近、ほとんど食事を摂らなくなり、閉眼していることが多く、看護師や施設職員の声かけに対する反応が徐々に鈍くなってきた。家族が面会時に声をかけると、目を開け、うなずくなどの意思表示がある。Aさんの状態から、医師と相談し看護師は看取りの準備が必要であると判断した。

第110回午前:第99問

3日後、Aさんは声かけに全く反応しなくなったため、看護師は死期が迫っていると判断した。  看護師が観察するAさんの状態はどれか。

1: 尿量の増加

2: 流涎の増加

3: 下痢便の出現

4: 下顎呼吸の出現

Aさん(70歳、女性)は1人暮らし。夫とは1年前に死別した。近くの診療所で高血圧症hypertensionと心不全heart failureと診断され、内服治療をしていた。月1回は診療所で内服薬の処方と食事指導や体重測定などの生活指導を受けていたが、時々薬を飲んだことを忘れてしまうことがあった。日常生活は自立しており、認知機能は問題ない。週2日、事務職のパートとして働いており、電車を使って通勤していた。息子(42歳)と娘(37歳)は仕事のため遠方に住んでいる。1か月前からAさんは家事や外出するときに軽い息切れを感じるようになり、2、3日前からは咳と痰が出るようになった。両足のむくみが出てきたため、診療所から自宅近くの病院を紹介され外来受診した。身体所見:意識は清明。身長159cm、体重61.3kg。 体温37.1℃、呼吸数21/分、脈拍95/分、不整、血圧164/96mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(room air)。 両下肢に軽度の浮腫を認めた。

第111回午前:第99問

入院後10日。入院治療により全身状態は改善し、夜間の睡眠もとれるようになったため、Aさんは退院することになった。Aさんは「入院していて体力が落ちてしまい、動くと疲れてしまう」と言っている。また、看護師に「医師から退院したら元の仕事はしてよいといわれました。これまでの生活を続けたいと思っています。また入院するのは嫌なので、今後の生活で気をつけることはありますか」と尋ねてきた。  このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 「薬の管理はお薬カレンダーを使いましょう」

2: 「通勤するときに駅の階段を使いましょう」

3: 「水分は1日2,000mL摂りましょう」

4: 「塩分を1日9g摂りましょう」

Aちゃん(1歳6か月、男児)は、5日前から発熱し、自宅近くのかかりつけ医に通院していたが解熱せず、昨日から眼球結膜の充血、口唇の発赤と亀裂が出現したため入院した。診察では、体幹の発疹と手足の浮腫もあり、川崎病(Kawasaki disease)および脱水症(dehydration)と診断された。Aちゃんに対し、点滴静脈内注射による脱水症(dehydration)の治療が開始され、左手掌から前腕までシーネで固定された。Aちゃんは機嫌が悪く、両手をバタバタと上下に動かしながら泣いている。左手背の留置針刺入部には、腫脹や発赤はない。

第108回午前:第105問

Aちゃんの心臓超音波検査結果では、冠状動脈瘤の所見(coronary artery aneurysm)はなかった。Aちゃんは、全身状態が安定したため退院することになった。 看護師からAちゃんの家族への退院指導で適切なのはどれか。

1: 運動の制限がある。

2: 定期受診が必要である。

3: 水分摂取量の制限がある。

4: 保育所への通所は2週間禁止する。

Aちゃん(2歳10か月)は、両親と生後3か月の妹と4人で暮らしている。Aちゃんは、6日前に発熱および不定形の発疹が腹部と背部とに出現した。解熱薬の使用によって、体温は一時的に低下したが、再び上昇したので受診した。受診時、口唇の充血と乾燥とが著明で、眼球結膜の充血と四肢の硬性浮腫とがみられた。受診時の血液検査の結果は、CRP 15.7mg/dl、AST〈GOT〉22 I U/l、ALT〈GPT〉54 I U/lであった。Aちゃんは川崎病(Kawasaki disease)と診断され、入院した。アスピリンの内服と γ-グロブリンの点滴静脈内注射とが開始された。

第101回午後:第106問

入院時のAちゃんへの看護で適切なのはどれか。

1: 歩行を禁止する。

2: 高エネルギー食とする。

3: 弾性包帯で下肢を圧迫する。

4: アナフィラキシー様症状に注意する。