Aさん(85歳、女性)。左側の人工股関節置換術後10日である。日中は看護師の援助によって車椅子でトイレまで行くことは可能であるが、夜間はポータブルトイレを使用している。 Aさんの夜間の療養環境を整える上で適切なのはどれか。
1: 足側のベッド柵は下げておく。
2: 着脱しやすいスリッパを用意する。
3: ポータブルトイレはAさんのベッドの右側に置く。
4: 移動時につかまれるようにオーバーテーブルを整える。
Aさん(75歳、女性)は、1人暮らし。高血圧症hypertensionの内服治療をしているが、その他に既往歴はない。認知機能は問題ない。軽度の円背があるが、日常生活動作〈ADL〉は自立している。簡単な家事は自分で行っており、家の中で過ごすことが多かった。近所に住む長女が時々、Aさんの様子を見に来ていた。 ある日、Aさんは自宅の階段を踏み外して転落し、横向きになったまま動けなくなったところを訪問してきた長女に発見され、救急車で病院に運ばれ、右大腿骨頸部骨折femoral neck fractureと診断された。そのまま入院し、緊急手術を行うことになった。
手術後14日。Aさんは、回復期リハビリテーション病棟のトイレ付きの個室に移動した。Aさんは歩行訓練を行っているが、立ち上がるときにバランスを崩しやすく「夜トイレに行こうとしてベッドから立ち上がるときに、ふらふらする。また転んでしまうのが怖い」と言っている。 このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: ポータブルトイレを置く。
2: ベッドに移動介助バーを付ける。
3: ベッドの頭部側を45度挙上する。
4: 夜間はヒッププロテクターを装着する。
Aさん(75歳、女性)は、脂質異常症(dyslipidemia)と高血圧症(hypertension)で通院中で、定期受診のため、外来待合室で順番を待っていた。Aさんは、待合室の雑誌を取ろうと立ち上がり、歩こうとしたところ、右足が思うように動かず引きずって歩いた。外来看護師が声をかけると、Aさんは「らいじょうぶ」と返答したが、ろれつが回らなかった。
Aさんは、2か月間のリハビリテーションの結果、健側をつかってベッド上で端坐位ができるようになり、補装具をつければ軽介助で歩行できる状態まで回復した。退院後はベッド柵をつけた介護用ベッドを設置し、自宅で生活をする予定である。Aさんが自宅で使用する介護用ベッドの柵の配置を図に示す。ベッド柵の配置で適切なのはどれか。
Aさん(75歳、女性)。1人暮らし。脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左不全麻痺があり、要介護1の認定を受けている。最近、夜間に中途覚醒することが多い。昨夜、トイレに行く際に転倒し、右手をついた。転倒後から右上肢の痛みがあり、翌朝になっても痛みが強かったため受診した。エックス線写真の結果から、右の上腕骨近位部骨折(proximal humerus fracture)と診断され、入院した。
入院後2日。Aさんは日中、ベッドで横になってテレビを観ていることが多い。 Aさんが尿意を訴えたため、看護師が付き添ってトイレに行くことになった。 移動の方法として適切なのはどれか。
1: 右腕を使って起き上がる。
2: しばらく座位をとってから立ち上がる。
3: 骨折部の痛みがあるときも歩いてトイレに行く。
4: ベッドの高さは腰掛けたときにつま先が床に着くよう調整しておく。
転倒・転落の危険性が高い成人の入院患者に看護師が行う対応で正しいのはどれか。
1: 夜間はおむつを使用する。
2: 履物はスリッパを使用する。
3: 離床センサーの使用は控える。
4: 端坐位時に足底が床につくベッドの高さにする。
Aさん(60歳、女性)は、身長155cm、体重70kgである。エレベータがあるマンションの4階に住んでいる。左膝の痛みが徐々に増強し、趣味の茶道での正座や和式トイレの使用が困難になった。Aさんは変形性膝関節症(osteoarthritis of the knee)と診断され入院した。左膝の人工膝関節全置換術を受け、術後経過は順調である。
Aさんの退院後の生活の指導で適切なのはどれか。
1: 「正座は避けてください」
2: 「和式トイレが使えます」
3: 「なるべく階段を使いましょう」
4: 「ベッドではなく、畳に布団を敷いて寝ましょう」
Aさん(78歳、男性)は、妻(70歳)と2人暮らしである。脳血管障害後遺症による右片麻痺があり、車椅子への移乗は部分介助、要介護2である。排泄はポータブルトイレを利用している。Aさんと妻はなるべく家で過ごしたいと考え、自宅での介護はすべて妻が行っている。長女(会社員)が県内に在住しているがAさんの介護はしていない。訪問看護を週1回利用するのみで、他のサービスは利用していない。最近、妻の腰痛が悪化し、妻から訪問看護師に「主治医から介護の負担を軽減するように言われました。でも夫は家から出たくないし、私も夫をどこかに預けるのは不安です。どうしたらよいでしょうか」と相談があった。
Aさんは入院したが、状態が安定し入院後3日で退院することが決まった。長女が「父が退院したら、母の腰痛が心配なので、私が父のポータブルトイレへの移動を手伝いたいと思います。介助の方法を教えてください」と訪問看護師に相談があった。 訪問看護師が長女に指導するベッドからポータブルトイレへの移乗の介助方法で正しいのはどれか。
1: ポータブルトイレをAさんの麻痺側に設置する。
2: ベッドから立ち上がる際はAさんに前傾姿勢になってもらう。
3: Aさんの健側に立って介助する。
4: Aさんの向きを変えるときはズボンのウエスト部分を持つ。
Aさん(85歳、女性)は、1人暮らし。日常生活は自立しており、健康のために毎日20〜30分のウォーキングをしている。夜間は、廊下を歩いて1、2回トイレに行く。 Aさんの現時点での家屋環境の整備で最も優先されるのはどれか。
1: 便座の高さを高くする。
2: 廊下に手すりを設置する。
3: トイレの扉を引き戸にする。
4: 廊下に足元照明を設置する。
Aさん(83歳、男性)は妻(81歳)と2人暮らし。息子夫婦は共働きで同市内に住んでいる。Aさんは自宅の廊下で倒れているところを妻に発見され、救急搬送された。Aさんは右上下肢に力が入らず、妻の声かけにうなずくが発語はなかった。頭部CTで左中大脳動脈領域の脳梗塞cerebral infarctionと診断されたため救急外来で血栓溶解療法が行われ、入院となった。血栓溶解療法による治療後2週。Aさんは右上下肢麻痺、失語などの後遺症があるが、自宅への退院を希望したため、機能訓練の目的で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。転棟後1日。Aさんはベッドから車椅子への移乗動作の訓練を始めたが、健側の下肢筋力が低下しているため、立位のときにバランスを崩しやすい状況である。
Aさんへの移乗時の援助で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: ズボンのウエスト部分をつかんで引き上げる。
2: ベッドの高さを車椅子の座面より低くする。
3: 床に離床センサーマットを設置する。
4: 車椅子をAさんの左側に準備する。
5: 移乗前に血圧測定を行う。
Aさん(65歳、女性)は、夫と実父との3人暮らしである。脊柱管狭窄症(spinal canal stenosis)の術後、地域包括ケア病棟に入院中である。退院後は自宅に戻り室内で車椅子を利用する予定である。Aさんの障害高齢者の日常生活自立度判定基準はB-1である。 看護師による家族への指導で最も適切なのはどれか。
1: 家族の生活習慣を中心に屋内環境を整備する。
2: 夜間の車椅子によるトイレへの移動は制限する。
3: 退院後の生活の課題に応じて福祉用具を選定する。
4: ベッドから車椅子への移動介助にリフトの導入を勧める。
Aさん(30歳、初産婦)は妊娠39週3日で陣痛発来し、4時に入院した。その後、陣痛が増強して順調な分娩進行と診断されて、11時45分の診察で子宮口が8cm開大となった。看護師が12時に昼食を配膳にいくとAさんは額に汗をかいて、側臥位で「陣痛がつらくて何も飲んだり食べたりしたくありません」と言っている。陣痛発作時は強い産痛と努責感を訴え、目を硬く閉じて呼吸を止めて全身に力を入れている。
Aさんへの看護で最も適切なのはどれか。
1: 坐位になるよう勧める。
2: シャワー浴を勧める。
3: 食事摂取を促す。
4: 呼吸法を促す。
Aさん(72歳、女性)は、 1人で暮らしている。Aさんは 1年前に夫を亡くした後、近所付き合いが少なくなっていた。遠方に住む Aさんの息子が時々電話で様子を確認していた。最近は元気がなく、 Aさんの息子が心配して様子を見に来たところ、食事を食べた様子がなく、ごみは捨てられていなかった。 Aさんは発熱してぐったりしており、息子に連れられて病院を受診した。 Aさんは脱水状態の治療と抑うつ状態の疑いのため検査が必要であると判断されて入院した。Aさんの既往歴に特記すべきことはない。
入院後 1週間、Aさんの脱水状態は改善したが臥床していることが多い。 Aさんは排泄時、手すりを使用してトイレまで歩行しているが、着脱動作が緩慢で失禁することが多い。 Aさんへの排泄援助として最も適切なのはどれか。
1: オムツの着用を勧める。
2: トイレに近い病室に変更する。
3: 膀胱留置カテーテルの挿入を検討する。
4: ポータブルトイレをベッドの横に設置する。
Aさん(70歳、男性)は、65歳の妻と2人で暮らしている。Aさんは67歳のときに安静時に振戦が現れ、パーキンソン病(Parkinson’s disease)と診断された。ヤール(Yahr.M.D)の重症度分類ステージⅢで、要介護3である。Aさんの症状として、仮面様顔貌、小刻み歩行および前傾姿勢がある。歩行練習を行っており、排泄は時間がかかるが自分でできている。Aさんの長男夫婦は車で1時間のところに住んでおり、週末に様子を見にきている。Aさんは訪問看護を2週間に1回利用している。
転倒を予防するために、Aさんと妻に対して行う訪問看護師の指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: なるべく家の中で過ごす。
2: 方向転換はすばやく行う。
3: 夜間はポータブルトイレを利用する。
4: 動きが遅いときには歩行練習を増やす。
5: 歩行を開始する時は、妻がかけ声をかける。
ボディメカニクスを活用して、看護師が患者を仰臥位から側臥位に体位変換する方法で正しいのはどれか。
1: 患者の支持基底面を狭くする。
2: 患者の重心を看護師から離す。
3: 患者の膝を伸展したままにする。
4: 患者の体幹を肩から回転させる。
Aさん(76歳、女性)は、夫と2人で暮らしている。これまで健康に生活しており、登山会への参加を趣味にしていた。3週前に、散歩中に転び、殿部から腰背部にかけての痛みがあったが様子をみていた。Aさんは痛みのため臥床して過ごすことが多くなり、次第に足に力が入らず立ちあがりも困難になった。食事は夫が購入した弁当を残さず食べていた。 2日前から1日中臥床するようになったため、夫の介助で受診し、腰椎圧迫骨折(lumbar compression fracture)と診断され入院した。
入院後5日が経過し、Aさんは病室内を歩くようになったが、腰痛を訴えている。看護師が検討すべき事項として適切なのはどれか。
1: 鎮痛薬の内服
2: T字杖の使用
3: 痛みのある間の臥床保持
4: 就寝中のコルセット装着
車椅子で日常生活を送る在宅療養者の住宅改修で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 床を畳に変える。
2: 玄関を引き戸にする。
3: 廊下と部屋との段差をなくす。
4: トイレに和式便器を設置する。
5: 廊下の幅は車椅子の幅と同じにする。
臥床患者の安楽な体位への援助として適切なのはどれか。
1: 同一体位を5時間程度保持する。
2: 仰臥位では膝の下に枕を入れる。
3: 側臥位では両腕を胸の前で組む。
4: 腹臥位では下を挙上する。
仰臥位の患者の良肢位について正しいのはどれか。
1: 肩関節外転 90 度
2: 肘関節屈曲 0 度
3: 膝関節屈曲 90 度
4: 足関節底屈 0 度