精神医療審査会で審査を行うのはどれか。
1: 精神保健指定医の認定
2: 入院患者からの退院請求
3: 退院後生活環境相談員の選任
4: 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による処遇の要否
リエゾン精神看護に関する説明で正しいのはどれか。
1: 直接ケアは含まれない。
2: 精神疾患の既往のある患者は対象とならない。
3: 看護師は必要に応じて精神病床への移動を指示できる。
4: 身体疾患と精神的問題とを併せ持つ患者を対象とする。
理解力に問題のない入院中の成人患者を対象にした看護研究を行うこととした。 倫理的配慮で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 研究参加の同意は後で撤回できることを患者に説明する。
2: 患者が自室に不在の場合、研究参加の同意は家族から得る。
3: 発表用のデータには患者の実名を記載する。
4: 個人情報が含まれた研究の書類は、施錠できる場所に保管する。
5: 研究が終了したとき、研究者の守秘義務は免除される。
精神障害者のリカバリ〈回復〉の考え方で正しいのはどれか。 2 つ選べ。
1: 患者に役割をもたせない。
2: 薬物療法を主体に展開する。
3: 患者の主体的な選択を支援する。
4: 患者のストレングス〈強み・力〉に着目する。
5: リカバリ〈回復〉とは病気が治癒したことである。
判断能力のある成人患者へのインフォームド・コンセントにおける看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 患者の疑問には専門用語を用いて回答する。
2: 今後の治療に関しては医療者に任せるように話す。
3: 治療方針への同意は撤回できないことを説明する。
4: 納得ができるまで医師からの説明が受けられることを伝える。
Aさん(68歳、男性、自営業)は、妻(73歳)と2人暮らし。Aさんの就寝時刻は21時で、入眠後90分以上が経過した睡眠中に、大声で叫び、腕や足を振り回し暴れる行動が繰り返しみられたが、昼寝では夜間のような行動はみられない。日中、台所で子どもが遊んでいると言い、妻が台所を確認しても誰もいないことが何度かあった。心配になった妻がAさんとともに病院を受診し、Lewy〈レビー〉小体型認知症dementia with Lewy bodiesと診断された。
Aさんは定期的に精神科外来を受診することになった。受診6か月後、Aさんは足の筋肉がこわばり、動きが鈍くなった。また、幻視を訴える頻度が増え、感情のコントロールができず、妻に暴言や暴力を振るうことが多くなったため、精神科病院に入院となった。入院2日、Aさんは歩行時に床に子どもが寝転んでいると訴えて、子どもをよける動作で転びそうになった。また、突然、興奮して大声で怒り出すため、同室患者が苦情を訴えた。 Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
1: Aさんに別の病室へ移動することを提案する。
2: 歩行時は看護師と一緒に歩くように声をかける。
3: 怒りをコントロールできる方法を見つけるように伝える。
4: 床に子どもがいるように見えるのは幻視であることを説明する。
精神保健における一次予防はどれか。
1: 職場でうつ病depression患者を早期発見する。
2: 自殺企図者に精神科医療機関への受療を促す。
3: 統合失調症schizophrenia患者の社会参加のための支援を行う。
4: ストレスとその対処法に関する知識の啓発活動を行う。
Aさん(35歳、男性)は1人暮らし。両親は他県に住んでいる。30歳のときに双極性障害bipolar disorderと診断され、これまでに4回の入退院を繰り返している。給料をインターネットゲームの利用料金で度々使い果たし、それが原因で両親と何度も口論になったことがある。仕事では同僚とトラブルを起こすたびに転職を繰り返しており、今回も同僚と口論になり自ら退職した。Aさんは「前の職場の同僚に嫌がらせをしてやる」と母親に電話をかけ、心配した両親が一緒に精神科病院を受診した。診察室では多弁で大きな声を出し、椅子を蹴るなどの行為がみられた。医師の診察の結果、入院して治療することになった。
入院後1週、身体的拘束は解除された。Aさんは常に動き回り、他の患者への過干渉が続いている。食事中に立ち上がりホールから出ていこうとするため、看護師が止めると強い口調で言い返してくる。Aさんは「ゲーム関連の仕事を探したい。早く退院させろ」と1日に何度も看護師に訴えるが、主治医は退院を許可していない。 Aさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 休息できる場所へ誘導する。
2: 過干渉となる理由を確認する。
3: 退院後は家族と暮らすように提案する。
4: 仕事に必要なスキルについて話し合う。
地域精神保健活動における二次予防はどれか。
1: 精神科病院で統合失調症患者に作業療法を行う。
2: 精神疾患患者に再燃を予防するための教育を行う。
3: 地域の住民を対象にストレスマネジメントの講演会を行う。
4: 会社の健康診断でうつ傾向があると判定された人に面接を行う。
訪問看護制度で正しいのはどれか。
1: 管理栄養士による訪問は保険請求できる。
2: 精神科訪問看護は医療保険から給付される。
3: 医療処置がなければ訪問看護指示書は不要である。
4: 訪問看護事業所の開設には常勤換算で3人以上の看護職員が必要である。
Aさん(32歳、男性)。自宅の部屋で多量の鎮咳薬を見つけた母親に心配され、自宅近くの病院を受診した。「5年前、仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らないことがあった。そのときに処方された咳止めの薬を飲むと、頭がボーッとして気持ちが良かったのがきっかけで、近所の薬局で咳止めを買うようになった。3年前から飲む量が増えるようになり、やめられなくなっている。仕事もうまくいかなくなり、退職した」と言う。Aさんは紹介を受けた精神科を受診した。
Aさんは鎮咳薬による薬物依存症と診断され、任意入院となった。入院2週後、Aさん、主治医および担当看護師で、今後の治療について話し合った。Aさんは「今までは自分の力で薬をやめられると思ったけれど、やっぱりできなかった。仕事もしていないし、家に帰ったらまた薬を買ってしまいそうだ。今度こそ何とかやめたい」と話している。 Aさんへの対応として最も適切なのはどれか。
1: 服薬心理教育を実施する。
2: ハローワークを紹介する。
3: 生活技能訓練〈SST〉を勧める。
4: 薬物依存症者のリハビリテーション施設の情報を提供する。
現在の日本の精神医療について正しいのはどれか。
1: 精神及び行動の障害で入院した患者で最も多いのはうつ病 (depression) である。
2: 人口当たりの精神病床数は OECD加盟国の中では低い水準である。
3: 各都道府県及び政令指定都市に精神保健福祉センターが設置されている。
4: 精神障害者保健福祉手帳制度によって外来通院の医療費の給付が行われる。
精神科デイケアの目的で最も適切なのはどれか。
1: 陽性症状を鎮静化する。
2: 家族の疾病理解を深める。
3: 単身で生活できるようにする。
4: 対人関係能力の向上を目指す。
Aさん(32歳、男性)は、仕事上のストレスを抱えていた際に知人から誘われ、覚せい剤を常用するようになり逮捕された。保釈後、薬物依存症の治療を受けることができる精神科病院に入院し、治療プログラムに参加することになった。
入院時のAさんへの看護師の対応として適切なのはどれか。
1: 二度と使用しないと約束させる。
2: 回復が期待できる病気であることを伝える。
3: 使用をやめられなかったことに対する反省を促す。
4: 自分で薬物を断ち切る強い意志を持つように伝える。
現在の日本の精神医療で正しいのはどれか。
1: 精神保健福祉センターは各市町村に設置されている。
2: 精神病床に入院している患者の疾患別内訳では認知症が最も多い。
3: 精神障害者保健福祉手帳制度によって通院医療費の給付が行われる。
4: 人口当たりの精神病床数は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中では最も多 い。
診療情報の取り扱いで適切なのはどれか。
1: 診療情報の開示請求は患者本人に限られる。
2: 医療者は患者が情報提供を受けることを拒んでも説明する。
3: 2類感染症の届出は患者本人の同意を得なければならない。
4: 他院へのセカンドオピニオンを希望する患者に診療情報を提供する。
Aさん(23歳、女性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。専門学校卒業後に就職し、仕事も順調であった。4か月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1か月ほど続いたが、通勤は続けていた。Aさんは2か月前から不眠を訴えるようになり、先月からは給料の全額を宝くじの購入に費やしてしまう行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。
入院して2か月が経過し、Aさんは服薬による治療で多弁や易怒性などの症状が改善し、落ち着いて過ごせるようになった。Aさんは治療を継続する必要性についても理解している。看護師がAさんと家族への退院指導を行うことになった。 退院指導における説明で最も適切なのはどれか。
1: 「薬の管理は家族が行ってください」
2: 「今後も定期的な入院が必要になります」
3: 「Aさんの言動の変化に気を付けましょう」
4: 「服薬していれば再発することはありません」
緩和ケアの説明で適切なのはどれか。
1: 入院が原則である。
2: 家族もケアの対象である。
3: 創の治癒を目的としている。
4: 患者の意識が混濁した時点から開始する。
精神科デイケアの目的はどれか。
1: 陽性症状を鎮静化する。
2: 社会生活機能を回復する。
3: 家族の疾病理解を深める。
4: 単身で生活できるようにする。
精神保健法から精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律への改正で行われたのはどれか。
1: 私宅監置の廃止
2: 任意入院の新設
3: 通院医療公費負担制度の導入
4: 精神障害者保健福祉手帳制度の創設