Aさん(65歳、男性)は、右下葉の肺癌(lung cancer)(T3N2M0)と診断され、抗癌化学療法(シスプラチン+エトポシド)1クール4日間を4クール行うことになった。入院時のAさんは、体温36.2度、呼吸数18/分、脈拍72/分、血圧124/74mmHgであった。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は98%で、咳嗽が時々みられるが、痰の喀出はなく、胸部の聴診にて副雑音はない。Aさんの血液検査の結果は、白血球5600/μl、アルブミン3.7g/dl、CRP0.3mg/dlであった。Aさんは20歳のころから毎日20本の煙草(たばこ)を吸っていたが、60歳のときに禁煙した。
抗癌化学療法が開始されて5日が経過した。Aさんの血液検査の結果は、白血球2100/μl(好中球50%)である。 看護師が行うAさんへの感染予防の対策で適切なのはどれか。
1: 加熱食に変更する。
2: マスクの着用を促す。
3: 面会者の入室を禁止する。
4: クリーンルームに入室とする。
Aさん(37歳、女性、会社員)は、夫(38歳)と2人暮らし。身長155cm、体重57kg。Aさんは、入浴中に右胸のしこりに気づき、病院を受診した。乳房超音波検査で右乳房外側下部に、直径約3cmの腫瘤が認められた。医師から乳癌(breast cancer)の可能性が高いと説明され、検査を受けたところ、右乳癌(breast cancer)と診断された。
Aさんは、職場の上司と相談し、仕事を継続しながら化学療法を受けることになった。2サイクル目の治療のため、化学療法センターに来院した。Aさんは「1回目の治療のあと、数日間身体がだるくて食欲もなく、体重が1キロ減りました。仕事も休みました」と看護師に話した。 身体所見:体温36.8℃、呼吸数16/分、脈拍70/分、血圧120/74mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)98%。 検査所見:赤血球400万/μL、Hb 12.5g/dL、Ht 37%、白血球2,300/μL(好中球55%、単球5%、好酸球4%、好塩基球1%、リンパ球35%)、血小板18万/μL、総蛋白7.0g/dL、アルブミン4.5 g/dL、尿素窒素13mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、CRP 0.3mg/dL。 2サイクル目の化学療法を受けたAさんに行ってもらうセルフモニタリングで最も重要なのはどれか。
1: 脈拍数
2: 体温
3: 血圧
4: 体重
A君(14歳、男子)は、夏休みのサッカー部の部活動で、朝10時から12時まで屋外で練習した。昼食時におにぎり2個とお茶を500mL摂取し、休憩後の13時から15時まで再び練習した。この日は晴天で、外気温は32℃であった。15分休憩し練習を再開したところ、A君は突然頭痛と悪心とを訴え、グラウンドの隅に座り込んだ。 サッカー部担当のB教諭が、A君を日陰で横にして休ませ様子をみていたが、症状が改善せず、顔面蒼白、冷汗が出現した。A君は「気持ち悪い」と言った後に嘔吐した。
B教諭に付き添われて、A君は病院に到着した。来院時、A君のバイタルサインは、体温38.5℃、呼吸数26/分、脈拍128/分、血圧90/48mmHg であった。口唇粘膜は乾燥し、皮膚をつまむとゆっくり戻る状態であった。血液検査データは、赤血球580万/μL、白血球12,500/μL、Hb16.8g/dL、Na152mEq/L、K4.0mEq/L、Cl109mEq/L、クレアチニン0.9mg/dLであった。尿比重1.035。受診時の身長165cm、体重57kg(発症前60kg)。 A君の状態に対するアセスメントとして適切なのはどれか。
1: 貧血である。
2: 低カリウム血症である。
3: 高ナトリウム血症である。
4: 循環血液量が増加している。
5: ツルゴール反応は正常である。
Aさん(28歳、女性)は、サーフィンが趣味で休日は海岸にいることが多い。Aさんは数ヶ月前から前胸部や腕に皮疹がみられ、日焼け後の疲労も強くなり、先月からサーフィンに行くことができなくなっていた。また数週間前から関節痛、微熱、倦怠感があり、2日前から39度台の発熱が続いたため受診した。血液検査等の結果、全身性エリテマトーデス〈SLE〉(systemic lupus erythematousus)を疑われ、緊急入院になった。
入院した翌朝、Aさんの倦怠感はさらに強まり、顔面の浮腫が増強し、尿蛋白3+が認められた。Aさんが両膝と足関節の痛みや、歩行時の息切れがすると訴えたので、排尿はベッドサイドで行い、それ以外は安静にするように指示された。血液検査の結果は白血球3000/μl、血小板11万/μl、溶血性貧血(hemolytic anemia)が認められ、酸素投与が1l/分で開始された。 Aさんの診断に必要と考えられる検査はどれか。
1: 膀胱鏡
2: 腎生検
3: 関節鏡
4: 骨髄穿刺
Aさん(60歳、男性)は、胃癌(gastric cancer)の手術目的で入院した。大動脈弁置換術を受けた既往があり、内服していたワルファリンをヘパリンに変更することになった。 確認すべきAさんの検査データはどれか。
1: PT-INR
2: 赤血球数
3: 白血球数
4: 出血時間
5: ヘモグロビン値
Aさん(61歳、男性)は、水分が飲み込めないため入院した。高度の狭窄を伴う進行食道癌(advanced esophageal cancer)と診断され、中心静脈栄養が開始された。入院後1週、Aさんは口渇と全身倦怠感を訴えた。意識は清明であり、バイタルサインは脈拍108/分、血圧98/70mmHgであった。尿量は1,600mL/日で、血液検査データは、アルブミン3.5g/dL、AST〈GOT〉45IU/L、ALT〈GPT〉40IU/L、クレアチニン1.1mg/dL、血糖190mg/dL、Hb11.0g/dLであった。 Aさんの口渇と全身倦怠感の要因として最も考えられるのはどれか。
1: 貧血
2: 低栄養
3: 高血糖
4: 腎機能障害
5: 肝機能障害
Aさん ( 42歳、男性 )は、血尿を主訴に泌尿器科を受診した。診察の結果、 Aさんは膀胱鏡検査を受けることになった。 Aさんへの検査についての説明で適切なのはどれか。
1: 「入院が必要です」
2: 「前日は夕食を食べないでください」
3: 「局所麻酔で行います」
4: 「終了後は水分の摂取を控えてください」
Aさん(19歳、男性、専門学校生)は、1人暮らし。「皆が自分を嫌っている」と言い、昨年から学校を休学し、アパートに引きこもるようになった。先週、夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人が両親へ連絡をした。連絡の翌日、Aさんの両親が訪ねてみると、Aさんは「隣の人に嫌がらせを受けている。助けてくれ」と叫び続けたため、両親とともに精神科病院へ行き、その日のうちに任意入院となった。Aさんは統合失調症(schizophrenia)と診断され、抗精神病薬による治療が開始された。
入院後1か月。Aさんは洗面所でボーッとしていることが多くなり、頭痛や倦怠感を訴えることが多くなった。 身体所見:身長170cm、6時の体重60kg、17時の体重63kg、体温36.4℃、呼吸数18/分、脈拍76/分、血圧124/70mmHg。 検査所見:クレアチンキナーゼ(CK)190IU/L(U/L)、空腹時血糖102mg/dL、HbA1c 5.0%、Na 128mEq/L、K 3.5mEq/L、総コレステロール180mg/dL、HDLコレステロール45mg/dL。 Aさんの状況で最も考えられるのはどれか。
1: 水中毒(water intoxication )
2: 悪性症候群(malignant syndrome)
3: セロトニン症候群(serotonin syndrome)
4: メタボリック症候群( metabolic syndrome)
Aさん(60歳、男性)は、慢性心不全(chronic heart failure)の終末期で、積極的な治療を行わないことを希望している。現在、入院中で、リザーバーマスク10L/分で酸素を吸入し、水分制限がある。時々息切れがみられるが、Aさんは面会に来た長女との会話を楽しみにしている。バイタルサインは呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧76/50mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%であった。 このときの対応で最も適切なのはどれか。
1: 面会は制限しない。
2: 水分制限を厳しくする。
3: Aさんに仰臥位を維持してもらう。
4: 面会中は酸素マスクを鼻腔カニューラに変更する。
Aさん(23歳、男性)は、マラソンの途中で嘔吐し、意識混濁状態となり救急車で搬送された。来院時、体温39.5℃で、熱中症(heatillness)と診断された。気管挿管と人工呼吸器管理が実施された。膀胱留置カテーテルを挿入後に輸液療法を開始して、ICUに入室した。表面冷却と血管内冷却によって体温は37℃台に下降した。 既往歴 : 特記すべきことはない。 身体所見 : ICU入室時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-20。体温37.8℃、呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧94/74mmHg。暗赤色尿を1時間で20mL認めた。 検査所見 : Hb16.8g/dL、Ht48.6%、Na130mEq/L、K6.5mEq/L、Cl100mEq/L、クレアチンキナーゼ〈CK〉48,000IU/L、尿素窒素60mg/dL、クレアチニン2.4mg/dL、AST〈GOT〉70IU/L、ALT〈GPT〉88IU/L。尿一般検査でミオグロビン陽性。胸部エックス線写真および頭部CTで異常所見なし。心電図でSTの変化はなく、洞性頻脈を認めた。
Aさんは腎不全が悪化し、持続的血液透析を1週間実施した。入院後20日が経過し、Aさんは尿量100mL/時間以上、クレアチニン1.4mg/dLとなった。気管チューブと膀胱留置カテーテルは抜去され、状態は落ち着いている。ADLは拡大し、3日後に退院することとなった。 Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。
1: 水分を制限する。
2: 蛋白質を制限する。
3: 積極的に運動する。
4: 生野菜を積極的に摂取する。
Aちゃん(1歳6か月、男児)は、5日前から発熱し、自宅近くのかかりつけ医に通院していたが解熱せず、昨日から眼球結膜の充血、口唇の発赤と亀裂が出現したため入院した。診察では、体幹の発疹と手足の浮腫もあり、川崎病(Kawasaki disease)および脱水症(dehydration)と診断された。Aちゃんに対し、点滴静脈内注射による脱水症(dehydration)の治療が開始され、左手掌から前腕までシーネで固定された。Aちゃんは機嫌が悪く、両手をバタバタと上下に動かしながら泣いている。左手背の留置針刺入部には、腫脹や発赤はない。
Aちゃんの血液検査の結果は、白血球15,000/μL、血小板45万/μL、CRP 4.8mg/dLであり、心臓超音波検査に異常はなかった。γ-グロブリン製剤の点滴静脈内注射が開始された。10分後にAちゃんは腹部をかきはじめ、全身にかゆみを伴う膨隆疹と喘鳴、口唇のチアノーゼが出現した。 Aちゃんの状態として最も考えられるのはどれか。
1: イレウス( ileus)
2: 心筋梗塞(myocardial infarction)
3: アレルギー反応
4: クループ症侯群(croup syndrome)
A さん(79 歳、女性)は、癌の化学療法を受けていたが、脳出血 (cerebral hemorrhage) を起こし意識不明の状態になった。A さんの家族は回復する見込みはないと医師から説明を受けた。家族は A さんの延命を望んでおり、医師と今後の治療方針を決定する前に看護師に相談した。A さんの家族への対応で最も適切なのはどれか。
1: 医師に方針を決めてもらうよう伝える。
2: 病院の倫理委員会に判断を依頼するよう伝える。
3: A さんのアドバンスディレクティブ〈事前指示〉を確認するよう伝える。
4: 経管栄養法を開始することで A さんの身体の状態は維持できると伝える。
Aさん(82歳、女性)は、脳梗塞cerebral infarctionの既往があり、要介護2で、夫(85歳)と2人暮らし。訪問看護師の訪問時、Aさんは体温37.0℃、脈拍62/分、血圧100/50mmHg、少し汗をかいており、唇の乾燥がみられた。訪問看護師は、翌日予定されている訪問介護の担当者とAさんの援助の方向性について共有することにした。 共有する内容で適切なのはどれか。
1: ポータブルトイレでの排泄に変更する。
2: 水分を多めに摂取するよう促す。
3: 頻繁に寝衣を交換する。
4: 入浴介助を中止する。
Aさん(34歳、男性)は、運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90 mmHg と尿蛋白2+、尿潜血2+を指摘されたが放置していた。1週前、感冒様症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgA が高値でIgA腎症(IgA nephropathy)が疑われ入院した。
Aさんは退院後、仕事が忙しくなり一度も受診をせずに2年が経過した。2か月前から疲れやすくなったが、仕事のせいだと思い放置していた。1週前から息切れ、食欲不振および浮腫があり、昨日から眠気、悪心および嘔吐が出現したため外来を受診した。体温36.5 ℃、脈拍98/分、血圧238/112 mmHg であった。血液検査データは、尿素窒素100 mg/dL、クレアチニン12.0mg/dL、Hb 7.1 g/dL。胸部エックス線写真で心拡大と肺うっ血とが認められ入院した。 直ちに行われるのはどれか。2つ選べ。
1: 輸血
2: 血液透析
3: 利尿薬の内服
4: 胸腔ドレナージ
5: 降圧薬の点滴静脈内注射
Aさん(26歳、男性)は1か月前から動悸と20m程度の歩行でも息切れが出現するようになった。ぶつけた記憶もないのに下肢に出血斑ができるようになり、医療機関を受診した。Aさんは急性白血病acute leukemiaを疑われ、緊急入院し、後腸骨稜から骨髄穿刺を受けた。 身体所見:意識清明、体温37.2℃、呼吸数17/分、脈拍124/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%(room air)、両下肢に散在する出血斑あり。 検査所見:Hb5.1g/dL、白血球44,960/μL、血小板1.5万/μL、総ビリルビン1.1mg/dL、尿素窒素19.4mg/dL、クレアチニン0.76mg/dL、CRP2.2mg/dL。 胸部エックス線:縦郭・心陰影・肺野に異常なし。
Aさんは急性骨髄性白血病acute myeloid leukemiaと診断された。化学療法によって寛解し、造血幹細胞移植を行う方針となった。 Aさんの造血幹細胞移植で正しいのはどれか。
1: Aさんと骨髄提供者の性別が一致している必要がある。
2: 移植後2週間で退院できる。
3: 移植前処置が必要である。
4: 手術室で行う。
Aさん(28歳、女性、会社員)は、夫と1歳の娘との3人で暮らしている。25歳のときに潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)と診断され、内服治療を続けてきた。Aさんは27歳で出産後、職場に復帰していたが3か月前から排便回数が増え、便に血液が混入するようになった。1週前から下痢が1日8~10 回あり、腹痛や発熱もみられ、外来受診したところ、潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)の再燃のため入院することになった。身長158.2 cm、体重40.2 kg。体温38.3℃、脈拍92/分、血圧108/76 mmHgであった。血液検査データは、赤血球340万/μL、白血球9,800/μL、Hb 7.8 g/dL、アルブミン2.5 g/dL、CRP 5.5 mg/dL。
入院後、Aさんは点滴静脈内注射による持続輸液とプレドニゾロン40 mg/日の内服とが開始された。入院翌朝、Aさんが「たくさん汗をかいたのでさっぱりしたい」と話したため、看護師は清拭を行うと提案した。体温38.0℃、呼吸数18/分、脈拍82/分、血圧112/72 mmHgであった。下痢は0時から6時までで3回あり、倦怠感が強い。 看護師が入浴ではなく清拭を提案した理由で適切なのはどれか。
1: プレドニゾロンの内服
2: 点滴静脈内注射の実施
3: 急性増悪
4: 貧血
A さん(42 歳、男性、会社員)は、 1 人で暮らしている。毎日、たばこを 20 本吸い、缶ビールを 3 本飲んでいた。A さんは週末にラグビーをした後、帰りに焼肉を食べるのを楽しみにしている。高尿酸血症 (hyperuricemia) で治療を受けることになり、尿酸排泄促進薬が処方された。缶ビールを 1 本に減らしたが、尿酸値が高い状態が続いている。身長 172 cm、体重 67 kg。その他の血液検査データに異常はない。A さんへの生活指導で最も適切なのはどれか。
1: 禁煙
2: 体重の減量
3: 過度な運動の回避
4: 蛋白質摂取の禁止
Aさん(56歳、女性、主婦)は、胆石症 (cholelithiasis) と診断され、腹腔鏡下胆嚢摘出術予定で入院 した。 Aさんは身長 152 cm、体重 70 kgである。Aさんは、数年前に脂質異常症 (dyslipidemia) を指摘されたが、治療は受けていない。Aさんにその他の特記すべき既往歴はない
Aさんの術後の経過は良好で、退院の許可が出た。退院後の日常生活に関する説明で正しいのはどれか。
1: 「低蛋白食を摂取してください」
2: 「退院後 1週間、シャワー浴はできません」
3: 「脂肪分の多い食事で下痢をするかもしれません」
4: 「傷口が赤く腫れてきたら、消毒をしてください」
Aさん(43歳、女性)は夫と2人暮らし。身長150cm、体重98kg。既往歴はない。先日、庭で転倒し右腓骨を骨折し、膝関節から足関節までのギプス固定をしている。来週、プレート固定術を受けることになっており、本日は夫と一緒に術前オリエンテーションに来院した。来院時のAさんのバイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数16/分、脈拍80/分、血圧138/80mmHgであった。夫によると「妻は、寝ているときはいつも大きないびきと、時々無呼吸があるので、慌てて起こしている」と言う。
Aさんは入院し、手術を受けた。手術室から病室への帰室後1時間、Aさんのバイタルサインは、体温35.9℃、呼吸数16/分、いびき様呼吸、脈拍60/分、血圧145/87mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%(鼻腔カニューレ3L/分酸素投与下)。大きな声で呼ぶと開眼し、簡単な指示に従うことができる。尿量は70mL/時、血糖値128mg/dLであった。 看護師が優先して対処すべきAさんの症状・徴候はどれか。
1: 体温35.9℃
2: いびき様呼吸
3: 血圧145/87mmHg
4: 尿量70mL/時
5: 血糖値128mg/dL
Aさん(55歳、男性)、会社員。野球が趣味で、野球チームに所属し毎週日曜日に試合や練習を行っている。 7月のある日曜日、気温 32 ℃、湿度 86 %。Aさんは野球の試合で守備についていたとき、急激な下肢の痛みが出現し倒れこんだ。その試合を偶然観戦していた看護師がAさんの状態を観察した。ジャパン・コーマ・スケール (JCS)Ⅰ-1。呼吸数30 /分。脈拍 120/分、整。身体は熱く、多量の発汗がみられた。
Aさんは野球チームの監督の車で病院に搬送され、熱中症(heat illness)と診断された。Aさんの状態は、JCSⅡ-10。体温 38.2 ℃。呼吸数28 /分。脈拍 98/分、整。血圧 112/62mmHg。SpO2 98 %。嘔気・嘔吐を認める。 救急外来の看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 下肢を挙上させる。
2: ばち状指の有無を確認する。
3: 静脈路の確保の準備をする。
4: 頸部の両側を氷嚢で冷やす。
5: 回復傾向にあることをAさんに伝える。