第105回午後第91問の類似問題

Aさん(23歳、男性)は、マラソンの途中で嘔吐し、意識混濁状態となり救急車で搬送された。来院時、体温39.5℃で、熱中症(heatillness)と診断された。気管挿管と人工呼吸器管理が実施された。膀胱留置カテーテルを挿入後に輸液療法を開始して、ICUに入室した。表面冷却と血管内冷却によって体温は37℃台に下降した。 既往歴 : 特記すべきことはない。 身体所見 : ICU入室時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-20。体温37.8℃、呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧94/74mmHg。暗赤色尿を1時間で20mL認めた。 検査所見 : Hb16.8g/dL、Ht48.6%、Na130mEq/L、K6.5mEq/L、Cl100mEq/L、クレアチンキナーゼ〈CK〉48,000IU/L、尿素窒素60mg/dL、クレアチニン2.4mg/dL、AST〈GOT〉70IU/L、ALT〈GPT〉88IU/L。尿一般検査でミオグロビン陽性。胸部エックス線写真および頭部CTで異常所見なし。心電図でSTの変化はなく、洞性頻脈を認めた。

第106回午後:第115問

このときのAさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 貧血である。

2: 筋肉が傷害されている。

3: 致死性不整脈が出現しやすい。

4: 心原性ショックを起こしている。

5: 利尿薬の使用が必要な状態である。

A君(14歳、男子)は、夏休みのサッカー部の部活動で、朝10時から12時まで屋外で練習した。昼食時におにぎり2個とお茶を500mL摂取し、休憩後の13時から15時まで再び練習した。この日は晴天で、外気温は32℃であった。15分休憩し練習を再開したところ、A君は突然頭痛と悪心とを訴え、グラウンドの隅に座り込んだ。 サッカー部担当のB教諭が、A君を日陰で横にして休ませ様子をみていたが、症状が改善せず、顔面蒼白、冷汗が出現した。A君は「気持ち悪い」と言った後に嘔吐した。

第107回午後:第101問

B教諭に付き添われて、A君は病院に到着した。来院時、A君のバイタルサインは、体温38.5℃、呼吸数26/分、脈拍128/分、血圧90/48mmHg であった。口唇粘膜は乾燥し、皮膚をつまむとゆっくり戻る状態であった。血液検査データは、赤血球580万/μL、白血球12,500/μL、Hb16.8g/dL、Na152mEq/L、K4.0mEq/L、Cl109mEq/L、クレアチニン0.9mg/dLであった。尿比重1.035。受診時の身長165cm、体重57kg(発症前60kg)。 A君の状態に対するアセスメントとして適切なのはどれか。

1: 貧血である。

2: 低カリウム血症である。

3: 高ナトリウム血症である。

4: 循環血液量が増加している。

5: ツルゴール反応は正常である。

Aさん(55歳、男性)。胃癌(gastric cancer)のため胃全摘出術を受けた。術中の出血量は300mLで、輸血は行われなかった。既往歴に特記すべきことはない。入院時身長166cm、体重78kg。手術後1日、硬膜外持続鎮痛法が行われているが、Aさんは創部痛が強いため呼吸が浅く、離床はできていない。このときのバイタルサインは、体温37.1℃、呼吸数22/分、脈拍120/分、血圧162/90mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(鼻カニューラ2L/分 酸素投与下)。Hb13.8g/dL。尿量60mL/時。意識清明、心音および呼吸音に異常なし。頸静脈怒張なし。下肢に浮腫なし。創部に熱感や発赤を認めない。腹腔ドレーンからは少量の淡血性排液があるが膿性ではなく、異臭もない。

第107回午前:第94問

このときのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。

1: 貧血のため脈拍が速い。

2: 疼痛のため血圧が高い。

3: 創部感染のため体温が高い。

4: 心不全のため呼吸数が多い。

Aちゃん(生後3週)は、在胎40週、3,070gで出生した。生後5日で退院し、退院時の体重は3,080gであった。完全母乳栄養である。 現病歴:5日前から嘔吐があり、次第に哺乳のたびに噴水状に嘔吐するようになった。今朝も嘔吐があり、吐物は白色である。排尿もないため家族に連れられ来院した。Aちゃんは肥厚性幽門狭窄症hypertrophic pyloric stenosisが疑われ入院した。 身体所見:体重3,380g、体温36.7℃。脈拍120/分、整。血圧74/52mmHg。大泉門は陥凹、皮膚のツルゴールは低下、上腹部は軽度膨隆。 検査所見:白血球9,600/μL。Na131mEq/L、K3.4mEq/L、Cl86mEq/L、CRP0.1mg/dL。

第110回午後:第100問

Aちゃんの状態のアセスメントで正しいのはどれか。

1: 脱水症dehydrationは軽度である。

2: 非胆汁性嘔吐である。

3: 炎症反応の上昇がある。

4: 出生後の体重増加は良好である。

Aさん(34歳、初産婦)は、夫(37歳、会社員)と2人暮らし。事務の仕事をしている。身長157cm、非妊時体重54kg。妊娠24週4日の妊婦健康診査時の体重58kgで4週前から1.5kg増加している。血圧128/88mmHg。尿蛋白( ± )、尿糖(ー)。浮腫( ± )。Hb 10g/dL、Ht 30%。子宮底長22.5cm、腹囲84cm。胎児推定体重700g。非妊時より白色の腟分泌物は多いが、搔痒感はない。

第108回午前:第108問

Aさんは夫に付き添われ、妊娠35週4日に妊婦健康診査を受けた。体重62kg、血圧126/76mmHg。尿蛋白(ー)、尿糖(ー)。浮腫( ± )。子宮底長30cm、腹囲88cm。Aさんは看護師に「膝の裏の血管が膨らんで、青く浮き出てきました。夕方になると足がだるくなり、夕食の準備のため立っているとつらくなります」と言う。 Aさんへの指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 「水分を控えましょう」

2: 「体重を減らしましょう」

3: 「ガードルを着用しましょう」

4: 「弾性ストッキングを着用しましょう」

5: 「寝るときは足を高くして横になりましょう」

Aさん(53歳、男性、会社員)は、1週前から倦怠感が強く、尿が濃くなり、眼の黄染もみられたため、近くの医療機関を受診し黄疸と診断された。総合病院の消化器内科を紹介され受診した。時々、便が黒いことはあったが、腹痛はなかった。既往歴に特記すべきことはない。来院時のバイタルサインは、体温36.8℃、脈拍68/分、血圧134/82mmHgであった。血液検査データは、アルブミン4.2g/dL、AST〈GOT〉69IU/L、ALT〈GPT〉72IU/L、総ビリルビン14.6 mg/dL、直接ビリルビン12.5mg/dL、アミラーゼ45IU/L、Fe27μg/dL、尿素窒素16.5mg/dL、クレアチニン0.78mg/dL、白血球9,200/μL、Hb11.2g/dL、血小板23万/μL、CRP2.8mg/dLであった。

第106回午前:第91問

Aさんのアセスメントで正しいのはどれか。2つ選べ。

1: 脱水がある。

2: 閉塞性黄疸(obstructive jaundice)である。

3: 膵炎(pancreatitis)を発症している。

4: 急性腎不全(acute renal failure)を発症している。

5: 鉄欠乏性貧血(iron-deficiency anemia)の可能性がある。

A さん(54 歳、男性)は、10 年前に心筋梗塞 (myocardial infarction) を発症し、 2 年前に慢性心不全 (chronic heart failure) と診断され外来受診を続けてきた。 1 週前からトイレ歩行時に息苦しさがあり、 4 日前から夜に咳と痰とがみられ眠れなくなっていた。本日、A さんは定期受診のため来院し、心不全 (heart failure) の増悪と診断され入院した。入院時、体温 36.3 ℃、呼吸数 24/分、脈拍 96/分、整で、血圧 124/72 mmHg であった。心エコー検査で左室の駆出率 28 %であった。体重は 1 週間で 4 kg 増加し下肢の浮腫がみられる。

第104回午前:第91問

このときの A さんのアセスメントで適切なのはどれか。

1: ショック状態の可能性が高い。

2: 左心不全 (left heart failure) の症状はみられない。

3: NYHA 心機能分類のⅠ度に該当する。

4: 浮腫は右心不全 (right heart failure) の症状によると考えられる。

Aさん(94 歳、男性)は、要介護1で、妻(84歳)と2人暮らしであった。肺炎(pneumonia)で入院治療していたが本日退院し、介護老人保健施設に初めて入所した。現在の障害高齢者の日常生活自立度判定基準はランクB-2、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡaである。食欲は良好で、食事の姿勢や動作は自立している。部分義歯で不具合はなく、口腔内の異常はない。

第105回午前:第97問

入所時の身長170 cm、体重50 kg。1か月間で体重が3kg減少した。血液検査データは、血清アルブミン3.2 g/dL、CRP 0.1 mg/dL。反復唾液嚥下テストは30秒間で4回である。 Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。

1: 流動食が必要である。

2: 炎症反応が続いている。

3: 認知症(dementia)による摂食行動の問題がある。

4: タンパク質・エネルギー低栄養状態<PEM>である。

Aさん(19歳、男性、専門学校生)は、1人暮らし。「皆が自分を嫌っている」と言い、昨年から学校を休学し、アパートに引きこもるようになった。先週、夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人が両親へ連絡をした。連絡の翌日、Aさんの両親が訪ねてみると、Aさんは「隣の人に嫌がらせを受けている。助けてくれ」と叫び続けたため、両親とともに精神科病院へ行き、その日のうちに任意入院となった。Aさんは統合失調症(schizophrenia)と診断され、抗精神病薬による治療が開始された。

第108回午後:第110問

入院後1か月。Aさんは洗面所でボーッとしていることが多くなり、頭痛や倦怠感を訴えることが多くなった。 身体所見:身長170cm、6時の体重60kg、17時の体重63kg、体温36.4℃、呼吸数18/分、脈拍76/分、血圧124/70mmHg。 検査所見:クレアチンキナーゼ(CK)190IU/L(U/L)、空腹時血糖102mg/dL、HbA1c 5.0%、Na 128mEq/L、K 3.5mEq/L、総コレステロール180mg/dL、HDLコレステロール45mg/dL。 Aさんの状況で最も考えられるのはどれか。

1: 水中毒(water intoxication )

2: 悪性症候群(malignant syndrome)

3: セロトニン症候群(serotonin syndrome)

4: メタボリック症候群( metabolic syndrome)

Aさん(32歳、女性)は、営業で外出の多い業務を担当している。1か月前から発熱、倦怠感、関節痛および顔面の紅斑が出現し、近くの医療機関を受診したところ全身性エリテマトーデス〈SLE〉(systemic lupus erythematosus)と診断され治療目的で入院した。入院時所見は身長160cm、体重55kg。血圧142/80mmHg。血液検査データは、白血球4,400/μL、血小板17.5万/μL、Hb12.5g/dL、クレアチニン2.5mg/dL、抗核抗体は陽性であった。

第106回午後:第119問

入院時のアセスメントで正しいのはどれか。

1: 貧血

2: 出血傾向

3: 易感染状態

4: 腎機能低下

Aさん(82歳、男性)は、4年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症(dementia of Alzheimer type)の診断を受けた。要介護4で、1年前からグループホームで生活している。高血圧症(hypertension)に対して持続性カルシウム拮抗薬を内服している。他に治療を必要とする疾患は認められない。 1週前から夜はほとんど眠らず、居間のソファに腰かけたり、歩き回ったりする状態が続いている。昼間もベッドに横になることはない。食欲が低下してきたが、先月よりも体重は2kg増加している。

第101回午後:第100問

Aさんは廊下でうずくまっているところを発見された。肩呼吸をしており、四肢に冷感があり下肢の浮腫が強い。体温 36.1 ℃、脈拍 120/分、血圧86/50 mmHg、呼吸数40 /分であった。Aさんの状態で最も考えられるのはどれか。

1: 心不全(heart failure)

2: 上気道感染(upper respiratory infection)

3: 狭心症発作(angina pectoris)

4: 閉塞性呼吸障害(obstructive respiratory disorder)

Aさん(82歳、男性)。妻との2人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準はランクJ。Aさんは搔痒感のために皮膚科を受診し、老人性皮膚搔痒症(pruritus senilis)と診断され、抗ヒスタミン内服薬が処方された。身長165cm、体重55kg。Aさんの趣味は散歩で、毎日1km程度を歩いている。

第107回午前:第116問

Aさんは「食べにくくてあまり食事が摂れていない。階段の昇り降りをしたり、10分以上歩いたりすると疲れてしまい、あまり外に出なくなった」と言う。体重は1か月間で2kg減少していた。他に自覚症状はなく、血液検査の結果は、血清蛋白の低下の他に異常はなかった。 このときのAさんに出現している現象として最も考えられるのはどれか。

1: 脱水

2: 筋肉量の減少

3: 胃酸の分泌増加

4: 関節可動域〈ROM〉の制限

Aさん(88歳、男性)は、10年前に脳梗塞cerebral infarctionを発症し左半身麻痺の後遺症がある。杖歩行はでき、要介護2で介護保険サービスを利用中である。Aさんが最近食欲がなく、水分もあまり摂らず、いつもと様子が違うことを心配した妻がAさんに付き添って受診した。 身体所見:呼びかけに対して返答はあるが反応はやや遅い。麻痺の症状に変化はない。  バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数20/分、脈拍100/分、血圧140/60mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。 検査所見:赤血球410万/μL、白血球6,800/μL、Ht50%、総蛋白6.5g/dL、尿素窒素25mg/dL、Na150mEq/L、K3.8mEq/L、血糖値110mg/dL、CRP0.01mg/dL。胸部エックス線写真に異常なし。

第110回午後:第118問

Aさんの状態をアセスメントするために、外来看護師が収集すべき情報で優先度が高いのはどれか。

1: 口渇感

2: 呼吸音

3: 尿比重

4: 腹部膨満感

Aさん(16歳、女子)は、両親と弟と4人で暮らしている。中学生の頃からモデルにあこがれてダイエットを始めた。高校に入ってからは、太ることへの恐怖から食べた後に吐いたり、緩下薬を服用することも多くなった。次第にやせが顕著になり、無月経となった。Aさんの状態を心配した母親に伴われ、心療内科を受診し、医師から入院治療を勧められ、Aさんは入院した。

第101回午前:第118問

入院時、Aさんの身長は 162 cm、体重は36 kg。体温 35.0 ℃。血圧 90/60mmHg。脈拍 56/分、不整。血液検査で最も注意すべきデータはどれか。

1: 尿酸

2: 血清カリウム

3: 中性脂肪

4: HbA1c

A さん(20 歳、男性、大学生)は、皆が自分を嫌っていると言い、昨年から大学を休学し、 1 人暮らしのアパートで引きこもるようになった。先週、アパートで夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人から両親へ連絡があった。A さんの両親が A さんの部屋に入ってみると、窓は新聞紙で覆われていた。A さんは「 1 日中誰かに見張られている。あなたは親じゃない」と叫び続けるため、精神科病院に入院した。A さんは、統合失調症 (schizophrenia) と診断され非定型抗精神病薬による治療が開始された。

第104回午前:第113問

入院後 1 か月。A さんは体重が 3 kg 増加した。バイタルサインに異常はない。血液検査データは空腹時血糖 200 mg/dL、HbA1c 5.2 %である。入院時の空腹時血糖は 80 mg/dL であった。A さんと両親に特記すべき既往歴はない。A さんにみられる非定型抗精神病薬の副作用(有害事象)で最も考えられるのはどれか。

1: 水中毒 (water intoxication)

2: 拘禁反応

3: 悪性症候群 (malignant syndrome)

4: 耐糖能の異常

9歳のAちゃんは、2か月前から口渇、多飲および多尿があった。学校の健康診断で尿糖が陽性であったため、受診した。受診時の検査で、Aちゃんは血糖398mg/dl(食後3時間経過)、HbA1C9.3%、動脈血pH7.40、尿糖4+、尿ケトン体+で、1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)の疑いで入院した。

第100回午前:第112問

Aちゃんのアセスメントで正しいのはどれか。2つ選べ。

1: 高血糖

2: 浸透圧利尿

3: 腎機能の低下

4: ケトアシドーシス

5: グルカゴンの分泌低下

Aさん(34歳、初産婦)は、夫(37歳、会社員)と2人暮らし。事務の仕事をしている。身長157cm、非妊時体重54kg。妊娠24週4日の妊婦健康診査時の体重58kgで4週前から1.5kg増加している。血圧128/88mmHg。尿蛋白( ± )、尿糖(ー)。浮腫( ± )。Hb 10g/dL、Ht 30%。子宮底長22.5cm、腹囲84cm。胎児推定体重700g。非妊時より白色の腟分泌物は多いが、搔痒感はない。

第108回午前:第106問

Aさんの妊婦健康診査時のアセスメントで適切なのはどれか。

1: 妊娠性貧血(anemia of pregnancy)

2: 腟カンジダ症(vaginal candidiasis)

3: 胎児発育不全(FGR)(fetal growth restriction)

4: 妊娠高血圧症候群(HDP)(hypertensive disorders of pregnancy)

Aさん(55歳、男性、自営業)は、父親(78歳)と2人暮らし。Aさんは、2年前から食後に心窩部痛を感じていたが、医療機関を受診していなかった。午後3時、Aさんは胃部不快感を訴えた直後、突然コップ1杯程度の吐血があり倒れた。父親が救急車を呼び、救急病院に搬送された。到着時、意識はジャパン・コーマ・スケール(JCS)Ⅰ- 3。バイタルサインは、体温36.4℃、呼吸数20/分、脈拍124/分、整、血圧86/50mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)95%。顔面は蒼白で、皮膚は湿潤している。四肢冷感を認める。眼瞼結膜は軽度貧血様であるが、黄染を認めない。腹部は平坦で腸蠕動音は微弱、心窩部に圧痛を認めるが、筋性防御はない。胃部不快感は受診前よりも改善している。担当した医師に父親が「息子は黒い便が出ると言っていた」と伝えた。

第108回午後:第118問

Aさんの状態で考えられるのはどれか。

1: 出血性ショック

2: イレウス

3: 低血糖

4: 脱水

Aさん(81歳、女性)は、1人暮らし。7年前から糖尿病(diabetes mellitus)、高血圧症(hypertension)、便秘症(constipation)で病院の内科に定期的に通院しており、近所に住む長女が時々様子を見に来ていた。本日、長女がAさん宅を訪ねたところ、Aさんは床に倒れて起き上がれなくなっていた。受診の結果、胸椎と腰椎の圧迫骨折(compression fracture)で病院に入院した。入院時、Aさんは病棟看護師に「朝食は食べていません。朝の薬を飲んだと思うが、はっきり覚えてません。家に帰ればわかります」と話した。病棟看護師が体のことで心配なことはあるかを問うと「この半年で体重が2kg減りました。最近は疲れやすく歩くのもゆっくりで、握力も弱くなり荷物を持つのがつらいです。このまま寝たきりになるのではないかと不安です」と話した。内科のカルテには1か月前の計測で身長150cm、体重41kgと記載されていた。入院時のバイタルサインは、体温36.6℃、呼吸数16/分、脈拍80/分、血圧144/88mmHg。血糖値114mg/dLで、軽度の皮膚湿潤があった。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは29点であった。

第108回午前:第118問

入院時のアセスメントで適切なのはどれか。

1: 頻脈がある。

2: 低血糖である。

3: フレイルである。

4: 高度な認知機能の低下がある。

A さん(52 歳、男性)は、 5 年前に健康診断で高血圧を指摘されていたが、そのままにしていた。 5 年ぶりに健康診断を受けたところ尿蛋白+で、内科を受診し腎機能障害を指摘された。A さんは、身長 160 cm、体重 56 kg であり、体温 36.1 ℃、呼吸数18/分、脈拍 64/分、整で、血圧 166/96 mmHg であった。血液検査データは、Hb9.3 g/dL、アルブミン 3.6 g/dL、クレアチニン 2.3 mg/dL、HbA1c 5.6 %、K 3.9mEq/L、推算糸球体濾過量〈eGFR〉25 mL/分/1.73 m2 であり、特に自覚症状はなく、浮腫はみられない。

第104回午前:第96問

現時点で A さんに起こる危険性が高いのはどれか。

1: 低リン血症

2: 血糖値の上昇

3: 虚血性心疾患 (ischemic heart disease)

4: 甲状腺機能亢進症 (hyperthyroidism)