Aさん(28歳、初産婦)は、妊娠 30週である。今朝から性器出血が少量認められたため外来を受診した。受診時、子宮収縮は1時間に4、5回認められ、Aさんは時々、軽い痛みを訴えた。今までの妊娠経過では、異常は認められていない。身長 160 cm、体重 60 kg(非妊時54 kg)である。
Aさんは入院し、子宮収縮抑制薬の点滴静脈内注射が開始された。入院翌日の朝、1時間に2、3回の不規則な子宮収縮はあるが痛みはない。性器出血はない。子宮口は閉鎖している。体温 37.1 ℃。脈拍 88/分、整。血圧 130/76mmHg。この時点の看護計画として最も適切なのはどれか。
1: 食事は流動食とする。
2: 清潔ケアは清拭とする。
3: 排尿は毎回導尿とする。
4: 血圧を継続モニタリングする。
Aさん(72歳、男性)。妻と2人暮らし。朝6時に、妻が一緒に寝ていたAさんの様子がおかしいことに気付き、救急車を呼んだ。Aさんは病院に搬送された。病院到着時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉 II-10。右片麻痺および失語がみられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数20/分、心拍数110/分、血圧150/90mmHg。身長160cm、体重60kg。頭部CTで明らかな異常所見はなく、頭部MRIを行う予定である。
Aさんは翌日の2時に尿意があり、自然排尿があった。8時に「昨夜は後陣痛の痛みが強くて眠れませんでした。おっぱいを飲ませたら、後陣痛がさらに強くなって、汗が出てきました」と言う。子宮底の高さは臍高、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、脈拍68/分、血圧125/70mmHgであった。 このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 授乳を促す。
2: 入浴を勧める。
3: 骨盤底筋体操を指導する。
4: 鎮痛薬の使用を医師に相談することを伝える。
Aさん(29歳、初産婦)は、妊娠37週0日で2,780gの男児を正常分娩で出産した。出生後5分の児の状態は、心拍数150/分、四肢を屈曲させて啼泣している。顔面を清拭されると激しく啼泣し、全身はピンク色である。
産褥4日。Aさんは、血圧112/80mmHg、脈拍76/分、Hb11.2g/dL、Ht37.0%。子宮底を臍下4横指に硬く触れる。悪露は赤褐色で少量。凝血の混入や悪臭はない。乳房は緊満しており移行乳が分泌している。Aさんは「夜中も3 時間ごとくらいに授乳をするためほとんど眠れていません」と話している。表情は穏やかである。 Aさんのアセスメントとして適切なのはどれか。
1: 貧血である。
2: 産後うつ病postpartum depressionである。
3: 子宮復古は順調である。
4: 乳汁分泌が遅れている。
A さん(52 歳、女性)は、子宮頸癌 (cancer of the uterine cervix) で広汎子宮全摘術後に排尿障害を発症した。退院に向けて自己導尿の練習を開始したが、39.0 ℃の発熱と右背部の叩打痛が出現した。A さんの症状の原因として考えられるのはどれか。
1: 膀胱炎 (cystitis)
2: 虫垂炎 (appendicitis)
3: 腎盂腎炎 (pyelonephritis)
4: 骨盤内膿瘍
Aさん(55歳、男性、会社員)は胃癌gastric cancerの終末期である。 Aさんの訴えのうちスピリチュアルペインの表出はどれか。
1: 「腹痛がずっと続いています」
2: 「吐き気が続くと思うと不安です」
3: 「今後の生活にかかるお金が心配です」
4: 「これまでの自分の人生が意味のないものに思えます」
Aさんは妊娠37週0日に骨盤位のため予定帝王切開術となった。術後の経過は母児ともに順調である。Aさんへの看護として適切なのはどれか。
1: 手術室で出生児と対面する。
2: 2日に初回歩行をする。
3: 3日に初回授乳をする。
4: 4日以降に弾性ストッキングを履く。
Aさん(63歳、男性)。BMI24。前立腺肥大症(prostatic hyperplasia)のため経尿道的前立腺切除術を受け、手術後3日で膀胱留置カテーテルが抜去された。数日後に退院する予定である。 Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 散歩を控える。
2: 水分摂取を促す。
3: 長時間の座位を控える。
4: 時間をかけて入浴する。
5: 排便時に強くいきまないようにする。
Aさん(32歳、初産婦)は前置胎盤placenta previaのため妊娠37週0日の午前10時から帝王切開術を受ける予定である。 手術前日の看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 浣腸を行う。
2: 夕食が禁食となっているか確認する。
3: 輸血の準備ができているか確認する。
4: 下肢に間欠的空気圧迫装置を装着する。
A さん(35 歳、初産婦)は、夫と 2 人で暮らしている。妊娠 28 週 2 日、妊婦健康診査で胎盤が内子宮口を全部覆っていると指摘された。自覚症状はない。その他の妊娠経過に異常は認められていない。A さんは、身長 155 cm、体重 56 kg(非妊時体重50 kg)である。
その後、A さんの妊娠経過は順調で、妊娠 37 週 0 日の午後 1 時から帝王切開術が予定された。手術前日の対応で最も適切なのはどれか。
1: 浣腸を実施する。
2: 夕食を禁食とする。
3: 輸血の準備を確認する。
4: 下肢に間欠的空気圧迫装置を使用する。
Aさん(36歳、経産婦)は、夫と長男(3歳)との3人で暮らしている。妊娠40週0日、午前9時にAさんは陣痛開始のため入院した。このときは未破水であった。午後1時、体温36.8 ℃、脈拍64/分、血圧126/70 mmHg であった。Aさんに分娩監視装置を装着したところ、陣痛間欠4分、胎児心拍数基線は140 bpmで、一過性徐脈はみられなかった。午後2時、破水感があり医師が診察したところ、子宮口は7cm開大であり、羊水の流出がみられた。
午後2時30 分、Aさんは3,300 g の女児を正常分娩した。分娩時の出血量は200 mLであった。産褥3日、体温37.0 ℃、脈拍76/分、血圧118/60 mmHgであった。血液データは、Hb 11 g/dL、Ht 35 % であった。子宮底の位置は臍下2横指で硬く、赤色の悪露がみられた。乳房は左右とも張り、乳管の開口数は3本ずつで黄色の乳汁が分泌している。乳頭の伸びは少なく児が吸啜するまでに時間がかかっている。 看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 鉄分の多い食事を勧める。
2: 子宮底に冷罨法を行う。
3: 乳頭のケアを行う。
4: 授乳を中止する。
Aさん(28歳、初産婦) は、夫(30歳) と2 人暮らし。妊娠25週4日に妊娠糖尿病(GDM)(gestational diabetes mellitus)と診断され、インスリンの自己注射を行っている。胎位が骨盤位であったため妊娠38週2日に予定帝王切開術を受け、3,050g の男児を出産した。麻酔は脊髄くも膜下麻酔で、術中の経過に異常はなく、出血量は480mLであった。弾性ストッキングを着用している。児Apgarr(アプガー)スコアは1分後8点、5分後10点。児のバイタルサインは直腸温37.3℃、呼吸数45/分、心拍数154/分、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)99%であった。
手術後1日。Aさんのバイタルサインは、体温37.3℃、脈拍68/分、血圧124/66mmHg であった。排ガスはあるが、排便はない。Aさんは膀胱留置カテーテルの抜去後、看護師に付き添われ歩いて室内のトイレに行った。排尿後、すぐにベッドに横になった。Aさんは「起き上がってから頭が痛くなりました。めまいやふらつきはありませんでした」と看護師に話す。子宮底の高さは臍高、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられた。後陣痛はない。 Aさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 手術前から着用している弾性ストッキングを脱がせる。
2: 腹部の冷罨法を行う。
3: 床上排泄を促す。
4: 水分摂取を促す。
Aさん ( 17歳、女子、高校生 )は、 3か月前から月経初日に腹痛や腰痛が生じて、学校を休むようになったため婦人科を受診した。 Aさんの月経周期は 26〜34日、持続日数は 4〜 6日である。 Aさんはコーヒーを毎朝 1杯飲んでおり、運動習慣はない。 Aさんは身長 162 cm、体重 55 kgであり、既往歴に特記すべきことはない。
Aさんの月経のアセスメントで適切なのはどれか。
1: 月経前症候群 (premenstrual syndrome)
2: 月経困難症 (dysmenorrhea)
3: 希発月経
4: 過多月経
A さん(48 歳、女性)は、卵巣癌 (ovarian cancer) の腹膜播種性転移で亜イレウス状態になった。栄養療法のために、右鎖骨下静脈から中心静脈カテーテルの挿入が行われたが、鎖骨下動脈を穿刺したため中止された。処置直後の胸部エックス線撮影で異常はなかったが、 4 時間後、A さんは胸痛と軽い呼吸困難を訴えた。最も考えられるのはどれか。
1: 血胸 (hemothorax)
2: 肺炎 (pneumonia)
3: 肺転移
4: 胸膜炎 (pleuritis)
Aさん(23歳、女性)は、大学を卒業後、インテリア会社に事務職として就職した。入社後に「ユニフォームが似合うようになりたい」とダイエットを始め、次第にやせが目立つようになった。母親がAさんに食事を作っても「太るのが怖い」と言って食べず、体重は2週間で5kg減少した。心配した母親とともに精神科外来を受診し、摂食障害(eating disorder)と診断され、開放病棟へ入院した。入院時、身長160cm、体重37kgであった。
入院後3か月が経過した。Aさんは体重が43kgまで増加し、主治医と相談して、退院の準備をすることになった。退院の話題が出ると、Aさんと母親は口論することが多くなった。父親は出張が多く、面会に来たのは一度のみであった。 退院に向けてAさんと家族に勧めることとして最も適切なのはどれか。
1: 栄養指導
2: 作業療法
3: 家族療法
4: 単身生活の開始
Aさん(78歳、男性)は、76歳の妻と娘の3人で暮らしている。Aさんは、大腸癌(colon cancer)と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後、再発し、治療を行ったが効果がなく、在宅で緩和ケアを行うことになった。Aさんは腹部の癌性疼痛を訴え、オキシコドン塩酸塩徐放錠を1日2回内服している。Aさんは食べたいときに食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少してきている。妻は腰痛があり、娘は日中、仕事に出ている。
Aさんは退院後、訪問看護を利用することになった。 病棟看護師による家族への退院指導の内容で最も適切なのはどれか。
1: 食事摂取量を継続的に観察する。
2: ストーマを造ったので便秘の心配はない。
3: ストーマ用品は訪問看護ステーションから買う。
4: 痛みが増強したときは次回の外来受診時に伝える。
Aさん(24歳、初産婦、会社員)は、現在、両親と妹の4人で暮らしている。パートナー(24歳、会社員)と結婚する予定である。Aさんは、妊娠8週の妊婦健康診査で「朝起きると気持ちが悪くあまり食べられません。台所から食べ物の匂いがするだけで吐き気がします」と話している。
このときの妊婦健康診査で「妊娠することは考えていなかったので、これから自分の体にどういうことが起こるのか分かりません」とAさんから相談があった。看護師は、次の妊婦健康診査までに生じやすい変化について説明することにした。 Aさんに生じやすいのはどれか。
1: 痔
2: 便秘
3: 腰痛
4: 静脈瘤
Aさん(56歳、女性、主婦)は、胆石症 (cholelithiasis) と診断され、腹腔鏡下胆嚢摘出術予定で入院 した。 Aさんは身長 152 cm、体重 70 kgである。Aさんは、数年前に脂質異常症 (dyslipidemia) を指摘されたが、治療は受けていない。Aさんにその他の特記すべき既往歴はない
Aさんの術後の経過は良好で、退院の許可が出た。退院後の日常生活に関する説明で正しいのはどれか。
1: 「低蛋白食を摂取してください」
2: 「退院後 1週間、シャワー浴はできません」
3: 「脂肪分の多い食事で下痢をするかもしれません」
4: 「傷口が赤く腫れてきたら、消毒をしてください」
Aさん(28歳、女性、会社員)は、結婚後1年で夫と2人で暮らしている。仕事上の役割も増えている。次回月経予定日を2週過ぎても月経がみられないため、勤務先近くの産婦人科クリニックを受診した。月経周期は28日型で、最終月経は3月2日から4日間であった。診察の結果、妊娠と診断された。
Aさんは医師から妊娠していると説明を受けた。Aさんは看護師に「初めての妊娠でうれしい。でも、任されている大きなプロジェクトが続けられなくなるため悲しくて、妊娠しなければよかったと思います」と話す。 この時期のAさんの心理状態で最も適切なのはどれか。
1: 錯乱状態である。
2: 他罰的な感情がある。
3: マタニティブルーズである。
4: アンビバレント<両価的>な感情がある。
Aさん(38歳、女性)は、大腸癌colon cancerの終末期である。癌性腹膜炎cancerous peritonitisによる症状緩和の目的で入院し、鎮痛薬の静脈内注射と高カロリー輸液が開始された。Aさんは自宅で過ごしたいと希望したため、医師と看護師で検討し、症状緩和をしながら自宅退院の方向で退院支援カンファレンスを開催することになった。 退院支援カンファレンスの参加者で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 薬剤師
2: 言語聴覚士
3: 臨床検査技師
4: 介護支援専門員
5: ソーシャルワーカー
Aさん(80歳、男性)は、空腹時の胃の痛みが2週間続くため受診し、1週後に胃内視鏡検査を受けることになった。 検査を受けるAさんへの看護で適切なのはどれか。
1: 検査前日の夜に下剤を服用することを伝える。
2: 検査前に 前立腺肥大症( prostatic hyperplasia)の既往の有無を確認する。
3: 検査中は仰臥位の姿勢を保持する。
4: 検査後はすぐに食事ができることを説明する。