第101回午後第117問の類似問題

Aちゃん(6か月、女児)は両親と3人暮らし。母親と小児科外来に来院した。母親は「Aは昨日高さ30cmのソファから転落して泣いていました。今朝になっても痛いのか右手を動かさないので受診しました」と看護師に話した。看護師が身体計測のためAちゃんの服を脱がせると、顔面、頭部と体幹に最近できた紫斑と、生じてから時間が経った紫斑が複数あった。さらに、両足に多数の円形の熱傷痕があった。Aちゃんは身長66.5cm(50パーセンタイル)、体重6.0kg(3パーセンタイル未満)であった。母親は看護師に「Aは毎晩夜泣きをするし、夫もAにはイライラさせられています」と話した。看護師は虐待の可能性があると考えて対応することとし、母子分離を図ることとなった。

第111回午後:第120問

このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 虐待にあたることを伝える。

2: 乳児期に起こりやすい事故について説明する。

3: 児童相談所に通告することへの母親の同意を得る。

4: プライバシーを保護できる個室で話を聞くと伝える。

5: 母親の代わりに父親がA ちゃんに面会できると伝える。

Aさん(20歳、女性、外国籍)は、6月に来日し、9月に大学に入学した。入学して1週後、Aさんは大学でめまいを起こして座り込み、同じ国から昨年留学生として来日した友人に付き添われ病院の内科外来を受診した。外来では多くの患者が受診を待っており、診察までに時間がかかっていた。Aさんは、日常会話程度の日本語が話せ「身体がだるくて立っていられません」と看護師に伝えた。

第109回午後:第120問

Aさんが入院したという知らせを受けて、Aさんの家族が来日し、病棟に見舞いに来た。Aさんの家族は、Aさんの身の回りの世話を泊まり込みで行うために、大量の私物を持ち込んでいる。看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: Aさんと家族が納得できる解決策を話し合う。

2: 希望通りAさんの病室に泊まることを許可する。

3: 日本では家族の泊まり込みはできないと説明する。

4: 近隣のホテルに泊まって、日中のみ通うよう勧める。

Aさん(94 歳、男性)は、要介護1で、妻(84歳)と2人暮らしであった。肺炎(pneumonia)で入院治療していたが本日退院し、介護老人保健施設に初めて入所した。現在の障害高齢者の日常生活自立度判定基準はランクB-2、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡaである。食欲は良好で、食事の姿勢や動作は自立している。部分義歯で不具合はなく、口腔内の異常はない。

第105回午前:第98問

介護老人保健施設の看護師は、入所時にAさんと妻と面談をした。 このときの面談内容で適切なのはどれか。

1: 自宅の改修を提案する。

2: ベッド上安静の必要性を説明する。

3: 急変時の救急搬送の希望を確認する。

4: 通所リハビリテーションの利用を提案する。

第106回午前:第88問

入院集団精神療法において、看護師が担うリーダーの役割で正しいのはどれか。2つ選べ。

1: 患者間の発言量を均等にする。

2: 沈黙も意味があると受け止める。

3: メンバーの座る位置を固定する。

4: 患者の非言語的サインに注目する。

5: 話題が変わった場合はすぐに戻す。

Aさん(37歳、男性)は妻(40歳、会社員)と2人暮らし。筋強直性ジストロフィーmyotonic dystrophyで週5回の訪問介護を利用していた。1か月前に傾眠傾向が著明となり入院して精査した結果、睡眠時無呼吸に対して夜間のみフェイスマスクを用いた非侵襲的陽圧換気療法が導入された。Aさんは四肢遠位筋に筋萎縮と筋力低下があるが、室内の移動は電動車椅子を操作して自力で行え、食事も準備すれば妻と同じものを摂取できる。退院後、週1回午後に訪問看護が導入されることになった。

第110回午後:第116問

退院前カンファレンスで、訪問介護の担当者から、これまでと同様に退院後も昼食の準備と後始末、口腔ケア、入浴介助を行う予定と発言があった。訪問看護師は訪問介護の担当者に、Aさんの状態の変化に気付いたら連絡がほしいと協力を求めた。  訪問介護の担当者に説明するAさんの状態の変化で、特に注意が必要なのはどれか。

1: 傾眠傾向

2: 眼の充血

3: 口腔内の乾燥

4: 食事摂取量の低下

Aさん(19歳、男性、専門学校生)は、1人暮らし。「皆が自分を嫌っている」と言い、昨年から学校を休学し、アパートに引きこもるようになった。先週、夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人が両親へ連絡をした。連絡の翌日、Aさんの両親が訪ねてみると、Aさんは「隣の人に嫌がらせを受けている。助けてくれ」と叫び続けたため、両親とともに精神科病院へ行き、その日のうちに任意入院となった。Aさんは統合失調症(schizophrenia)と診断され、抗精神病薬による治療が開始された。

第108回午後:第109問

Aさんは、入院後10日から日中に臥床するようになった。夜間は熟睡している。食事の時間に食堂に遅れてくることが多い。看護師と会話をするようになったが、他の入院患者への被害妄想がある。 この時期の看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 食事介助をする。

2: 一緒に院内を散歩する。

3: 他の入院患者との交流を促す。

4: 日中に臥床しているときは声かけを控える。

第106回午後:第45問

Aさん(80歳、女性)は、要介護2となったため長男家族(長男50歳、長男の妻45歳、18歳と16歳の孫)と同居することとなった。在宅介護はこの家族にとって初めての経験である。 Aさんの家族が新たな生活に適応していくための対処方法で最も適切なのはどれか。

1: 活用できる在宅サービスをできる限り多く利用する。

2: 家族が持つニーズよりもAさんのニーズを優先する。

3: 介護の負担が特定の家族に集中しないように家族で話し合う。

4: 10代の子どもを持つ家族の発達課題への取り組みを一時保留にする。

第100回午後:第62問

Aさん(66歳、男性)は妻と2人で暮らしている。Aさんは、会社を1年前に定年退職した後、ほどんど外出せず、生活が不規則になり不眠傾向になった。特定健康診査の際、Aさんは「これまで、仕事だけを一生懸命やってきた。家事はやる気にならない」と言い、一緒に来た妻は「このまま体が弱ってしまうのではないか」と言っている。 Aさんへの看護師の助言で最も適切なのはどれか。

1: 「家事を分担してはいかがですか」

2: 「疲れるまで運動していかがですか」

3: 「睡眠導入薬について医師を相談してはいかがですか」

4: 「参加できそうな趣味のグループを探していはいかがですか」

Aちゃん ( 2歳 4か月、女児 )は、母と会社員の父と 3人で暮らしている。 Aちゃんは、脳性麻痺で寝たきりのため全介助で在宅療養をしていた。 3か月前に、誤嚥性肺炎 (aspiration pneumonia)を発症して緊急入院し、気管切開をして人工呼吸器を装着した。現在、呼吸状態は安定しているが、啼泣時に気道閉塞があるため、夜間のみ人工呼吸器で呼吸管理を継続することになった。 Aちゃんは自宅に戻って訪問看護を利用する予定である。身体障害者手帳 (肢体不自由 1級 )を所持している。

第103回午後:第116問

Aちゃんの家族への指導は順調に行われ退院することになった。 Aちゃんの退院に向けて訪問看護師が連携をとる職種はどれか。

1: 保健師

2: 保育士

3: 社会教育主事

4: 介護支援専門員

Aちゃん(4歳、男児)は、昨夜の土砂災害によって両親とともに小学校の体育館に避難している。母親は自分の両親の安否が不明なため眠ることができなかった。また、落ち着きがなく感情的になっている。父親はずっと毛布をかぶって横になっている。

第105回午後:第120問

避難から3週後、Aちゃん家族は仮設住宅に移動が決定し、両親は忙しくしている。Aちゃんは1人で過ごすことが多く、絵本を持ってぼんやりとしていることが多い。母親からAちゃんの様子がいつもと違うと看護師に相談があった。 母親への対応で最も適切なのはどれか。

1: 引っ越しすることを説明するよう促す。

2: スキンシップの時間を増やすように促す。

3: すぐに専門医の外来を受診するよう促す。

4: 子どもの反応は母親の関わりが原因だと話す。

Aさん(52歳、女性)は、未婚で1人暮らしである。近くに親戚はいない。物が握りにくい、細かい作業ができないという症状があり、精密検査のため入院したところ、筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉(amyotrophic lateral sclerosis )と診断された。

第101回午後:第91問

Aさんは、球麻痺症状はなく、上肢の運動障害があるが、歩行は自立している。退院調整看護師が病室で面談したところ「これからどのようになっていくのか分からない」と不安そうに訴えた。Aさんは在宅サービスの必要性を感じていなかったが、退院調整看護師は訪問看護の利用を勧め、Aさんは同意した。訪問看護に依頼する内容で、優先度が高いのはどれか。

1: 入浴の介助

2: 疾病受容の支援

3: 呼吸機能の評価

4: 上肢のリハビリテーション

Aさん(32歳、男性)。自宅の部屋で多量の鎮咳薬を見つけた母親に心配され、自宅近くの病院を受診した。「5年前、仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らないことがあった。そのときに処方された咳止めの薬を飲むと、頭がボーッとして気持ちが良かったのがきっかけで、近所の薬局で咳止めを買うようになった。3年前から飲む量が増えるようになり、やめられなくなっている。仕事もうまくいかなくなり、退職した」と言う。Aさんは紹介を受けた精神科を受診した。

第107回午後:第107問

Aさんは鎮咳薬による薬物依存症と診断され、任意入院となった。入院2週後、Aさん、主治医および担当看護師で、今後の治療について話し合った。Aさんは「今までは自分の力で薬をやめられると思ったけれど、やっぱりできなかった。仕事もしていないし、家に帰ったらまた薬を買ってしまいそうだ。今度こそ何とかやめたい」と話している。 Aさんへの対応として最も適切なのはどれか。

1: 服薬心理教育を実施する。

2: ハローワークを紹介する。

3: 生活技能訓練〈SST〉を勧める。

4: 薬物依存症者のリハビリテーション施設の情報を提供する。

A さん(14 歳、男子、中学生)は、両親と弟( 7 歳)との 4 人で暮らしている。Duchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィー (Duchenne muscular dystrophy) で 2 年前に誤嚥性肺炎 (aspiration pneumonia) を繰り返し、経鼻経管栄養法と在宅酸素療法とを開始した。その後、呼吸障害が進行し、非侵襲的陽圧換気による呼吸管理目的で入院した。A さんは「特別支援学校に戻って友達に会いたい。夜に使うマスクに早く慣れたい」と訴えた。A さんは自宅に戻って訪問看護を利用する予定である。身体障害者手帳(肢体不自由 1 級)が交付されている。

第104回午前:第117問

退院後 6 か月。A さんは特別支援学校に通学している。弟の小学校でインフルエンザが例年より早い時期から流行し始めた。弟はインフルエンザの予防接種を受けていた。A さんの母親は「A にインフルエンザがうつらないか心配です」と訪問看護師に話した。母親への訪問看護師の助言として最も適切なのはどれか。

1: 「A さんを隔離しましょう」

2: 「ショートステイを利用してみましょう」

3: 「予防接種について主治医に相談してみましょう」

4: 「弟さんは予防接種を受けているので A さんにはうつりませんよ」

第111回午前:第68問

Aさん(80歳、女性)は1人暮らし。要介護2の認定を受け、長男(50歳、会社員)、長男の妻(45歳、会社員)、孫(大学生、男性)と同居することになった。長男の家の間取りは、洋室5部屋、リビング、台所である。Aさんは同居後に訪問看護を利用する予定である。訪問看護を利用するにあたりAさんの家族から「在宅介護は初めての経験なのでどうすればよいですか」と訪問看護師に相談があった。  訪問看護師の説明で最も適切なのはどれか。

1: 「Aさんの介護用ベッドはリビングに置きましょう」

2: 「Aさんの介護に家族の生活リズムを合わせましょう」

3: 「活用できる在宅サービスをできる限り多く利用しましょう」

4: 「特定の同居家族に介護負担が集中しないように家族で話し合いましょう」

Aさん(73歳、女性)は夫(73歳)と2人暮らし。6年前にParkinson〈パーキンソン〉病Parkinson diseaseと診断され、レボドパ〈L-dopa〉を1日3回内服している。Hoehn - Yahr〈ホーエン・ヤール〉重症度分類のステージⅢ、要介護1である。夫が付き添い神経内科外来に月1回、杖歩行で通院している。外来受診のとき、Aさんは足がすくんで転びやすくなったことを主治医に相談し、レボドパ〈L-dopa〉を1日4回に増量して様子を見ることになった。Aさんと夫は薬の副作用〈有害事象〉について外来看護師に尋ねた。

第111回午前:第117問

3か月後、Aさんは「夫は家事を楽しんでいるようで助かっていますが、友人と外出したいと言っています。私も最近は転ぶこともなくなったので、身体を動かしたり、レクリエーションに参加してみたいです」と訪問看護師に話した。  訪問看護師がAさんに提案するサービスで最も適切なのはどれか。。

1: 通所介護

2: 訪問介護

3: 訪問入浴介護

4: 短期入所生活介護

Aさん(42歳、男性)は、統合失調症(schizophrenia)で入院中だが、3ヶ月の治療で症状が改善したため、退院することになった。Aさんは、統合失調症(schizophrenia)で数回の入院経験があるが、前回の退院後に拒薬がみられたため、今回は2週間に1回の訪問看護が計画されている。Aさんはアパートで1人で暮らしている。身体的な疾患はない。

第100回午後:第91問

退院後、看護師がAさんを訪ねると、Aさんは耳栓をしていた。アパートは静かな住宅地にあり、看護師には特に騒音は聞こえない。看護師が「どうしましたか」と尋ねると、Aさんは「大勢の人が大声でしゃべるからうるさくてしょうがないんだよ」と言う。 看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 「本当にうるさいですね」

2: 「お薬は飲んでいますか」

3: 「そんな声は気のせいですよ」

4: 「苦情をいったらどうですか」

5: 「どんなことが聞こえますか」

山間部の地域で、 1 時間雨量 80 mm 以上の降雨で土石流が発生し、地域の住民は市民体育館に避難した。避難所には近くの医療機関から医師と看護師とが派遣された。

第104回午前:第120問

看護師の A さんは、土石流の発生直後から被災地に 1 か月派遣された。その後、病院に戻り 3 か月が経過した。A さんは勤務中に表情が乏しく考え込む様子がみられた。A さんへの看護管理者の対応として最も適切なのはどれか。

1: 忙しい部署に異動させる。

2: 仕事に専念するよう伝える。

3: すぐに忘れるものだと励ます。

4: 体験を語ることができる場を設ける。

A さん(48 歳、専業主婦)は、夫と 2 人で暮らしている。月経周期が 35〜61 日と不規則となり、外来を受診した。診察時、A さんは「一人娘が結婚して遠方に住み、私の体調不良について話しにくく、つらいです。夫とは以前はよく一緒に出かけましたが、今は仕事で忙しく、私は家にいることが多いです」と話した。

第104回午前:第108問

A さんは「私はこれからどうしたらよいでしょうか。日常生活の過ごし方を教えてください」と看護師に尋ねた。看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 「外出は控えてください」

2: 「家事は今までどおり頑張りましょう」

3: 「夫と会話をする機会を増やしましょう」

4: 「娘さんに週に 1 回遊びに来てもらいましょう」

A君(2歳6か月、男児)。両親との3人暮らし。脳性麻痺(cerebral palsy)と診断され、自力で座位の保持と歩行はできず専用の車椅子を使用している。話しかけると相手の目を見て笑顔を見せ、喃語を話す。食事はきざみ食でスプーンを使うことができるが、こぼすことが多く介助が必要である。排泄、清潔および更衣は全介助が必要である。

第106回午前:第105問

現在、A君の母親は妊娠16週で順調に経過している。母親は「出産のときにAを預かってくれるところを探そうと思っています」と看護師に話した。父親は会社員で、毎日20時ころ帰宅する。A君の祖父母は遠方に住んでおり支援をすることができない。 母親に情報提供する社会資源で最も適切なのはどれか。

1: 乳児院

2: 病児保育

3: 情緒障害児短期入所施設

4: レスパイトを目的とする入院

5: ファミリーサポートセンター

Aさん(80歳、女性)は、数年前から腰痛に悩まされ、腰部脊柱管狭窄症(lumbar spinal canal stenosis)と診断されている。他に疾患はない。ADLは自立しているが、歩くと腰が痛むため活動は控えがちである。Aさんは夫と死別して1人で暮らしている。娘が1人いるが子育てのため、娘は毎日は手伝いに来られない。

第100回午後:第105問

Aさんの腰痛は治療で改善し、外出や家事もできるようになった。Aさんの娘から「母ができるだけ自立して暮らし続けられるように、今何をしたらよいでしょうか」と外来看護師に相談があった。 Aさんの娘への外来看護師の助言で適切なのはどれか。

1: 「娘さんが、毎日様子を見に来られてはいかがですか」

2: 「車椅子が使えるように住宅を改修してはいかがですか」

3: 「Aさんがなるべく外で楽しめる機会を持つといいですよ」

4: 「家政婦さんを雇って、家事を手伝ってもらうといいですよ」