Aさん(42歳、男性)、会社員。うつ病(depression)で自殺企図のために入院した。外傷はない。入院時に看護師が「大変でしたね」と声をかけたが、Aさんは一言も話そうとせず、硬い表情をしている。 この時点でのAさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 「気分転換にお散歩に行きませんか」
2: 「今夜は多床室で休んでいただきます」
3: 「仕事が合わないのではありませんか」
4: 「持ち物を一緒に確認させていただけますか」
Aさん(35歳、女性、会社員)は、動悸、手指の震え及び体重減少があり、受診したところ、頻脈と眼球突出とを指摘され抗甲状腺薬の内服を開始した。Aさんは看護師に「仕事のストレスは寝る前にビールを飲むことで解消するようにしているが、ちょっとしたことでイライラして眠れない」と話した。Aさんへの説明で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 「仕事を休みましょう」
2: 「禁酒する必要があります」
3: 「積極的に運動しましょう」
4: 「発熱したときは受診してください」
5: 「病気が原因でイライラしやすくなります」
A君(13歳、男子)。2週前から下腿の紫斑、腹痛、膝関節の疼痛が出現し、近くのクリニックを受診した。血尿および蛋白尿も認められたため、病院を紹介され受診した。既往歴および家族歴に特記すべきことはない。 身体所見:体温36.7 ℃、血圧110/66mmHg。意識清明。腹痛、浮腫なし。両膝関節の軽度の疼痛があるが、腫脹および発赤なし。両下腿に紫斑が散在している。 検査所見:血液所見:赤血球470万/μL、白血球5,600/μL、血小板21万/μL。プロトロンビン活性〈PT活性〉105%(基準値80〜120%)、活性化部分トロンボプラスチン時間〈APTT〉32.0秒(基準対照31.2秒)。クレアチニン0.56mg/dL、アルブミン3.7g/dL、CRP0.1mg/dL。補体価(CH50)41IU/mL(基準値30〜45IU/mL)、抗核抗体陰性。尿所見:蛋白3+、潜血2+、赤血球50〜99/1視野。
検査の結果、A君は2年間のステロイド治療が必要と判断された。1か月後に外来受診の予定である。 看護師からA君に対して行う生活指導で適切なのはどれか。
1: 「水分を積極的に摂取してください」
2: 「紫斑が出現したら記録してください」
3: 「蛋白質を制限した食事を摂取してください」
4: 「日光をなるべく浴びないようにしてください」
Aさん (32歳、男性、会社員 )は、 2年前にうつ病 (depression)による入院歴がある。 Aさんは仕事中に「新しい営業戦略を考えついた」と上司に大声でまとまりのない話を続け、止めようとすると激怒するようになった。会社から連絡を受けたAさんの両親に付き添われて精神科を受診したところ、 Aさんは双極性障害 (bipolar disorder)と診断され入院した。
入院後 3日が経過した。 Aさんは自分の病室にいることはほとんどなく、自宅や会社に頻繁に電話したり、デイルームでノートに書き続けるなど、いつも忙しそうに過ごしている。食事の時間も落ち着かず、摂取量は毎食 1/3から 1/4程度である。看護師の対応で適切なのはどれか。
1: Aさんの食事を介助する。
2: Aさんが栄養指導を受けられるよう調整する。
3: Aさんに食事の摂取量が不足している事実を伝える。
4: Aさんが自分から食事をしたい気持ちになるのを待つ。
Aさん(65歳、男性)は、肺気腫(pulmonary emphysema)で在宅酸素療法を受けている。ある日、Aさんの妻(70歳)から「同居している孫がインフルエンザ(influenza)にかかりました。今朝から夫も体が熱く、ぐったりしています」と訪問看護ステーションに電話で連絡があったため緊急訪問した。 訪問看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。
1: 喀痰の性状
2: 胸痛の有無
3: 関節痛の有無
4: 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉
Aさん(64歳、女性)は、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)で通院加療中である。 1週前から感冒様症状があり市販薬を服用し経過をみていたが、呼吸困難を訴えた後、反応が鈍くなり救急車で搬送された。Aさんは肩呼吸をしており、発汗が著明で口唇は乾燥している。体温38.3 ℃、呼吸数35/分、脈拍108/分、血圧96/70 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>89%であった。ジャパン・コーマ・スケール<JCS>Ⅱ-30。動脈血液ガス分析では動脈血酸素分圧<PaO2>60 Torr、動脈血炭酸ガス分圧<PaCO2>68 Torr、pH 7.29 であった。
Aさんは肺炎(pneumonia)による急性呼吸不全と診断され、点滴、膀胱留置カテーテルの挿入および気管内挿管が実施された。 このときのAさんの観察で最も注意すべき状態はどれか。
1: 乏尿
2: 血圧上昇
3: 末梢冷感
4: 下肢の浮腫
5: 呼吸音の減弱
Aさん(55歳、男性)は、妻と2人暮らし。建築士として主にデスクワークの仕事を行っていた。脊髄損傷(spinal cord injury)のため下半身の不完全麻痺となり、リハビリテーション専門の病院へ転院した。電動車椅子を用いて室内の動作は自立できるようになった。退院調整部門の看護師との面接でAさんから「元の職場に戻りたい」と話があった。Aさんの自己決定を支援する看護師の助言で適切なのはどれか。
1: 「元の職場の仕事を在宅勤務に変更しましょう」
2: 「デスクワークなので職場復帰は可能と思います」
3: 「職場復帰にあたりAさんが課題と思うことを整理しましょう」
4: 「元の職場にこだわらずAさんの障害にあった職場を探しましょう」
Aさん ( 80歳、男性 )は、肺炎 (pneumonia)と高血圧症 (hypertension)で入院している。入院日の夜から Aさ んにはせん妄の症状がみられる。 Aさんの家族は「しっかりした人だったのに急におかしくなってしまった」と動揺している。せん妄について Aさんの家族への説明で正しいのはどれか。
1: 「認知症 (dementia)の一種です」
2: 「昼間に起こりやすいです」
3: 「一度起こると治りません」
4: 「環境の変化で起こることがあります」
女性患者のAさんは統合失調症(schizophrenia)で入院した。Aさんは、「この薬を飲むと舌がピリピリする。薬で私を殺そうとしているんでしょ」と険しい表情で言い、服薬を拒否している。 Aさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 服薬に関する不満を聞く。
2: 直ちに薬物療法を中止する。
3: Aさんの訴えの不合理な点を指摘する。
4: 医師からの指示を受けて注射を施行する。
Aさん(75歳、男性)は妻(66歳)と2人暮らし。3か月前に認知症dementiaの診断を受けた。妻から訪問看護師に「夫は通所介護のときは穏やかに過ごしていると聞いているが、家では興奮することが多く、どう対応すればよいかわからない」と相談があった。 このときの妻に対する訪問看護師の最初の対応で適切なのはどれか。
1: 主治医に相談するよう勧める。
2: Aさんと散歩に出かけることを勧める。
3: 通所介護の頻度を増やすことを提案する。
4: Aさんが興奮する状況を妻と一緒に振り返る。
Aさん(61歳、男性)は、水分が飲み込めないため入院した。高度の狭窄を伴う進行食道癌(advanced esophageal cancer)と診断され、中心静脈栄養が開始された。入院後1週、Aさんは口渇と全身倦怠感を訴えた。意識は清明であり、バイタルサインは脈拍108/分、血圧98/70mmHgであった。尿量は1,600mL/日で、血液検査データは、アルブミン3.5g/dL、AST〈GOT〉45IU/L、ALT〈GPT〉40IU/L、クレアチニン1.1mg/dL、血糖190mg/dL、Hb11.0g/dLであった。 Aさんの口渇と全身倦怠感の要因として最も考えられるのはどれか。
1: 貧血
2: 低栄養
3: 高血糖
4: 腎機能障害
5: 肝機能障害
Aさん(74歳、男性)は、強い下腹部痛のため救急車で搬入された。Aさんは顔面蒼白で、冷汗をかき、腹部を押さえている。一緒に来た妻は、「夫はいつも尿が出にくい。夜は、3回はトイレに行くのに、昨夜は行かなかった。今朝もポタポタとしか出なかった。便秘はしていない」と話した。Aさんは4年前に脳梗塞(cerebral infarction)になり、重い構音障害があるが理解力に問題はなく、身の回りのことは全部自分でできている。搬入時のAさんは、看護師と視線を合わせることができ、問いかけにはうなずきで答えている。
処置を終えたAさんは、治療のため入院した。 Aさんとコミュニケーションをとるうえで適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 筆談用の文房具を準備する。
2: 理解を助ける絵カードを準備する。
3: 構音の間違いを直して練習させる。
4: 補聴器や眼鏡の使用状況を妻に確認する。
5: 問いかけはopen-ended question〈開かれた質問〉にする。
Aさん(52歳、男性)は、妻と会社員の娘と3人で暮らしている。Aさんは2年前に職場を解雇され、再就職先を探している。以前から飲酒する機会は多かったが、解雇後は朝から酒を飲み続け、妻が止めるように言っても聞き入れなかった。Aさんは、3か月前に自宅近くの診療所でアルコール性肝硬変(alcoholic cirrhosis)と診断され、断酒を勧められたが実行できずにいた。Aさんは、妻に伴われて専門医療機関を受診し、アルコール依存症(alcohol dependence)と診断された。
Aさんは黄疸がみられるようになったことをきっかけに、アルコール依存症(alcohol dependence)の治療を受けることになった。妻は、これまで1日中酒ばかり飲んでいたAさんに対する強い不満を看護師に話した。 看護師から妻への助言で最も適切なのはどれか。
1: 家にある酒類はすべて捨てるように話す。
2: Aさんの代わりに家計を支えるように話す。
3: Aさんに飲酒の害を再度伝えることを提案する。
4: 家族のためのセルフヘルプグループへの参加を勧める。
Aさん(83歳、女性)は1人暮らし。誤嚥性肺炎aspiration pneumoniaで入退院を繰り返していた。今回の退院後に、訪問看護が導入されることになり、退院前カンファレンスが行われた。 誤嚥性肺炎aspiration pneumoniaの再発を予防するために病棟看護師が訪問看護師に情報提供する内容で優先されるのはどれか。
1: 嚥下機能検査の判定結果
2: 栄養状態を示す検査データ
3: 入院中の日常生活動作〈ADL〉
4: 誤嚥性肺炎aspiration pneumoniaの治療に用いられた薬剤
Aさん(73歳、女性)は夫(73歳)と2人暮らし。6年前にParkinson〈パーキンソン〉病Parkinson diseaseと診断され、レボドパ〈L-dopa〉を1日3回内服している。Hoehn - Yahr〈ホーエン・ヤール〉重症度分類のステージⅢ、要介護1である。夫が付き添い神経内科外来に月1回、杖歩行で通院している。外来受診のとき、Aさんは足がすくんで転びやすくなったことを主治医に相談し、レボドパ〈L-dopa〉を1日4回に増量して様子を見ることになった。Aさんと夫は薬の副作用〈有害事象〉について外来看護師に尋ねた。
3か月後、Aさんは「夫は家事を楽しんでいるようで助かっていますが、友人と外出したいと言っています。私も最近は転ぶこともなくなったので、身体を動かしたり、レクリエーションに参加してみたいです」と訪問看護師に話した。 訪問看護師がAさんに提案するサービスで最も適切なのはどれか。。
1: 通所介護
2: 訪問介護
3: 訪問入浴介護
4: 短期入所生活介護
Aさん(83歳、男性)は妻(81歳)と2人暮らし。息子夫婦は共働きで同市内に住んでいる。Aさんは自宅の廊下で倒れているところを妻に発見され、救急搬送された。Aさんは右上下肢に力が入らず、妻の声かけにうなずくが発語はなかった。頭部CTで左中大脳動脈領域の脳梗塞cerebral infarctionと診断されたため救急外来で血栓溶解療法が行われ、入院となった。血栓溶解療法による治療後2週。Aさんは右上下肢麻痺、失語などの後遺症があるが、自宅への退院を希望したため、機能訓練の目的で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。転棟後1日。Aさんはベッドから車椅子への移乗動作の訓練を始めたが、健側の下肢筋力が低下しているため、立位のときにバランスを崩しやすい状況である。
転棟後5週。Aさんは歩行練習が開始となり、病棟内では日常生活動作〈ADL〉も徐々に自立してきている。食事は時々むせがみられるが、配膳すれば自力で摂取できる。排泄は車椅子でトイレヘ移動しており、ズボンの着脱に介助が必要である。入浴はシャワーチェアーに座り、手が届くところは自分で洗うことができる。歯磨きは一部介助が必要である。Aさんは早く自宅に帰りたいと話し、午前と午後の機能訓練には積極的に参加しているが、機能訓練後は「疲れて何もしたくない」とベッドで横になり眠っている。夕方に面会に来た妻は「面会時にいつも疲れたと言って眠っているので、このままの状態で退院して家で世話ができるかどうか自信がありません。息子夫婦も仕事が忙しいので、介護を手伝ってもらえるかわかりません」と言っている。 看護師の妻への対応で最も適切なのはどれか。
1: 施設入所の検討を提案する。
2: トイレ介助の方法を指導する。
3: Aさんの機能訓練中の様子の見学を勧める。
4: 息子夫婦にも介護に参加してもらうよう助言する。
Aさん(55歳、男性)、会社員。野球が趣味で、野球チームに所属し毎週日曜日に試合や練習を行っている。 7月のある日曜日、気温 32 ℃、湿度 86 %。Aさんは野球の試合で守備についていたとき、急激な下肢の痛みが出現し倒れこんだ。その試合を偶然観戦していた看護師がAさんの状態を観察した。ジャパン・コーマ・スケール (JCS)Ⅰ-1。呼吸数30 /分。脈拍 120/分、整。身体は熱く、多量の発汗がみられた。
入院後2日、Aさんは回復し退院することになった。Aさんは「暑かったから、試合中は水分を摂(と)るようにしていたのに、なぜ熱中症(heat illness)になったのだろう」と病棟看護師に尋ねた。 病棟看護師のAさんへの説明で適切なのはどれか。
1: 「下肢の痛みが原因です」
2: 「湿度の高さも関係します」
3: 「糖分の不足も関係します」
4: 「野球はやめた方が良いです」
Aさん(52歳、女性)は、未婚で1人暮らしである。近くに親戚はいない。物が握りにくい、細かい作業ができないという症状があり、精密検査のため入院したところ、筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉(amyotrophic lateral sclerosis )と診断された。
球麻痺症状が進行したため、経腸経管栄養導入を目的に入院し、胃瘻を造設した。Aさんは、自分で胃瘻管理ができる間は、自宅で療養したいと強く希望した。Aさんも同席した上で、主治医、病棟看護師、理学療法士、退院調整看護師、介護支援専門員および訪問看護師がカンファレンスを行うことになった。 病棟看護師がカンファレンスで提供する情報として最も重要なのはどれか。
1: 入院中の治療の経過
2: 胃瘻管理の指導内容
3: 利用可能な在宅サービス
4: リハビリテーションの状況
Aさん(43歳、男性、会社員)は、妻(38歳)と2人暮らし。1年前から、仕事上の失敗を上司から叱責されることが続いていた。半年前からAさんの飲酒量は次第に増えていき、最近では酒気を帯びたままの出勤や、飲酒を原因とした遅刻や欠勤をすることが増えていた。ある夜、Aさんは居酒屋で多量に飲酒し、その場で意識が消失したため、救急車で救命救急センターへ搬送され、入院となった。器質的検査および生理的検査では異常が認められなかったが、入院翌日に飲酒の問題について同じ病院内の精神科を受診した結果、Aさんはアルコール依存症(alcohol dependence syndrome)と診断された。
入院中にAさんは、退院後に再び飲酒してしまうのではないかという不安を看護師に訴えた。Aさんの断酒を支援するための看護師の提案で適切なのはどれか。
1: 共同生活援助<グループホーム>への入居
2: セルフヘルプグループへの参加
3: 行動援護の利用
4: 生活訓練の利用
抗癌薬の副作用(有害事象)である骨髄抑制を示しているのはどれか。
1: 嘔吐
2: 下痢
3: 神経障害
4: 白血球減少