第111回午前第116問の類似問題

第108回午後:第67問

Aさん(52歳、男性、独身)は、銀行員。切除不能の大腸癌(colon cancer)と診断され、外来で抗癌薬の点滴静脈内注射を受けることになった。Aさんは「治療を受けながら仕事を続けたいのですが、どうすれば良いか教えてください」と外来看護師に相談した。 外来看護師が行うAさんへの助言で最も適切なのはどれか。

1: 「所属部署の変更を上司に申し出ましょう」

2: 「副作用が出てから対応を考えましょう」

3: 「会社の健康管理部門に相談しましょう」

4: 「有給休暇を使って治療を受けましょう」

A さん(20 歳、男性、大学生)は、皆が自分を嫌っていると言い、昨年から大学を休学し、 1 人暮らしのアパートで引きこもるようになった。先週、アパートで夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人から両親へ連絡があった。A さんの両親が A さんの部屋に入ってみると、窓は新聞紙で覆われていた。A さんは「 1 日中誰かに見張られている。あなたは親じゃない」と叫び続けるため、精神科病院に入院した。A さんは、統合失調症 (schizophrenia) と診断され非定型抗精神病薬による治療が開始された。

第104回午前:第114問

入院後 2 か月。症状も落ち着いてきたため、退院の準備をすることになった。Aさんは看護師に「病気はもう治ったのに、いつまで薬を飲まなければならないのか。薬を飲むと頭がぼんやりする。体力がなくなった気がする」と話した。A さんの退院の準備のために行う支援で優先度が高いのはどれか。

1: 回想法

2: 復学準備

3: 服薬心理教育

4: 筋力トレーニング

Aさん(55歳、男性、自営業)は、父親(78歳)と2人暮らし。Aさんは、2年前から食後に心窩部痛を感じていたが、医療機関を受診していなかった。午後3時、Aさんは胃部不快感を訴えた直後、突然コップ1杯程度の吐血があり倒れた。父親が救急車を呼び、救急病院に搬送された。到着時、意識はジャパン・コーマ・スケール(JCS)Ⅰ- 3。バイタルサインは、体温36.4℃、呼吸数20/分、脈拍124/分、整、血圧86/50mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)95%。顔面は蒼白で、皮膚は湿潤している。四肢冷感を認める。眼瞼結膜は軽度貧血様であるが、黄染を認めない。腹部は平坦で腸蠕動音は微弱、心窩部に圧痛を認めるが、筋性防御はない。胃部不快感は受診前よりも改善している。担当した医師に父親が「息子は黒い便が出ると言っていた」と伝えた。

第108回午後:第120問

Aさんは、医師から「検査の結果、スキルス胃癌(scirrhous gastric carcinoma)でした。膵臓や広範囲な腹膜への転移があって手術ができない状態でした。おそらく余命半年だと思います」と告知され、1週後に退院となった。退院後3か月、Aさんは外来看護師に「ずいぶん腰痛と腹痛がひどく、腹水が溜まって動くのも大変になってきました。最期は人工呼吸器の装着など延命をしたくないのですが、それを意識がなくなったあとにも医師に伝える方法はありますか」と尋ねた。そこで、看護師はAさんにリビングウィルの説明をすることにした。 Aさんに対して看護師が行うリビングウィルの説明で正しいのはどれか。

1: 「法律で定められた文書です」

2: 「父親のグリーフケアに必要な書類です」

3: 「Aさんの自由意思で作成することができます」

4: 「一度作成すると内容を変更することはできません」

第100回午前:第87問

80歳の男性のAさんは軽度の認知症(dementia)で、集合住宅で1人で暮らしている。喫煙習慣がある。生活環境の安全に関する訪問看護の活動で、毎回の訪問時に確認する必要があるのはどれか。2つ選べ。

1: 戸締り

2: 喫煙本数

3: 煙草(たばこ)の吸い殻処理

4: 浴室の換気システム

5: 預金通帳の保管場所

Aさん(20歳、男性、大学生)は、炎天下で長時間サッカーをしていたところ転倒し、左膝と左側腹部を強打した。「左膝がカクッと折れて力が入らない。左腹部が痛い」ことを主訴に救急外来を受診した。 受診時のバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数14/分、脈拍98/分、血圧102/58mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)98%。血液検査の結果、赤血球550万/μL、Hb 16.0g/dL、Ht 55%、白血球8,900/μL、CRP 0.3mg/dLであった。尿検査は尿潜血(ー)、尿比重1.025、濃縮尿であった。胸部・腹部・下肢のエックス線写真に異常なし。胸腹部CTでは脾臓損傷を否定できなかった。このため、左半月板損傷と外傷性脾臓損傷を疑い入院となった。

第108回午前:第91問

Aさんの状態をアセスメントするために、救急外来受診時に優先して観察すべき項目はどれか。

1: 尿の性状

2: 腸蠕動音

3: 脈拍数

4: 体温

Aさん(28歳、女性、外国籍)は3年前に日本人の夫と結婚し来日した。簡単な日本語を話せたため、来日した半年後からコンビニエンスストアでアルバイトを始めた。最近になり、夫は仕事で帰りが遅くなることが多くなった。Aさんが「お客さんが自分の悪口を言っている」と話したが、夫は気にしなかった。その後、アルバイト先の上司から「Aさんが奇声を発している」「ぶつぶつと独り言を言って歩き回っている」と夫に連絡があった。夫が病院に付添い精神科外来を受診し、統合失調症schizophreniaと診断されて入院となった。入院時、Aさんの髪は乱れ、誰かに見張られている気がすると怯えていた。

第111回午前:第118問

入院当日に看護師が行う情報収集で最も優先するのはどれか。

1: 症状が日常生活に与える影響

2: アルバイト先の人間関係

3: 医療用語の理解力

4: 精神疾患の家族歴

第105回午後:第90問

車椅子で日常生活を送る在宅療養者の住宅改修で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 床を畳に変える。

2: 玄関を引き戸にする。

3: 廊下と部屋との段差をなくす。

4: トイレに和式便器を設置する。

5: 廊下の幅は車椅子の幅と同じにする。

Aちゃん(2歳0か月、女児)。昨日から下痢と嘔吐とを繰り返し、食事が摂(と)れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎(viral gastroenteritis)と診断され入院した。入院時、体温38.2℃、呼吸数36/分、心拍数136/分であった。1週前の保育所の身体計測では身長89cm、体重12.0kgであった。個室隔離とし、点滴静脈内注射による持続輸液が開始された。

第102回午前:第119問

入院翌日。Aちゃんは活気がなく臥床している。下痢症状は改善し嘔吐もみられなくなったが、時々顔をしかめており、母親は「まだおなかが痛いみたいです」と看護師に話す。 Aちゃんの痛みへの対応で適切なのはどれか。

1: 食事摂取を促す。

2: 日中も部屋を暗くする。

3: 1人で過ごすようにする。

4: Aちゃんが好きな絵本を読み聞かせる。

第110回午後:第70問

仙骨部に皮下組織に達する褥瘡がある患者が入院となった。患者は車椅子の利用を主治医に許可されている。  この患者に対する多職種で行う褥瘡ケアにおいて、受け持ち看護師が担う役割で適切なのはどれか。

1: 薬剤師に外用薬の処方を依頼する。

2: 事務職員に汚染ガーゼの廃棄を依頼する。

3: 介護職員にドレッシング材の選択を依頼する。

4: 理学療法士と車椅子乗車時の除圧方法を検討する。

Aさん(75歳、男性)は、妻(70歳)と2人暮らし。2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus)の治療中で、2年前から1日2回朝・夕食前に混合型インスリン注射が開始となった。その後、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)による視力障害が進んだため、現在は妻と一緒に単位数や針の確認をし、インスリンの自己注射を実施している。

第109回午後:第116問

インスリン治療開始後3年、Aさんは妻の付き添いで散歩を取り入れ運動療法にも取り組んでいたが、靴ずれが悪化し右第5趾に潰瘍ができた。そこで要介護1の認定を受けて訪問看護が週2回導入され、フットケアの指導が行われることになった。訪問看護師が行う妻への指導内容で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 絆創膏は足趾全体を覆うように貼る。

2: 浸出液の臭いの変化に注意する。

3: 泡立てた石けんで足を洗う。

4: 足浴には42℃の湯を使う。

5: 大きいサイズの靴を履く。

Aさん(32歳、初産婦)は妊娠39週4日に3,200gの男児を経腟分娩で出産した。分娩時に会陰切開縫合術を受けた。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後10点であった。分娩時の出血量200mL、分娩所要時間12時間30分であった。分娩室から病室に帰室する前に尿意を自覚したためトイレまで歩行し、排尿があった。

第111回午後:第108問

産褥4日、看護師はAさんに退院指導をすることにした。Aさんの児の経過は順調である。  Aさんと児が受けられるサービスとして、看護師が退院指導時に説明するのはどれか。

1: 養育支援訪問

2: 育成医療の給付

3: 養育医療の給付

4: 乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)

第111回午後:第72問

Aさん(76歳、女性)は1人暮らし。脳血管疾患cerebrovascular diseaseで右半身麻痺があり、障害高齢者の日常生活自立度判定基準はB-2である。週に2回の訪問看護を利用している。食事の準備と介助および食後の口腔ケアのため訪問介護を利用することになった。訪問介護の担当者は、Aさんのケアについて訪間看護師に助言を求めた。  訪問看護師が訪問介護の担当者に助言する内容で正しいのはどれか。

1: 健側に頸部を回旋させ食事の介助をする。

2: 野菜は繊維に対し垂直に切って調理する。

3: 歯肉出血がみられたら口腔ケアは中止する。

4: 食事中はA さんの好きなテレビ番組を見せる。

Aさん(43歳、男性、会社員)は、妻(38歳)と2人暮らし。1年前から、仕事上の失敗を上司から叱責されることが続いていた。半年前からAさんの飲酒量は次第に増えていき、最近では酒気を帯びたままの出勤や、飲酒を原因とした遅刻や欠勤をすることが増えていた。ある夜、Aさんは居酒屋で多量に飲酒し、その場で意識が消失したため、救急車で救命救急センターへ搬送され、入院となった。器質的検査および生理的検査では異常が認められなかったが、入院翌日に飲酒の問題について同じ病院内の精神科を受診した結果、Aさんはアルコール依存症(alcohol dependence syndrome)と診断された。

第109回午後:第114問

入院中にAさんは、退院後に再び飲酒してしまうのではないかという不安を看護師に訴えた。Aさんの断酒を支援するための看護師の提案で適切なのはどれか。

1: 共同生活援助<グループホーム>への入居

2: セルフヘルプグループへの参加

3: 行動援護の利用

4: 生活訓練の利用

第101回午後:第78問

精神科病棟に入院しているAさんの服薬管理は、看護師が行っている。 入院中の服薬を自己管理に移行できるかを判断する際に、看護師が情報収集する項目として優先度が高いのはどれか。

1: 入院形態

2: 入院期間

3: 退院後の同居者の有無

4: 副作用の生活への影響

Aちゃん(5歳、男児)は、両親と2歳の妹と4人で暮らしている。Aちゃんは、1歳のときにてんかん(epilepsy)と診断され、抗てんかん薬を服用していた。数日前から、失禁を伴う意識消失発作がみられるようになったため、検査と治療の目的で入院した。母親によると、抗てんかん薬を飲ませるのを忘れてしまうことがあったという。Aちゃんは、幼稚園に通っており、外で遊んだり絵本を見たりすることが好きである。知的発達の遅れはみられない。

第101回午前:第114問

てんかん発作がみられなくなり、Aちゃんは退院することになった。退院後の内服について、母親は「指導を受けて忘れない工夫はしているのですが、 2歳の妹の世話が大変で、つい忘れてしまうのではないかと不安です」と言う。看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 服薬を忘れたときは、次の服薬時に倍量を飲ませるよう指導する。

2: 母親の育児・家事の負担を減らす方法について話し合う。

3: 服薬管理はAちゃん自身に任せるよう指導する。

4: 入院期間の延長を提案する。

Aさん (32歳、男性、会社員 )は、 2年前にうつ病 (depression)による入院歴がある。 Aさんは仕事中に「新しい営業戦略を考えついた」と上司に大声でまとまりのない話を続け、止めようとすると激怒するようになった。会社から連絡を受けたAさんの両親に付き添われて精神科を受診したところ、 Aさんは双極性障害 (bipolar disorder)と診断され入院した。

第103回午後:第110問

入院後 3日が経過した。 Aさんは自分の病室にいることはほとんどなく、自宅や会社に頻繁に電話したり、デイルームでノートに書き続けるなど、いつも忙しそうに過ごしている。食事の時間も落ち着かず、摂取量は毎食 1/3から 1/4程度である。看護師の対応で適切なのはどれか。

1: Aさんの食事を介助する。

2: Aさんが栄養指導を受けられるよう調整する。

3: Aさんに食事の摂取量が不足している事実を伝える。

4: Aさんが自分から食事をしたい気持ちになるのを待つ。

Aさん(19歳、男性)は、幼い頃から忘れ物や遅刻が多く、落ち着いて授業を受けることが難しかった。学校からは精神科の受診を勧められていたが、受診することなく高校まで卒業した。卒業後は事務職として働きはじめたが、仕事上のトラブルで上司や同僚から叱責を受けたことをきっかけに、仕事を無断で休むことが多くなった。産業医から精神科外来を紹介され、両親とともに受診した。本人の診察と両親からの生育歴の聴取が行われ、注意欠如・多動性障害attention-deficit/hyperactivity disorder〈ADHD〉と診断された。

第110回午前:第113問

診察後、Aさんの両親は「親としてどうしたら良かったのでしょうか、私たちの育て方に問題があったのでしょうか」と外来看護師に話した。  このときのAさんの両親への対応として適切なのはどれか。

1: 「Aさんは育てにくいお子さんでしたね」

2: 「職場の環境が悪かったことが原因です」

3: 「ご両親の育て方が原因ではないと思いますよ」

4: 「もっと早くAさんの問題に気が付けばよかったですね」

第104回午後:第69問

A さん(80 歳、女性)は、 1 人で暮らしている。内科と整形外科とを受診しているが、 2 週前から内服薬の飲み間違いがあり、主治医から訪問看護師に服薬管理の依頼があった。A さんがセルフケアを維持して内服するための訪問看護師の服薬管理の支援で最も適切なのはどれか。

1: 内服薬は薬局から訪問看護師が受け取る。

2: 自宅での内服薬の保管場所を分散する。

3: 内服指導を診療科ごとに依頼する。

4: 内服薬を 1 回分ごとにまとめる。

Aちゃん( 1歳 0か月、女児)は、つかまり立ちをしようとしてテーブルの上に手をかけたところ、熱い味噌汁の入ったお椀(わん) をひっくり返して前胸部と右前腕に熱傷 (burn) を負 ったため母親とともに救急外来を受診した。来院時、 Aちゃんは、体温 36.8℃、呼吸数 36/分、心拍数 120/分、血圧 90/60 mmHgであり、機嫌が悪く泣いている。

第103回午前:第105問

Aちゃんの創部は治癒傾向にあり、退院して外来で処置を継続することになった。 Aちゃんの母親は「子どもに痛い思いをさせてしまいました。私が気を付けないと いけませんね」と話している。 家庭内での事故予防について、Aちゃんの母親に指導する内容として優先度が高 いのはどれか。

1: 調理の工夫

2: 重症事故事例の提示

3: 1歳児の行動の特徴

4: Aちゃんへの説明の方法

Aさん(50歳、男性)は、双極性障害(bipolar disorder)で、これまでにうつ状態と躁状態で入院歴がある。会社員の兄と2人で暮らしている。3か月前から服薬を中断するようになり、気分が沈みはじめ、1週前から朝起きられなくなった。2日前から1日中ベッドの中にいるようになったため、兄に付き添われて入院した。入院時は亜昏迷状態で、発語はほとんどなく、自力での歩行が困難なほど脱力が強かった。入院後、三環系抗うつ薬が開始された。

第102回午前:第100問

入院当日の看護として適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 発語を促す。

2: 入浴を促す。

3: 食物形態を工夫する。

4: 個室への入室を勧める。

5: レクリエーションへの参加を勧める。