第109回午前第95問の類似問題

A さん(90 歳、女性)は、Alzheimer〈アルツハイマー〉病 (Alzheimer disease) で、重度の認知機能の低下がある。要介護 4 で、短期入所〈ショートステイ〉や通所介護を利用している。長年、長男夫婦が自宅で介護している。

第104回午前:第102問

その後、A さんは誤嚥性肺炎 (aspiration pneumonia) の症状が軽快し、胃瘻を造設せずに退院する予定である。家族は自宅での介護を考えていたが、長男の妻が脳出血 (cerebral hemorrhage) で入院したため、Aさんの退院先の再検討を行うことになった。A さんの退院先として最も適切なのはどれか。

1: 軽費老人ホーム

2: 介護老人福祉施設

3: 回復期リハビリテーション病棟

4: 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)

Aさん(82歳、男性)は、4年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症(dementia of Alzheimer type)の診断を受けた。要介護4で、1年前からグループホームで生活している。高血圧症(hypertension)に対して持続性カルシウム拮抗薬を内服している。他に治療を必要とする疾患は認められない。 1週前から夜はほとんど眠らず、居間のソファに腰かけたり、歩き回ったりする状態が続いている。昼間もベッドに横になることはない。食欲が低下してきたが、先月よりも体重は2kg増加している。

第101回午後:第100問

Aさんは廊下でうずくまっているところを発見された。肩呼吸をしており、四肢に冷感があり下肢の浮腫が強い。体温 36.1 ℃、脈拍 120/分、血圧86/50 mmHg、呼吸数40 /分であった。Aさんの状態で最も考えられるのはどれか。

1: 心不全(heart failure)

2: 上気道感染(upper respiratory infection)

3: 狭心症発作(angina pectoris)

4: 閉塞性呼吸障害(obstructive respiratory disorder)

A さん(52 歳、女性、専業主婦)は、夫と 2 人の息子との 4 人で暮らしている。A さんは内向的な性格であり、順番にまわってきた町内会の役員を引き受けたことで悩むことが多くなった。 2 か月前から食欲不振と不眠が続いている。 1 か月前から家事ができなくなり、死んでしまいたいと言い始めたため、夫が付き添って精神科を受診したところ、うつ病 (depression) と診断された。

第104回午後:第109問

A さんは「いつも体がだるくて、何もしたくない。生きていても皆に迷惑がかかるだけだ」と話す。体重減少と長期間続く不眠のため、疲れ果てた様子をみせていることから、その日のうちに入院し、薬物治療が開始された。入院当日の観察項目で優先度が高いのはどれか

1: 清潔状態

2: 水分摂取量

3: 意識レベル

4: 他者との交流状況

A さん(72 歳、男性)は、アパートの 1 階に 1 人で暮らしている。家族や親戚はいない。15 年前から心不全 (heart failure) のために利尿薬を毎朝内服している。半年前に要支援 2 の認定を受け、介護予防通所介護を週に 2 回利用している。早朝、A さんは玄関の外で座り込んでいるところを近所の人に発見され救急搬送された。来院時、体温37.4 ℃、呼吸数 20/分、脈拍 98/分、血圧 100/70 mmHg であった。血液検査と尿検査の結果、脱水症と診断された。

第104回午前:第99問

入院後 5 日。A さんの症状は改善し、明日退院する予定である。床頭台の隅に利尿薬が残っていたため看護師が質問すると、A さんは「看護師さんから薬をもらうとすぐ飲んでいるよ」と話した。また、自分の病室を間違えることが数回あった。A さんが在宅療養を継続するために、看護師が介護支援専門員へ伝える情報として優先度が高いのはどれか。

1: 生活リズム

2: 食事の摂取量

3: 服薬管理の状況

4: 脱水症の治療内容

Aさん(72歳、男性)。妻と2人暮らし。朝6時に、妻が一緒に寝ていたAさんの様子がおかしいことに気付き、救急車を呼んだ。Aさんは病院に搬送された。病院到着時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉 II-10。右片麻痺および失語がみられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数20/分、心拍数110/分、血圧150/90mmHg。身長160cm、体重60kg。頭部CTで明らかな異常所見はなく、頭部MRIを行う予定である。

第107回午後:第116問

Aさんは、左中大脳動脈領域の脳梗塞(cerebral infarction)と診断され、組織プラスミノーゲンアクチベータ〈t-PA〉による血栓溶解療法が行われた。入院から2日後、右片麻痺は残存しているものの、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉 I-3と改善がみられた。多職種カンファレンスで経口栄養を検討したが、言語聴覚士による評価では、Aさんは誤嚥のリスクが高いと判断され、経鼻胃管による経管栄養を行うこととなった。 Aさんに行う経管栄養法について適切なのはどれか。

1: 白湯から開始する。

2: 開始前に胃残渣を確認する。

3: 経鼻胃管挿入中は嚥下訓練を中止する。

4: 1日の目標摂取エネルギー量は2,200kcalとする。

Aさん(78歳、男性)は、妻(70歳)と2人暮らしである。脳血管障害後遺症による右片麻痺があり、車椅子への移乗は部分介助、要介護2である。排泄はポータブルトイレを利用している。Aさんと妻はなるべく家で過ごしたいと考え、自宅での介護はすべて妻が行っている。長女(会社員)が県内に在住しているがAさんの介護はしていない。訪問看護を週1回利用するのみで、他のサービスは利用していない。最近、妻の腰痛が悪化し、妻から訪問看護師に「主治医から介護の負担を軽減するように言われました。でも夫は家から出たくないし、私も夫をどこかに預けるのは不安です。どうしたらよいでしょうか」と相談があった。

第110回午前:第116問

サービス導入後1か月。今朝、妻から訪問看護師に「夫の身体が震えています。よだれを垂らして、目が合わないです」と連絡があった。訪問看護師が訪問すると、Aさんの震えは止まっており、Aさん自身は「何が起きていたのか覚えていない」と言う。訪問時の体温36.0℃、呼吸数18/分、脈拍82/分、血圧130/62mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%(room air)であった。妻によると、2日間排便がなく、尿量1,500mL/日、尿の性状は黄色透明とのことだった。  妻からの連絡時にAさんに起きていたと考えられる状態はどれか。

1: 感染

2: 脱水

3: 便秘

4: けいれん

第111回午前:第60問

A君(小学6年生)は病院に併設された院内学級に通いながら骨肉腫osteosarcomaの治療を続けていた。現在、肺転移があり終末期にある。呼吸障害のため鼻腔カニューレで酸素(2L/分)を吸入中である。A君の食事摂取量は減っているが意識は清明である。1週後に院内で卒業式が予定されている。A君は「卒業式に出席したい」と話している。  看護師のA君への対応として適切なのはどれか。

1: 両親に判断してもらおうと話す。

2: 今の状態では出席は難しいと話す。

3: 出席できるように準備しようと話す。

4: 出席を決める前に体力をつけようと話す。

Aさん(52歳、男性)は、 2か月で体重が7kg減少した。 2か月前から食事のつかえ感があるため受診した。検査の結果、胸部食道癌(thoracic esophageal cancer)と診断され、手術目的で入院した。

第101回午後:第94問

入院時の検査データは、Hb 9.5 g/dl、血清総蛋白 5.4 g/dl、アルブミン2.5 g/dl、 AST〈GOT〉24 I U/l、ALT〈GPT〉25 I U/l、γ-GTP 38 IU/l、尿素窒素 1 8 mg/dl、クレアチニン0.7mg/dl、プロトロンビン時間 82 %(基準 80〜120)であった。Aさんの状況で術後合併症のリスクとなるのはどれか。

1: 出血傾向

2: 腎機能障害

3: 低栄養状態

4: 肝機能障害

Aさん(23歳、男性)は、マラソンの途中で嘔吐し、意識混濁状態となり救急車で搬送された。来院時、体温39.5℃で、熱中症(heatillness)と診断された。気管挿管と人工呼吸器管理が実施された。膀胱留置カテーテルを挿入後に輸液療法を開始して、ICUに入室した。表面冷却と血管内冷却によって体温は37℃台に下降した。 既往歴 : 特記すべきことはない。 身体所見 : ICU入室時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-20。体温37.8℃、呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧94/74mmHg。暗赤色尿を1時間で20mL認めた。 検査所見 : Hb16.8g/dL、Ht48.6%、Na130mEq/L、K6.5mEq/L、Cl100mEq/L、クレアチンキナーゼ〈CK〉48,000IU/L、尿素窒素60mg/dL、クレアチニン2.4mg/dL、AST〈GOT〉70IU/L、ALT〈GPT〉88IU/L。尿一般検査でミオグロビン陽性。胸部エックス線写真および頭部CTで異常所見なし。心電図でSTの変化はなく、洞性頻脈を認めた。

第106回午後:第115問

このときのAさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 貧血である。

2: 筋肉が傷害されている。

3: 致死性不整脈が出現しやすい。

4: 心原性ショックを起こしている。

5: 利尿薬の使用が必要な状態である。

第103回午後:第47問

Aさん ( 26歳、男性 )は、大量服薬による急性中毒が疑われ、午後 9時 30分に救急搬送された。呼吸状態と循環動態に異常はないが、意識は低下している。付き添って来た Aさんの母親は「午後 8時に夕食を終えて息子は部屋に戻りました。午後 9時にお風呂へ入るよう声をかけに部屋に行ったら、倒れていたんです。息子はうつ病 (depression)で通院中でしたが、最近は症状が落ち着いていました」と話す。 このときの対応で適切なのはどれか。

1: 気管内挿管を行う。

2: 咽頭を刺激して吐かせる。

3: 胃酸分泌抑制薬を投与する。

4: Aさんの母親にどんな薬を内服していたかを尋ねる。

Aちゃん(生後10か月)は、それまで機嫌よく過ごしていたが、夕方から突然不機嫌になり、15〜20 分ごとに激しく泣いては、泣き止むことを繰り返した。Aちゃんは夕食の離乳食を食べず哺乳もしなかったが、嘔吐したため21時に保護者と救急病院を受診した。担当医師は保護者に、腸重積症(intussusception)が疑われるためグリセリン浣腸を行って便性を確認する、と説明した。体温は37.1℃であった。

第108回午後:第105問

Aちゃんは、高圧浣腸により重積が整復され、経過観察のため入院した。翌朝、経口摂取が可能となり、状態も落ちついているため退院が決定した。保護者から「退院後に何か注意することはありますか」と看護師に質問があった。 保護者への説明で適切なのはどれか。

1: 「月1回の受診をしてください」

2: 「3日間は入浴を控えてください」

3: 「1週間は離乳食を1日1回にしてください」

4: 「同じような症状が出たら受診してください」

第110回午後:第67問

Aさん(82歳、女性)は、脳梗塞cerebral infarctionの既往があり、要介護2で、夫(85歳)と2人暮らし。訪問看護師の訪問時、Aさんは体温37.0℃、脈拍62/分、血圧100/50mmHg、少し汗をかいており、唇の乾燥がみられた。訪問看護師は、翌日予定されている訪問介護の担当者とAさんの援助の方向性について共有することにした。  共有する内容で適切なのはどれか。

1: ポータブルトイレでの排泄に変更する。

2: 水分を多めに摂取するよう促す。

3: 頻繁に寝衣を交換する。

4: 入浴介助を中止する。

第103回午後:第48問

Aさん ( 56歳、男性 )は、進行結腸癌 (advanced colonic cancer)の術後に両側の多発肺転移が進行し、終末期 で在宅療養中であったが呼吸困難が増悪したため入院した。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は 95%であるが、安静時でも呼吸困難を訴え、浅い頻呼吸となっている。発熱はなく、咳嗽はあるが肺炎 (pneumonia)の併発はない。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 仰臥位を保つ。

2: 酸素投与は行わない。

3: モルヒネ塩酸塩の投与を検討する。

4: 安静を保つため訪室は最低限とする。

Aさん(65歳、女性、要支援1)は1人暮らし。慢性心不全chronic heart failureで定期的に外来受診していた。下肢の浮腫と息切れを自覚し、心不全の増悪があると診断されて入院となった。入院治療によって、両下肢に軽度の浮腫はあるが歩行による息切れは消失し、退院することになった。Aさんは退院後の生活について「近くのスーパーに歩いて買い物に行くのが楽しみですが、息切れが心配です。何に気をつけたらよいですか」と病棟看護師に話した。

第111回午後:第113問

退院後、心不全heart failureの増悪を予防する目的で訪問看護を週に1回利用することになった。Aさんは夕方に下肢の浮腫が悪化するのを気にしており、訪問看護師に助言を求めた。  訪問看護師のAさんへの助言で適切なのはどれか。

1: 「靴は大きめのサイズを選びましょう」

2: 「外出時は弾性ストッキングを履きましょう」

3: 「下肢の中枢から末梢にマッサージしましょう」

4: 「就寝時には湯たんぽを身体から2、3cm離して置きましょう」

Aさん(56歳、男性)は、コンビニエンスストアの店長で自動車を運転して通勤している。不規則な生活が続き、ストレスが溜まることも多く、十分な睡眠がとれないこともあった。荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現し受診したところ、狭心症(angina pectoris)が疑われたため検査をすることになった。脂質異常症(dyslipidemia)の既往がある。

第107回午前:第92問

検査の結果、Aさんは労作性狭心症(angina of effort)と診断され、硝酸薬、カルシウム拮抗薬および抗血小板薬を内服することになった。その後、外来通院を続け、以前と同様に負荷のかかる作業もできるようになった。内服治療から1か月後、胸部の圧迫感が強くなり、時々左上腕から前腕にかけての放散痛も出現するようになったため、経皮的冠動脈形成術〈PCI〉を受けた。カテーテルは右大腿動脈から挿入されていた。 手術中から抗凝固療法を実施している。 手術直後の観察項目として適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 乏尿の有無

2: 皮膚の黄染

3: 出血の有無

4: 両足背動脈の触知

5: 刺部位の感染徴候

第111回午前:第69問

Aさん(73歳、男性)は慢性閉塞性肺疾患chronic obstructive pulmonary diseaseで在宅酸素療法〈HOT〉を受けている。受診時にAさんが「1人でお風呂に入っているが、息切れが強い」と訴えたため、外来看護師は入浴時の具体的な状況を確認した。  外来看護師がAさんに確認した内容で、息切れの原因と考えられるのはどれか。

1: 入浴はシャワー浴にしている。

2: 椅子に座って更衣を行っている。

3: 洗髪時に鼻カニューレを外している。

4: 浴室の扉を開けたまま入浴している。

第105回午後:第44問

Aさん(43歳、男性)は、胆道狭窄のため内視鏡的逆行性胆管膵管造影<ERCP>検査を受けた。検査後に心窩部痛が出現したため、禁食、抗菌薬および蛋白分解酵素阻害薬による治療が行われている。 翌日実施した血液検査の項目でAさんに生じている合併症を判断できるのはどれか。

1: アミラーゼ

2: アルブミン

3: クレアチニン

4: クレアチンキナーゼ

第110回午前:第89問

Aさん(38歳、女性)は、大腸癌colon cancerの終末期である。癌性腹膜炎cancerous peritonitisによる症状緩和の目的で入院し、鎮痛薬の静脈内注射と高カロリー輸液が開始された。Aさんは自宅で過ごしたいと希望したため、医師と看護師で検討し、症状緩和をしながら自宅退院の方向で退院支援カンファレンスを開催することになった。  退院支援カンファレンスの参加者で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 薬剤師

2: 言語聴覚士

3: 臨床検査技師

4: 介護支援専門員

5: ソーシャルワーカー

第103回午後:第63問

A君 ( 15歳、男子 )は、病院に併設された院内学級に通いながら骨肉腫 (osteosarcoma)に対する治療を続けていた。現在、肺に転移しており終末期にある。呼吸困難があり、鼻腔カニュ−ラで酸素 ( 2 l/分 )を投与中である。 A君の食事の摂取量は徐々に減っているが、意識は清明である。 1週間後に院内で卒業式が予定されている。 A君は「卒業式は出席したい」と話している。看護師の A君への対応として最も適切なのはどれか。

1: 今の状態では出席は難しいと話す。

2: 出席できるように準備しようと話す。

3: 出席を決める前に体力をつけようと話す。

4: 卒業式の前日に出席するかどうか決めようと話す。

Aさん(16歳、女子)は、両親と弟と4人で暮らしている。中学生の頃からモデルにあこがれてダイエットを始めた。高校に入ってからは、太ることへの恐怖から食べた後に吐いたり、緩下薬を服用することも多くなった。次第にやせが顕著になり、無月経となった。Aさんの状態を心配した母親に伴われ、心療内科を受診し、医師から入院治療を勧められ、Aさんは入院した。

第101回午前:第118問

入院時、Aさんの身長は 162 cm、体重は36 kg。体温 35.0 ℃。血圧 90/60mmHg。脈拍 56/分、不整。血液検査で最も注意すべきデータはどれか。

1: 尿酸

2: 血清カリウム

3: 中性脂肪

4: HbA1c