A さん(70 歳、女性)は、夫の B さんと死別し、軽費老人ホームに入居している。A さんは「今、再婚をしたいと思う好きな人ができたのに、70 歳で再婚なんて恥ずかしいよと息子に叱られました。とても悲しいです」と話した。A さんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 「息子さんの気持ちは理解できます」
2: 「他の職員の考えを聞いてみましょう」
3: 「好きな人ができることは素敵なことですね」
4: 「亡くなった B さんのことは忘れてしまったのですか」
Aちゃん(4歳、男児)は、昨夜の土砂災害によって両親とともに小学校の体育館に避難している。母親は自分の両親の安否が不明なため眠ることができなかった。また、落ち着きがなく感情的になっている。父親はずっと毛布をかぶって横になっている。
Aちゃんの母親は自分の両親と連絡がとれた。避難所生活5日目、親子3人で過ごすことが多くなってきた。Aちゃんの活気がなくなってきている。 地域の病院から派遣された看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 両親のAちゃんへの関わりを見守る。
2: Aちゃんと災害時のことを一緒に話す。
3: Aちゃんが他の子どもと遊べる機会をつくる。
4: 災害時の様子を絵に描くようAちゃんに勧める。
Aさん(78歳、男性)は、76歳の妻と娘の3人で暮らしている。Aさんは、大腸癌(colon cancer)と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後、再発し、治療を行ったが効果がなく、在宅で緩和ケアを行うことになった。Aさんは腹部の癌性疼痛を訴え、オキシコドン塩酸塩徐放錠を1日2回内服している。Aさんは食べたいときに食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少してきている。妻は腰痛があり、娘は日中、仕事に出ている。
Aさんは退院後、訪問看護を利用することになった。 病棟看護師による家族への退院指導の内容で最も適切なのはどれか。
1: 食事摂取量を継続的に観察する。
2: ストーマを造ったので便秘の心配はない。
3: ストーマ用品は訪問看護ステーションから買う。
4: 痛みが増強したときは次回の外来受診時に伝える。
Aさん(82歳、男性)は、4年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症(dementia of Alzheimer type)の診断を受けた。要介護4で、1年前からグループホームで生活している。高血圧症(hypertension)に対して持続性カルシウム拮抗薬を内服している。他に治療を必要とする疾患は認められない。 1週前から夜はほとんど眠らず、居間のソファに腰かけたり、歩き回ったりする状態が続いている。昼間もベッドに横になることはない。食欲が低下してきたが、先月よりも体重は2kg増加している。
Aさんは症状が改善し、退院することになった。病棟看護師がグループホームの職員と家族とに指導すべき内容として最も適切なのはどれか。
1: 「深呼吸を練習させてください」
2: 「足のむくみを観察してください」
3: 「蛋白質の少ない食事にしてください」
4: 「水分を1日1,500 ml以上摂(と)らせてください」
Aさん( 50歳、女性)は、子宮頸癌(cancer of the uterine cervix)の終末期で入院し緩和ケア治療を行っている。倦怠感は強いが食事は摂れている。麻薬を使用し疼痛のコントロールはできており、ふらつきはあるがトイレ歩行はできる。医師からは余命2か月と告知されており、退院して自宅で最期を迎えたいと希望している。主な介護者となる夫は58歳で、5年前の脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で不全麻痺がある。経済的には安定している。子どもはいない。
退院後1か月。訪問看護ステーションの看護師が訪問した際、夫から「妻は痛みで苦しんでいる様子はない。トイレと食事以外は眠っていることが多く、このまま死んでしまうのでしょうか。家で看取ることができるか不安です」と相談を受けた。 夫への支援で最も適切なのはどれか。
1: 夫に頑張るよう励ます。
2: 病院に入院するよう提案する。
3: 麻薬の量を増やすことを提案する。
4: Aさんが希望する看取りの場について再度話し合う。
Aさん(35歳、女性)は、右肋骨の骨折で 2日前に整形外科病棟に入院した。上半身に多数の内出血のあとがあり、受け持ち看護師が Aさんに話を聞いた。Aさんは、夫は機嫌が悪いと暴力を振るい、時には投げ飛ばすこともあり、今回も夫に殴られて骨折したと話した。Aさんは、毎日面会に来る夫に非常におびえており「今話したことは夫には絶対に言わないでほしい。骨折の処置だけしてください」と言う。 Aさんは専業主婦で夫と 2人で暮らしており、近くに親類や知り合いはいない。
受け持ち看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 夫にも事情を確認する。
2: 夫の暴力について今後は話題にしない。
3: Aさんから夫に暴力をやめるように伝えることを勧める。
4: 病院から警察に通報する必要があることを Aさんに伝える。
Aさん(77歳、男性)は、妻(79歳)と2人暮らし。5年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症Alzheimer diseaseと診断された。現在のMMSE〈Mini-mental State Examination〉は18点。家では、食事は準備すれば自分で摂取できる。排泄は尿意や便意ともにあり、トイレで排泄できる。入浴は妻の介助でシャワー浴を行っているが、機嫌が悪いと「うるさい」と怒鳴り、介助を拒否する。Aさんはにぎやかな場所が苦手であり、また、時々1人で外に出て行ってしまい家に帰れなくなることがある。 最近、Aさんが妻の介助を激しく拒否し大声で怒鳴ることが多くなってきたため、妻は介護支援専門員に相談した。相談の結果、妻の介護負担を軽減する目的で、Aさんは通所介護を利用することになった。
通所の初日、Aさんは、初めての場所に戸惑った様子で、施設内を歩き回っている様子がみられた。妻は「夫がデイサービスに慣れるか心配です」と言って、Aさんの様子をみている。 妻への看護師の声かけで最も適切なのはどれか。
1: 「Aさんが好きなことをして過ごせるようにします」
2: 「入口のドアに鍵をかけてあるので大丈夫です」
3: 「毎回、Aさんに付き添ってください」
4: 「Aさんには1人で居てもらいます」
Aさん(66歳、男性)は妻と2人で暮らしている。Aさんは、会社を1年前に定年退職した後、ほどんど外出せず、生活が不規則になり不眠傾向になった。特定健康診査の際、Aさんは「これまで、仕事だけを一生懸命やってきた。家事はやる気にならない」と言い、一緒に来た妻は「このまま体が弱ってしまうのではないか」と言っている。 Aさんへの看護師の助言で最も適切なのはどれか。
1: 「家事を分担してはいかがですか」
2: 「疲れるまで運動していかがですか」
3: 「睡眠導入薬について医師を相談してはいかがですか」
4: 「参加できそうな趣味のグループを探していはいかがですか」
Aさん(47歳、男性)は、統合失調症(schizophrenia)で20年間精神病院に入院している。父親はすでに亡くなっており、80歳になる母親は病気がちのため、面会は年に1回程度である。Aさんは看護師の声かけに応じて、月に1回の病棟レクリエーションや週に2回の作業療法に参加している。それ以外の時間はほとんど病室のベッド上で寝て過ごしている。発病以来、薬物療法を続けており、時々飲み忘れることはあるが、ほぼ自己管理できている。病状は安定していることから、退院の話が出るようになった。
Aさんのベッド周囲の状況について同室者から看護師に苦情の訴えがあった。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: Aさんと話し合いながら整理・整頓(せいとん)を行う。
2: 同室者にAさんの病状について説明を行う。
3: Aさんの母親に連絡を取り、不要な物を持ち帰ってもらう。
4: 看護師が定期的にAさんのベッド周囲の整理・整頓(せいとん)を行う。
Aさん (85歳、男性 )は、認知症 (dementia)である。 Aさんは肺炎 (pneumonia)で入院し、病状が改善した ため、主治医は退院を許可した。 Aさんは「家に帰りたい」と繰り返し言っているが、同居していた長男夫婦は高齢者施設への入所を希望している。このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 主治医に退院後の療養場所を決定してもらう。
2: 長男夫婦に Aさんの希望を尊重するよう話す。
3: 長男夫婦に入所が可能な高齢者施設の情報を提供する。
4: 長男夫婦が Aさんの施設への入所を希望している理由を確認する。
Aちゃん( 1歳 0か月、女児)は、つかまり立ちをしようとしてテーブルの上に手をかけたところ、熱い味噌汁の入ったお椀(わん) をひっくり返して前胸部と右前腕に熱傷 (burn) を負 ったため母親とともに救急外来を受診した。来院時、 Aちゃんは、体温 36.8℃、呼吸数 36/分、心拍数 120/分、血圧 90/60 mmHgであり、機嫌が悪く泣いている。
Aちゃんは、創部の処置と経過観察のため入院した。処置室で点滴静脈内注射と創部の処置を医師 1人と看護師 2人で行うことになった。看護師が Aちゃんの母親に同席するよう促すと「かわいそうで見ていられるか不安です」と話した。母親のつらさを受け止めた後の対応で適切なのはどれか。
1: 「Aちゃんがかわいそうですよ」
2: 「Aちゃんはもっとつらいですよ」
3: 「Aちゃんが頑張る姿を見届けるべきですよ」
4: 「Aちゃんにとってお母さんが支えになりますよ」
Aさん(69歳、女性)は、主治医、訪問看護師とともに、母(91歳)を自宅で看取った。死亡確認の直後、Aさんは涙ぐみながら「母のためにもっとできることがあったのではないかと申し訳なく思います」と話した。 このときに訪問看護師が行うAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 遺族の会を紹介する。
2: 母への思いを傾聴する。
3: 遺品を整理することを勧める。
4: 新たなことに取りかかるよう促す。
Aさん(75歳、男性)は、妻(70歳)と2人暮らし。2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus)の治療中で、2年前から1日2回朝・夕食前に混合型インスリン注射が開始となった。その後、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)による視力障害が進んだため、現在は妻と一緒に単位数や針の確認をし、インスリンの自己注射を実施している。
訪問看護が導入されて2か月、Aさんの妻が健康診査後の精査目的で数日間入院することになった。Aさんは妻の入院中もできる限り自宅で過ごしたいと考えている。妻の入院中の対応について、サービス担当者会議が開かれた。この時に訪問看護師が行うAさんへの提案で優先度が高いのはどれか。
1: 通所介護を利用する。
2: 訪問介護を利用する。
3: 配食サービスを利用する。
4: 訪問看護の回数を増やす。
A君(2歳6か月、男児)。両親との3人暮らし。脳性麻痺(cerebral palsy)と診断され、自力で座位の保持と歩行はできず専用の車椅子を使用している。話しかけると相手の目を見て笑顔を見せ、喃語を話す。食事はきざみ食でスプーンを使うことができるが、こぼすことが多く介助が必要である。排泄、清潔および更衣は全介助が必要である。
A君の食事について看護師が母親に尋ねると「食べこぼしが多く、食べながらうとうとしてしまい時間がかかるし、十分な量も食べられていません」と話した。 A君の食事に関する母親への指導で最も適切なのはどれか。
1: 「経腸栄養剤の開始について医師と相談しましょう」
2: 「ホームヘルパーの依頼を検討しましょう」
3: 「食事時間を 20 分以内にしましょう」
4: 「ペースト食にしてみましょう」
Aさん(19歳、男性、大学生)は、実家近くのアパートに1人で暮らしている。ある日、線路沿いの道を裸足で歩きながら険しい表情でカッターナイフを振り回し、ぶつぶつと独り言を言い続けていたことから警察に保護された。Aさんは、警察から連絡を受けた両親とともに精神科病院を受診したが「自分は命を狙われている」、「この人たちは自分の親じゃない」と言い、医療者に対しても拒否的な態度をとっている。診察の結果、Aさんは統合失調症(schizophrenia)と診断された。Aさんの頭髪は乱れ、食事や睡眠がとれていない様子であったため、そのまま医療保護入院をすることになった。
入院後2か月が経過し、主治医からは退院の話も出始めた。Aさんは入院をきっかけに大学を休学している。Aさんの両親が「Aは学業の遅れを心配して、退院後すぐに復学したいと言っています。Aはすぐに復学できるのでしょうか」と相談してきた。 看護師の説明として適切なのはどれか。
1: 「復学の時期を大学に判断してもらいましょう」
2: 「復学できる状態になるまで退院を延期しましょう」
3: 「ご両親からAさんに焦らないよう説得してください」
4: 「まずは家庭での日常生活に慣れることから始めましょう」
入院当日にAさんの両親から情報収集する内容として、優先度が高いのはどれか。
1: Aさんの大学の出席状況
2: 両親がAさんと同居する可能性
3: Aさんの子ども時代の両親の育て方
4: Aさんの入院に対する両親の受け止め方
Aさん(89歳、女性)は、息子夫婦と3人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度判定基準A-2。腹部膨満感とふらつきを自覚したため受診したところ、原発不明の癌による多臓器への転移と腹水貯留が認められ、入院した。入院時に、医師からAさんと家族に、回復の見込みが低いことが伝えられた。看護師に、Aさんは「もう十分長生きできましたから、自然に最期を迎えたいです」と話した。 身体所見:身長148cm、体重43kg、腹囲80cm。体温36.8℃、血圧128/80mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)97%。意識レベル清明。 検査所見:Hb 6.9g/dL、総蛋白4.5g/dL、アルブミン2.9g/dL、AST(GOT)45IU/L(U/L)、AST(GOT)60IU/L(U/L)、Na 130mEq/L、K 4.2mEq/L。
1週後、Aさんは反応がなくなり、尿量の減少、血圧の低下、下顎呼吸、チアノーゼがみられるようになり、家族が病室に集まった。「最期に何かしてあげたいけれど、何ができるのかわかりません」と看護師に話した。 家族に対する看護師の対応で最も優先順位が高いのはどれか。
1: Aさんに話しかけるように勧める。
2: Aさんの全身清拭を行うように勧める。
3: Aさんの背部にクッションを入れるように勧める。
4: Aさんの好んでいた服に着がえさせるように勧める。
A さん(48 歳、専業主婦)は、夫と 2 人で暮らしている。月経周期が 35〜61 日と不規則となり、外来を受診した。診察時、A さんは「一人娘が結婚して遠方に住み、私の体調不良について話しにくく、つらいです。夫とは以前はよく一緒に出かけましたが、今は仕事で忙しく、私は家にいることが多いです」と話した。
A さんは「私はこれからどうしたらよいでしょうか。日常生活の過ごし方を教えてください」と看護師に尋ねた。看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 「外出は控えてください」
2: 「家事は今までどおり頑張りましょう」
3: 「夫と会話をする機会を増やしましょう」
4: 「娘さんに週に 1 回遊びに来てもらいましょう」
Aさん(79歳、男性)は、1人暮らし。要介護2の認定を受け、訪問看護を利用することになった。初回の訪問時、Aさんは敷いたままの布団の上に座っており「便利だから生活に必要なものを手の届くところに置いているんだよ」と話した。 Aさんの生活様式を尊重した訪問看護師のこのときの声かけで適切なのはどれか。
1: 「外に出て気分転換しませんか」
2: 「昼間は布団をたたみましょう」
3: 「介護保険でベッドの貸与を受けましょう」
4: 「必要なものを身近に置いているのですね」
A 君( 8 歳、男児)は、携帯型電子ゲームやサッカーが好きである。A 君は宿題をしているときに、突然意識を失い、10 数秒持続する四肢の屈曲を伴うけいれんを起こした。その後、全身の筋肉の収縮と弛緩を繰り返すけいれんが 10 秒程度続き、A 君の呼吸は停止しチアノーゼが認められた。けいれんが終了し呼吸は回復したが、意識障害が持続していたため病院に救急搬送された。
入院後 1 週。A 君は同じ病室に入院している他の患児と話したり、漫画を読んだりしてベッド上で過ごしている。入院後は抗てんかん薬を服用し、発作はみられていない。このときの A 君への指導内容で最も適切なのはどれか。
1: 1 人で入浴する。
2: 病棟の外を散歩する。
3: 好きな携帯型電子ゲームで遊ぶ。
4: 病棟レクリエーションへ参加する。