Aちゃん(4歳、男児)は、昨夜の土砂災害によって両親とともに小学校の体育館に避難している。母親は自分の両親の安否が不明なため眠ることができなかった。また、落ち着きがなく感情的になっている。父親はずっと毛布をかぶって横になっている。
避難から3週後、Aちゃん家族は仮設住宅に移動が決定し、両親は忙しくしている。Aちゃんは1人で過ごすことが多く、絵本を持ってぼんやりとしていることが多い。母親からAちゃんの様子がいつもと違うと看護師に相談があった。 母親への対応で最も適切なのはどれか。
1: 引っ越しすることを説明するよう促す。
2: スキンシップの時間を増やすように促す。
3: すぐに専門医の外来を受診するよう促す。
4: 子どもの反応は母親の関わりが原因だと話す。
Aさん(55歳、女性)は、夫と2人で暮らしている。進行性の多発性硬化症(multiple sclerosis)で在宅療養をしている。脊髄系の症状が主で、両下肢の麻痺、膀胱直腸障害および尿閉がある。最近は座位の保持が難しく、疲れやすくなってきている。排尿はセルフカテーテルを使用してAさんが自己導尿を行い、排便は訪問看護師が浣腸を行っている。夫は仕事のため日中は不在である。 Aさんの身体状態に合わせた療養生活で適切なのはどれか。
1: 入浴はシャワー浴とする。
2: 介助型の車椅子を利用する。
3: ベッドの高さは最低の位置で固定する。
4: セルフカテーテルはトイレに保管する。
Aさん(85歳、男性)は、 5年前に脳梗塞 (cerebral infarction) を発症し右片麻痺があり、要介護 3の認定 を受けた。Aさんの子どもは遠方に住んでおり、腰痛のある Aさんの妻(80歳)が 1 人で介護している。Aさんは、週 2日通所介護を利用している。
Aさんに優先されるサービスはどれか。
1: 訪問入浴介護
2: 夜間対応型訪問介護
3: 特定施設入居者生活介護
4: 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム
Aさん(80歳、女性)は、脳血管性認知症(cerebrovascular dementia)、Mini-Mental State Examination〈MMSE〉18点で施設に入所している。看護師が「お風呂に入りますよ」と声をかけると、Aさんは「男の人は入っていないか」と尋ねる。看護師が「男の人はいませんよ」と説明するが、Aさんは「本当にいないのか」と繰り返し、なかなか納得しない。 Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 「男の人はいないから行きましょう」
2: 「お風呂に入ったら気持ちよくなりますよ」
3: 「遅くなるとお風呂に入れなくなりますよ」
4: 「男の人がいないことを一緒に確認してみましょうか」
Aさん(29歳、女性)は、20歳で短期大学を卒業するのと同時に就職したが「会社に行きたくない」と言い出して、 2か月で仕事を辞めた。その後は、自宅で何もせずに過ごしていた。昼夜逆転の生活が長く続いたが、ある日、夜遅く帰宅した父親と就職のことで激しい口論となった。それ以来、昼も夜も起きていて、食事も摂(と)らずに自室に引きこもり、ぶつぶつと独り言を言ったり、笑ったりするようになった。心配した母親に伴われて受診し、統合失調症(schizophrenia)と診断された。
Aさんの表情は険しく、常に周囲を警戒している。医師が入院を勧めたが、Aさんは興奮し、母親にしがみつきながら「入院はいや。家に連れて帰って」と泣き叫んだ。さらに、診察室のドアの方に走って逃げようとしたため、看護師が制止しようとすると、Aさんはその看護師を突き飛ばした。 この看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 大きな声で話しかける。
2: 入院を拒否する理由を尋ねる。
3: 母親に入院の説得を依頼する。
4: 看護師と患者の身体の損傷に注意する。
5: 患者と2人きりで話すことができる場所に移動する。
Aさん(76歳、女性)は1人暮らし。脳血管疾患cerebrovascular diseaseで右半身麻痺があり、障害高齢者の日常生活自立度判定基準はB-2である。週に2回の訪問看護を利用している。食事の準備と介助および食後の口腔ケアのため訪問介護を利用することになった。訪問介護の担当者は、Aさんのケアについて訪間看護師に助言を求めた。 訪問看護師が訪問介護の担当者に助言する内容で正しいのはどれか。
1: 健側に頸部を回旋させ食事の介助をする。
2: 野菜は繊維に対し垂直に切って調理する。
3: 歯肉出血がみられたら口腔ケアは中止する。
4: 食事中はA さんの好きなテレビ番組を見せる。
A君(6歳、男児)は、父母と姉との4人で暮らしている。3歳児健康診査で運動機能の発達の遅延を指摘され、5歳のときに Duchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy)の確定診断を受けた。現在は、床からの立ち上がり動作に介助が必要である。見守りが必要ではあるが、室内の歩行は自立している。在宅支援サービスは利用していない。A君の外来受診時に母親から「最近、Aの世話をしていると、8歳の姉が私にしがみついて離れないので困ります」と看護師に相談があった。 このときの看護師の対応で最も優先されるのはどれか。
1: 姉の小学校の養護教諭に家庭訪問を依頼する。
2: 姉にA君の歩行の見守りをさせるよう勧める。
3: 短期入所を利用して父母と姉とで旅行するよう勧める。
4: 居宅介護を利用して母が姉と関わる時間を確保することを提案する。
Aさん(23歳、女性)は、大学受験に失敗して以来、自宅に引きこもりがちになった。母親は、Aさんについて「中学時代までは成績優秀で、手のかからない、おとなしい子どもだった」と言っている。両親と妹との4人で暮らしている。1年前から手洗いを繰り返すようになり、最近では夜中も起き出して手を洗い、手の皮がむけてもやめなくなった。心配した母親が付き添って受診したところ、強迫性障害(obsessive-compulsive disorder)と診断された。Aさんには極度に疲労している様子がみられたことから、本人の同意を得て、その日のうちに任意入院となった。
Aさんは、食事の時間以外は他の患者との接触を避け、病室で1人で過ごしている。妹が大学受験を控えていることもあり、母親は毎日面会に来ることはできない。母親が来ない日には、Aさんは自宅に面会の催促の電話をかけては口論している。Aさんとの関わりに心身ともに疲れ果てた母親が看護師に相談してきた。 母親への対応として適切なのはどれか。
1: 毎日の面会を勧める。
2: Aさんの苦悩を代弁する。
3: Aさんからの自宅への電話を制限することを約束する。
4: 看護師が同席してAさんと母親とが話し合うことを提案する。
96歳の女性。要支援2の認定を受け、介護予防通所介護を利用している。 援助として適切なのはどれか。
1: 入浴は特殊浴槽を使用する。
2: 排泄時には援助者が下着を脱がせる。
3: 椅子に座るときには安全ベルトを使用する。
4: 運動を取り入れたレクリエーションへの参加を促す。
Aさん(29歳、女性)は、20歳で短期大学を卒業するのと同時に就職したが「会社に行きたくない」と言い出して、 2か月で仕事を辞めた。その後は、自宅で何もせずに過ごしていた。昼夜逆転の生活が長く続いたが、ある日、夜遅く帰宅した父親と就職のことで激しい口論となった。それ以来、昼も夜も起きていて、食事も摂(と)らずに自室に引きこもり、ぶつぶつと独り言を言ったり、笑ったりするようになった。心配した母親に伴われて受診し、統合失調症(schizophrenia)と診断された。
退院支援グループに参加し始めてから1か月が経過し、Aさんはグループの他の参加メンバーとも打ち解けて話をするようになった。5回目の参加で、Aさんは「父親は、私の苦しさを分かってくれない。退院しても、また言い争いになりそう」と話した。 グループに参加しているAさんの担当看護師の対応で、適切なのはどれか。2つ選べ。
1: Aさんの気持ちを積極的に代弁する。
2: 終了後、Aさんに反省点を報告してもらう。
3: Aさんの話がテーマとずれないよう介入する。
4: Aさんに父親とのやり取りのロールプレイを提案する。
5: Aさんが自分の悩みを表現したことは意義があると話す。
Aさん (32歳、男性、会社員 )は、 2年前にうつ病 (depression)による入院歴がある。 Aさんは仕事中に「新しい営業戦略を考えついた」と上司に大声でまとまりのない話を続け、止めようとすると激怒するようになった。会社から連絡を受けたAさんの両親に付き添われて精神科を受診したところ、 Aさんは双極性障害 (bipolar disorder)と診断され入院した。
Aさんは常に動き回り、次々と他の患者に一方的に話しかけている。看護師が止めようとすると、 Aさんは「自分は営業職なんだから、人と話すのは得意なんだ。邪魔しないでほしい」と強い語調で言い返してくる。看護師の対応で優先されるのはどれか。
1: 家族に付き添いを依頼する。
2: Aさんを静かな場所へ誘導する。
3: Aさんに病気に関する説明をする。
4: 納得できるまで看護師に話すよう促す。
Aちゃん(5歳、男児)は、両親と2歳の妹と4人で暮らしている。Aちゃんは、1歳のときにてんかん(epilepsy)と診断され、抗てんかん薬を服用していた。数日前から、失禁を伴う意識消失発作がみられるようになったため、検査と治療の目的で入院した。母親によると、抗てんかん薬を飲ませるのを忘れてしまうことがあったという。Aちゃんは、幼稚園に通っており、外で遊んだり絵本を見たりすることが好きである。知的発達の遅れはみられない。
てんかん発作がみられなくなり、Aちゃんは退院することになった。退院後の内服について、母親は「指導を受けて忘れない工夫はしているのですが、 2歳の妹の世話が大変で、つい忘れてしまうのではないかと不安です」と言う。看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 服薬を忘れたときは、次の服薬時に倍量を飲ませるよう指導する。
2: 母親の育児・家事の負担を減らす方法について話し合う。
3: 服薬管理はAちゃん自身に任せるよう指導する。
4: 入院期間の延長を提案する。
Aさん(85歳、男性)は、 5年前に脳梗塞 (cerebral infarction) を発症し右片麻痺があり、要介護 3の認定 を受けた。Aさんの子どもは遠方に住んでおり、腰痛のある Aさんの妻(80歳)が 1 人で介護している。Aさんは、週 2日通所介護を利用している。
Aさんの妻は「夜中にオムツを替えるために毎日起こされ、腹が立ちます」と通所 介護の送り迎えを担当している看護師に訴えた。 最初に Aさんの妻へ話しかける言葉で適切なのはどれか。
1: 「主治医に相談しましょう」
2: 「これまで通り頑張りましょう」
3: 「夜眠れないと本当に大変ですね」
4: 「Aさんはもっとつらいと思いますよ」
Aさん(42歳、男性)は、統合失調症(schizophrenia)で入院中だが、3ヶ月の治療で症状が改善したため、退院することになった。Aさんは、統合失調症(schizophrenia)で数回の入院経験があるが、前回の退院後に拒薬がみられたため、今回は2週間に1回の訪問看護が計画されている。Aさんはアパートで1人で暮らしている。身体的な疾患はない。
退院後、看護師がAさんを訪ねると、Aさんは耳栓をしていた。アパートは静かな住宅地にあり、看護師には特に騒音は聞こえない。看護師が「どうしましたか」と尋ねると、Aさんは「大勢の人が大声でしゃべるからうるさくてしょうがないんだよ」と言う。 看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 「本当にうるさいですね」
2: 「お薬は飲んでいますか」
3: 「そんな声は気のせいですよ」
4: 「苦情をいったらどうですか」
5: 「どんなことが聞こえますか」
入所者または居住者が公的保険による訪問看護サービスを受けることができるのはどれか。2つ選べ。
1: 乳児院
2: 介護老人保健施設
3: 高齢者専用賃貸住宅
4: 介護療養型医療施設
5: 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
在宅療養者に初回訪問を行う際の訪問看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 療養者と契約書を取り交わす。
2: 緊急時の連絡方法を確認する。
3: 初回訪問前の情報収集は行わない。
4: 病院で指導された介護方法は変更しない。
5: 初回訪問日は療養者に医療的な問題が起きてから決める。
Aさん ( 40歳、男性 )は、大学 1年生のときに統合失調症 (schizophrenia)を発症し、精神科病院に 20年入院している。今回、退院して両親と同居することになった。入院中は定期的に作業療法に参加しており、日常生活は自立している。服薬は自己管理となっているが、時々飲み忘れることがある。
Aさんは 1週間後に退院する予定だが「退院したら薬を飲むのはやめようかな」と看護師に話すことがある。時々幻聴に関して訴えがあり、睡眠が不規則になる。退院後 Aさんが利用するサービスで最も適切なのはどれか。
1: 訪問介護
2: 精神科作業療法
3: 精神科訪問看護
4: 訪問リハビリテーション
退院後 3か月、 Aさんは処方どおりに服薬している。 Aさんの母親から「退院してからずっと 1日中家の中で何もせず過ごしています。夫は本人に働くよう言っています」と看護師に相談があった。母親への対応として最も適切なのはどれか。
1: 「もう一度入院を考えてみますか」
2: 「アルバイトを探してはいかがですか」
3: 「Aさんはどう考えているようですか」
4: 「お薬の調整を主治医に相談してみましょうか」
Aさん(78歳)は、妻(76歳)と2人で暮らしている。糖尿病(diabetes mellitus)と診断されている。認知症(dementia)ではない。主治医の指示で、インスリン自己注射を指導するために訪問看護が導入された。Aさんは「針が怖いから、看護師さんが注射をしてください」と言う。 Aさんへの訪問看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 「針は細いので怖くないです」
2: 「一緒に少しずつやっていきましょう」
3: 「注射ができないと家での療養は難しくなります」
4: 「そうですね。Aさんも奥さんもしなくていいです」
Aさん(37歳、男性)は妻(40歳、会社員)と2人暮らし。筋強直性ジストロフィーmyotonic dystrophyで週5回の訪問介護を利用していた。1か月前に傾眠傾向が著明となり入院して精査した結果、睡眠時無呼吸に対して夜間のみフェイスマスクを用いた非侵襲的陽圧換気療法が導入された。Aさんは四肢遠位筋に筋萎縮と筋力低下があるが、室内の移動は電動車椅子を操作して自力で行え、食事も準備すれば妻と同じものを摂取できる。退院後、週1回午後に訪問看護が導入されることになった。
退院前カンファレンスで、訪問介護の担当者から、これまでと同様に退院後も昼食の準備と後始末、口腔ケア、入浴介助を行う予定と発言があった。訪問看護師は訪問介護の担当者に、Aさんの状態の変化に気付いたら連絡がほしいと協力を求めた。 訪問介護の担当者に説明するAさんの状態の変化で、特に注意が必要なのはどれか。
1: 傾眠傾向
2: 眼の充血
3: 口腔内の乾燥
4: 食事摂取量の低下