第104回午前第117問の類似問題

第108回午前:第57問

Aさん(90歳、男性)は、脳梗塞(cerebral infarction)による軽度の左半身麻痺がある。要介護2。最近、娘(65歳)とその家族と同居を始めた。Aさんの受診に付き添ってきた娘が看護師に「同居を始めてから疲れます」と話した。 この時の娘に対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 心療内科の受診を勧める。

2: 娘の幼少期の親子関係を聞く。

3: Aさんの介護老人保健施設への入所を勧める。

4: 同居後に家族の生活がどのように変化したかを聞く。

Aさん(55歳、女性)は、昨年10月に腹痛と腹部膨満のため受診し、膵癌(pancreatic cancer)、腹膜播種と診断された。手術の適応はなく、化学療法を受けていた。今回、腹水貯留があり経口摂取量も減少したため入院した。排泄は自立しているが、臥床していることが多い。事務職員をしていたが、現在は休職中である。夫とは離婚し25歳の長女と2人で暮らしている。23歳の長男は結婚し、遠方で暮らしている。今回の入院時から積極的治療が困難であることは、Aさんと長女へ医師から説明され、Aさんは自宅での療養を希望している。長女は就労しているため、あまり来院していない。

第102回午後:第100問

退院調整看護師から、訪問看護ステーションにAさんの情報提供と訪問看護の依頼が入った。 訪問看護師は、在宅療養ができるかを確認するため来院した。訪問看護師が、Aさんと会う前に退院調整看護師に確認すべき情報で優先度が高いのはどれか。

1: 自宅環境

2: 治療経過

3: 食事の摂取状況

4: 長女の在宅療養への意向

Aくん(12歳、男子)は、5歳で気管支喘息(bronchial asthma)と診断され、抗アレルギー薬の服用と副腎皮質ステロイドの吸入をしている。アレルゲンはハウスダストである。Aくんは小学3年生までは、年に数回の中発作を起こし入院治療をしていた。その後は、月に1回の外来通院で症状はコントロールされ、入院することはなかった。小学6年生の冬に学校で中発作を起こし、学校に迎えに来た母親とともに救急外来を受診した。

第100回午後:第108問

Aくんの帰宅に際しての看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 毎日の食事内容を記録するように伝える。

2: 治療の経過を学校に報告しておくと伝える。

3: 発作が学校で起こった要因について話し合う。

4: 薬を飲み忘れないよう母親に管理してもらうことを勧める。

第111回午前:第60問

A君(小学6年生)は病院に併設された院内学級に通いながら骨肉腫osteosarcomaの治療を続けていた。現在、肺転移があり終末期にある。呼吸障害のため鼻腔カニューレで酸素(2L/分)を吸入中である。A君の食事摂取量は減っているが意識は清明である。1週後に院内で卒業式が予定されている。A君は「卒業式に出席したい」と話している。  看護師のA君への対応として適切なのはどれか。

1: 両親に判断してもらおうと話す。

2: 今の状態では出席は難しいと話す。

3: 出席できるように準備しようと話す。

4: 出席を決める前に体力をつけようと話す。

第103回午前:第74問

Aさん(70歳、男性)は、肺癌 (lung cancer) で骨転移がある。現在、Aさんは入院中であるが、 積極的な治療は望まず「家で静かに暮らしたい」と在宅療養を希望し、 24時間体制の訪問看護を利用する予定である。介護者である Aさんの妻と長男夫婦は「不安はあるが本人の希望をかなえたい」と話している。退院前に、訪問看護師が行う Aさんの家族への支援で優先度が高いのはどれか。

1: 訪問介護の利用を勧める。

2: 家族全員の看取りの意思確認をする。

3: 退院後の処置を習得するよう指導する。

4: 相談にいつでも対応することを伝える。

Aちゃん(8歳、女児)は、両親と妹(3歳)の4人家族である。2歳時に気管支喘息(bronchial asthma)と診断された。5歳までは喘息発作のため救急外来を受診することも多く年に1回は入院していた。6歳から発作を起こすこともなくなり、定期受診はしなくなっていた。アレルゲンは、ダニとハウスダストである。

第108回午後:第102問

気管支喘息(bronchial asthma)による発作は軽快して点滴静脈内注射が中止された。咳嗽が軽度あるが全身状態は良好であるため、退院が決定した。Aちゃんに学校での生活状況を確認すると「最近、喘息発作はなかったけど、体育の時は咳が出たり苦しくなったりすることが時々あった」と話した。そのため、Aちゃんと母親に、退院後も抗アレルギー薬の内服と副腎皮質ステロイド薬の吸入を続けるように医師から説明された。 看護師のAちゃんに対する退院後の指導で適切なのはどれか。

1: 「咳が出なくても体育の授業は見学しましょう」

2: 「学校で咳が続くときは先生に伝えましょう」

3: 「咳が出なくなったら薬はやめましょう」

4: 「部屋の空気の入れ替えはやめましょう」

Aさん(19歳、男性)は、幼い頃から忘れ物や遅刻が多く、落ち着いて授業を受けることが難しかった。学校からは精神科の受診を勧められていたが、受診することなく高校まで卒業した。卒業後は事務職として働きはじめたが、仕事上のトラブルで上司や同僚から叱責を受けたことをきっかけに、仕事を無断で休むことが多くなった。産業医から精神科外来を紹介され、両親とともに受診した。本人の診察と両親からの生育歴の聴取が行われ、注意欠如・多動性障害attention-deficit/hyperactivity disorder〈ADHD〉と診断された。

第110回午前:第113問

診察後、Aさんの両親は「親としてどうしたら良かったのでしょうか、私たちの育て方に問題があったのでしょうか」と外来看護師に話した。  このときのAさんの両親への対応として適切なのはどれか。

1: 「Aさんは育てにくいお子さんでしたね」

2: 「職場の環境が悪かったことが原因です」

3: 「ご両親の育て方が原因ではないと思いますよ」

4: 「もっと早くAさんの問題に気が付けばよかったですね」

Aさん(79歳、女性)。自宅の玄関で転倒し、救急外来で第12胸椎の圧迫骨折(compression fracture)と診断され、安静目的で入院した。 既往歴 : 5年前に大腿骨骨折(femoral fracture)。 現病歴 : 2年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病(Alzheimer disease)を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。 生活歴 : 要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。

第106回午後:第94問

入院当日、Aさんは看護師に「ここはどこですか」と同じ質問を繰り返している。 このときの看護で最も適切なのはどれか。

1: 体幹を抑制する。

2: 家族に夜間の付き添いを依頼する。

3: ナースステーションにベッドを移動する。

4: 骨折で入院していることを繰り返し伝える。

Aさん(22歳、女性 会社員)は、昼食後、自室に大量のお菓子とお酒を持ち込み、食べて飲んでいたところを母親に注意をされたことに腹を立て、母親の目の前でリストカットを始めた。慌てた母親は、父親とともにAさんを連れて救急外来に来院した。医師が傷の処置をしようとすると「死んでやる。触るな」と大声で騒ぎ暴れ始めたため、精神科病棟に緊急入院となった。

第109回午後:第111問

入院後3週、Aさんの精神状態は落ち着き、職場に早く戻りたいと意欲があったため、退院に向けての準備をすることになった。自傷行為は、入院前の1回のみだった。Aさんは「また過食をしないか心配だ」と看護師に訴えた。そのため主治医はAさんと話し合い認知行動療法が開始となった。Aさんの退院に向けて、医師、看護師のチームと連携するメンバーで最も適切なのはどれか。

1: 栄養士

2: 薬剤師

3: 臨床心理士

4: ゲートキーパー

5: 精神保健福祉相談員

Aさん(23歳、女性)。両親との3人暮らし。Aさんは大学受験に失敗して以来、自宅に引きこもりがちになった。1年前から手洗いを繰り返すようになり、最近では夜中も起き出して手を洗い、手の皮膚が荒れてもやめなくなった。心配した母親が付き添って受診したところ、Aさんは強迫性障害(obsessive-compulsive disorder)と診断された。母親は、Aさんについて「中学生までは成績優秀で、おとなしい子どもだった」と言う。Aさんには極度に疲労している様子がみられたことから、その日のうちに任意入院となった。

第107回午後:第111問

入院1か月後、手洗い行為は軽減してきた。Aさんはカーテンを閉め切って1人で過ごしていることが多いが、担当看護師や主治医とは治療についての話ができるようになってきた。Aさんは「薬を飲む以外にできることはありますか」と聞いてきた。 このときのAさんに最も有効と考えられるのはどれか。

1: 催眠療法

2: 作業療法

3: 認知行動療法

4: 就労移行支援

第107回午後:第110問

Aさんは、食事の時間以外は他の患者との接触を避け、病室で1人で過ごしている。両親は共働きで、毎日面会に来ることはできない。Aさんは自宅に面会の催促の電話をかけては母親と口論している。Aさんとの関わりに心身ともに疲れ果てた母親が、看護師に相談してきた。 母親への看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 父親と交代で毎日面会に来るよう勧める。

2: Aさんからの自宅への連絡を制限することを約束する。

3: Aさんの代わりに看護師がAさんの苦悩を母親に伝える。

4: Aさんと母親との話し合いに看護師が同席することを提案する。

Aさん(74歳、女性)は、右肺尖部癌(apical lung cancer)と診断され、外科的治療は困難で、外来で抗癌化学療法を実施していた。半年後、胸壁への浸潤が進行したため、抗癌化学療法目的で入院した。Aさんは5年前に夫を亡くしてからは1人暮らしをしており、入院前は、近所に住むAさんの娘が毎日訪問していた。

第101回午前:第95問

Aさんは抗癌化学療法を開始したが、副作用が強かったため、「治療をやめて家で過ごしたい」と希望し、退院した。退院後3日、訪問看護が開始された。 訪問看護師が今後注意すべきAさんの症状はどれか。

1: 構音障害

2: 聴力の低下

3: 片麻痺の出現

4: 上肢の強い痛み

Aさん(24歳、初産婦、会社員)は、現在、両親と妹の4人で暮らしている。パートナー(24歳、会社員)と結婚する予定である。Aさんは、妊娠8週の妊婦健康診査で「朝起きると気持ちが悪くあまり食べられません。台所から食べ物の匂いがするだけで吐き気がします」と話している。

第106回午後:第102問

Aさんは、妊娠23週に結婚し、パートナーの家に転居した。翌週の妊婦健康診査で、Aさんは「最近は、結婚や引っ越しで忙しかったです。これから新しい環境に慣れていきたいと思っています」と話した。妊娠経過は順調である。 このときに看護師がAさんに対して説明する内容で優先度が高いのはどれか。

1: 保育所の選択

2: 乳房の手入れ

3: 側臥位での睡眠

4: 妊婦健康診査の受診頻度

Aさん(54歳、女性)は、10年前に2型糖尿病(type2 diabetes mellitus)と診断され、外来受診を続けていた。今回血糖コントロールが不良となり、精密検査とインスリン治療を検討するために入院した。身長154cm、体重45kg、HbA1c9.0%。早朝空腹時血糖値178mg/dl、食事摂取の指示エネルギー量は1,400kcal/日である。

第102回午後:第94問

入院初日。Aさんは看護師に「10年間頑張っていたつもりだったけど、やっぱり食べ過ぎていたのね」と話す。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 「もう少し頑張れるとよかったですね」

2: 「食品交換表の使い方を勉強しましょう」

3: 「食べ過ぎていたかどうか一緒に確かめてみませんか」

4: 「退院後はインスリンを使わなくてすむよう頑張りましょう」

第111回午前:第67問

Aさん(22歳、統合失調症schizophrenia)は父親、母親、妹との4人暮らし。高校卒業後、アルバイトをしていたが、症状の悪化によって初めて精神科病院に入院した。退院後に一般企業で働きたいと希望している。  看護師がAさんに提案するサービスで適切なのはどれか。

1: 行動援護

2: 就労移行支援

3: 自立生活援助

4: 地域定着支援

A さん(52 歳、女性、専業主婦)は、夫と 2 人の息子との 4 人で暮らしている。A さんは内向的な性格であり、順番にまわってきた町内会の役員を引き受けたことで悩むことが多くなった。 2 か月前から食欲不振と不眠が続いている。 1 か月前から家事ができなくなり、死んでしまいたいと言い始めたため、夫が付き添って精神科を受診したところ、うつ病 (depression) と診断された。

第104回午後:第110問

入院後 1 か月。A さんは「私は役に立たない人間です。昔から妻や母親としての役割を果たせていませんでした」と発言している。食事は 3 分の 2 を摂取できるようになり、夜間も眠れていることから、主治医は認知療法への参加を勧めた。この時点の認知療法で修正するのはどれか。

1: 内向的な性格

2: 低下した意欲

3: A さんと息子との親子関係

4: 自分は役に立たない人間だという考え方

第108回午後:第64問

Aさん(60歳、女性)は、統合失調症(schizophrenia)で10年間入院していた。来月退院予定となったため、Aさん、医師、看護師でチームを作り、退院支援計画を立てることになった。Aさんは「両親も亡くなってしまい、これからの生活費や住む場所がとても心配だ」と訴えてきた。 退院支援を進めるにあたり、チームに加わるメンバーで最も適切なのはどれか。

1: 薬剤師

2: 精神保健福祉士

3: ピアサポーター

4: 臨床心理技術者(臨床心理士・公認心理師 等)

Aさん(29歳、女性)は、20歳で短期大学を卒業するのと同時に就職したが「会社に行きたくない」と言い出して、 2か月で仕事を辞めた。その後は、自宅で何もせずに過ごしていた。昼夜逆転の生活が長く続いたが、ある日、夜遅く帰宅した父親と就職のことで激しい口論となった。それ以来、昼も夜も起きていて、食事も摂(と)らずに自室に引きこもり、ぶつぶつと独り言を言ったり、笑ったりするようになった。心配した母親に伴われて受診し、統合失調症(schizophrenia)と診断された。

第101回午後:第116問

入院後1か月が経過し、Aさんは看護師に時々笑顔を見せるようになってきた。Aさんは「毎日が退屈」、「早く退院したい」と言うようになった。Aさんを交えたカンファレンスで、病棟で週1回行われている退院支援グループへの参加を検討した。このグループでは、対人関係や社会生活を営むのに必要なスキルの学習が行われている。 Aさんのグループ参加の目的として、最も優先度が高いのはどれか。

1: 生活リズムを整える。

2: 興奮が抑えられるようになる。

3: 退院後の日中の過ごし方を考える。

4: 他の参加者から問題点の指摘を受ける。

Aさん(19歳、男性、専門学校生)は、1人暮らし。「皆が自分を嫌っている」と言い、昨年から学校を休学し、アパートに引きこもるようになった。先週、夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人が両親へ連絡をした。連絡の翌日、Aさんの両親が訪ねてみると、Aさんは「隣の人に嫌がらせを受けている。助けてくれ」と叫び続けたため、両親とともに精神科病院へ行き、その日のうちに任意入院となった。Aさんは統合失調症(schizophrenia)と診断され、抗精神病薬による治療が開始された。

第108回午後:第109問

Aさんは、入院後10日から日中に臥床するようになった。夜間は熟睡している。食事の時間に食堂に遅れてくることが多い。看護師と会話をするようになったが、他の入院患者への被害妄想がある。 この時期の看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 食事介助をする。

2: 一緒に院内を散歩する。

3: 他の入院患者との交流を促す。

4: 日中に臥床しているときは声かけを控える。

Aさん(32歳、男性)。自宅の部屋で多量の鎮咳薬を見つけた母親に心配され、自宅近くの病院を受診した。「5年前、仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らないことがあった。そのときに処方された咳止めの薬を飲むと、頭がボーッとして気持ちが良かったのがきっかけで、近所の薬局で咳止めを買うようになった。3年前から飲む量が増えるようになり、やめられなくなっている。仕事もうまくいかなくなり、退職した」と言う。Aさんは紹介を受けた精神科を受診した。

第107回午後:第107問

Aさんは鎮咳薬による薬物依存症と診断され、任意入院となった。入院2週後、Aさん、主治医および担当看護師で、今後の治療について話し合った。Aさんは「今までは自分の力で薬をやめられると思ったけれど、やっぱりできなかった。仕事もしていないし、家に帰ったらまた薬を買ってしまいそうだ。今度こそ何とかやめたい」と話している。 Aさんへの対応として最も適切なのはどれか。

1: 服薬心理教育を実施する。

2: ハローワークを紹介する。

3: 生活技能訓練〈SST〉を勧める。

4: 薬物依存症者のリハビリテーション施設の情報を提供する。