Aさん(30歳、初産婦)は、正常分娩で児を出産した。第2度会陰裂傷を認め、会陰縫合術を受けた。分娩時間後に、分娩室から褥室へ帰室した。産褥1日のAさんのバイタルサインは、体温36.8 ℃、脈拍72/分、血圧118/70mmHgであった。子宮底は臍下1横指で、子宮は硬く触れ、血性悪露中等量、後陣痛がみられる。会陰縫合部の痛みはあるが発赤はない。乳房緊満(-)、乳管開口数は左右とも4、5本。「昨夜は興奮してなかなか眠れなかった」と言う。
産褥4日。母子ともに出産後の経過は順調である。看護師が、Aさんへ退院に向けて育児に関する話をしていたところ「赤ちゃんの顔や胸が赤くなっているのが気になっています」と相談してきた。看護師が新生児の皮膚を観察したところ、児の顔面と胸部に中毒性紅斑が数個散在していた。この時のAさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 紅斑を乾燥させるよう説明する。
2: 紅斑をガーゼでよく洗うよう説明する。
3: 自然に消失するため心配はないと説明する。
4: 抗菌薬の軟膏の処方について医師に相談すると伝える。
Aさん(37歳、男性)は妻(40歳、会社員)と2人暮らし。筋強直性ジストロフィーmyotonic dystrophyで週5回の訪問介護を利用していた。1か月前に傾眠傾向が著明となり入院して精査した結果、睡眠時無呼吸に対して夜間のみフェイスマスクを用いた非侵襲的陽圧換気療法が導入された。Aさんは四肢遠位筋に筋萎縮と筋力低下があるが、室内の移動は電動車椅子を操作して自力で行え、食事も準備すれば妻と同じものを摂取できる。退院後、週1回午後に訪問看護が導入されることになった。
退院後1週、訪問看護師はAさんの鼻根部の皮膚に発赤があることに気付いた。 訪問看護師の妻への対応で適切なのはどれか。
1: 「鼻マスクに変更しましょう」
2: 「発赤部位は洗わないようにしましょう」
3: 「人工呼吸器の装着時間は短くしましょう」
4: 「フェイスマスクのベルトは指が2 本入る程度に固定しましょう」
Aさん(64歳、男性)は肺炎pneumoniaのため抗菌薬の投与目的で入院となった。治療開始後3日に全身の皮膚、眼瞼結膜および口腔粘膜に紅斑と水疱が出現した。バイタルサインは、体温38.5℃、呼吸数24/分、脈拍80/分、血圧124/80mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%(room air)であった。 Aさんに出現している症状から考えられる病態はどれか。
1: 後天性表皮水疱症acquired epidermolysis bullosa
2: Sjögren〈シェーグレン〉症候群Sjögren’s syndrome
3: 全身性エリテマトーデスsystemic lupus erythematosus
4: Stevens-Johnson〈スティーブンス・ジョンソン〉症候群Stevens-Johnson syndrome
水痘(varicella)の症状はどれか。
1: 耳下腺の腫脹
2: 両頰部のびまん性紅斑
3: 水疱へと進行する紅斑
4: 解熱前後の斑状丘疹性発疹
33歳の女性のAさんが、上口唇の水疱と痛みとを主訴に来院した。数年前から年に1、2回、同様の症状を繰り返している。上口唇の写真を示す。 看護師がAさんに行う説明で適切なのはどれか。
1: 歯磨きは控える。
2: 他の身体部位には生じない。
3: ストレスが発症の誘因になる。
4: 他者への感染の危険性はない。