第103回午後第117問の類似問題

Aさん(73歳、女性)は、動悸の精密検査の目的で入院した。心電図や血液検査などで異常所見はなかったが、Aさんは全身倦怠感、食欲不振、腰痛、便秘などを訴え続け、薬物療法を行っているが症状は改善していないという。日中はぼんやりと過ごしており「心臓がドキドキして、ハッと朝早く目が覚め、死ぬんじゃないかと思い、その後眠れなくなる」と言う。

第100回午前:第107問

Aさんは、夜、寝る前に「入院しているのに治らない。こんなはずではなかった。ここにいても仕方がない」と看護師に訴えた。 このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 「薬が効くまでの我慢ですよ」

2: 「治っているように見えますよ」

3: 「治らないと感じるのはつらいですね」

4: 「治っていないことを医師に相談しますか」

Aさん(79歳、女性)。自宅の玄関で転倒し、救急外来で第12胸椎の圧迫骨折(compression fracture)と診断され、安静目的で入院した。 既往歴 : 5年前に大腿骨骨折(femoral fracture)。 現病歴 : 2年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病(Alzheimer disease)を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。 生活歴 : 要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。

第106回午後:第94問

入院当日、Aさんは看護師に「ここはどこですか」と同じ質問を繰り返している。 このときの看護で最も適切なのはどれか。

1: 体幹を抑制する。

2: 家族に夜間の付き添いを依頼する。

3: ナースステーションにベッドを移動する。

4: 骨折で入院していることを繰り返し伝える。

Aちゃん(5か月、女児)は、父親(会社員)、母親(主婦)、兄のB君(3歳)と4人家族である。近所に祖父母が住んでいる。Aちゃんは3日前から鼻汁と咳嗽があり、昨日夕方より39℃の発熱がみられ小児科外来を受診した。自宅で哺乳量の低下はなく、1日に1、2回咳嗽とともに嘔吐がみられていた。来院時、体温39.3℃、呼吸数45/分、脈拍142/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)であった。診察と検査の結果、RSウイルスによる急性細気管支炎acute bronchiolitisと診断され、去痰薬が処方された。

第110回午後:第103問

診察後、家庭でのケアについてAちゃんの母親に指導することになった。  看護師の指導で適切なのはどれか。

1: 「1回に飲むミルクの量を多くしてください」

2: 「哺乳前に鼻水を器具で吸引してあげてください」

3: 「去痰薬は、ミルクを飲んだ後に飲ませてください」

4: 「授乳後は仰向けで寝かせてください」

Aさん(35歳、男性)は1人暮らし。両親は他県に住んでいる。30歳のときに双極性障害bipolar disorderと診断され、これまでに4回の入退院を繰り返している。給料をインターネットゲームの利用料金で度々使い果たし、それが原因で両親と何度も口論になったことがある。仕事では同僚とトラブルを起こすたびに転職を繰り返しており、今回も同僚と口論になり自ら退職した。Aさんは「前の職場の同僚に嫌がらせをしてやる」と母親に電話をかけ、心配した両親が一緒に精神科病院を受診した。診察室では多弁で大きな声を出し、椅子を蹴るなどの行為がみられた。医師の診察の結果、入院して治療することになった。

第110回午後:第114問

入院後2か月、Aさんの状態は落ち着き、退院に向けての準備が進められている。Aさんは、「会社で同僚と言い合いになってこれまでも仕事を変わってきた。そのたびに調子が悪くなって、何度も入院した。家族と言い合いをしたぐらいで近所から苦情があって、嫌になって引っ越した」と看護師に訴えた。  Aさんの退院に向けて連携をとる機関はどれか。

1: 警察

2: 保健所

3: 保護観察所

4: 地域活動支援センター

Aさん(30歳、初妊婦)は、夫( 32歳、会社員)と2人暮らし。身長は160cm、非妊時体重60kg である。妊娠8週の妊婦健康診査を受診し順調な経過と診断された。嘔吐はないが、時々嘔気があると訴え、対処法について質問があった。

第110回午前:第108問

Aさんは、妊娠34週4日の妊婦健康診査を受けた。Aさんの母は祖母の介護をしており、産後の支援を期待できない。妊婦健康診査後、「産後は夫と2人で子育てをしていきます。子育てのために何か利用できる制度はありますか」と相談があった。  産後、Aさんの夫が適用となる制度はどれか。

1: 育児休業

2: 育児時間

3: 休日労働の制限

4: 勤務時間の変更

Aさん(70歳、男性)は、65歳の妻と2人で暮らしている。Aさんは67歳のときに安静時に振戦が現れ、パーキンソン病(Parkinson’s disease)と診断された。ヤール(Yahr.M.D)の重症度分類ステージⅢで、要介護3である。Aさんの症状として、仮面様顔貌、小刻み歩行および前傾姿勢がある。歩行練習を行っており、排泄は時間がかかるが自分でできている。Aさんの長男夫婦は車で1時間のところに住んでおり、週末に様子を見にきている。Aさんは訪問看護を2週間に1回利用している。

第100回午前:第93問

妻は「今後もできる限り自宅で介護したいが、病状が進行してどんどん動けなくなってきて不安です。機能訓練すれば動けるようになるかしら」と話した。 妻の不安を緩和するための訪問看護師の行動で適切なのはどれか。

1: 長男夫婦に平日の機能訓練を依頼する。

2: サービス担当者会議の開催を提案する。

3: もう少しがんばって介護するように妻を励ます。

4: 訪問リハビリテーションの適応ではないと話す。

Aさん(85歳、男性)は、妻と2人で暮らしていたが、自宅で意識を消失して緊急入院した。検査の結果、右中大脳動脈領域の脳梗塞(cerebral infarction)と診断された。意識は回復したが左片麻痺があり、発症後3日からベッド上での関節可動域訓練(ROM訓練)が開始された。

第102回午後:第108問

発症後4週。Aさんは順調に回復し、退院に向けての準備が進められた。妻から「この状態で家に帰ってきて大丈夫かしら」と看護師に相談があった。 妻への看護師の対応で優先するのはどれか。

1: 介護に対する不安について詳しく聴く。

2: 特別養護老人ホームへの入所を勧める。

3: 要介護認定の申請手続きについて説明する。

4: 退院後に予測される問題について説明する。

Aさん(99歳、女性)は、特別養護老人ホームに入所している。脳卒中(stroke)の後遺症で左片麻痺がある。肺炎(pneumonia)をきっかけに寝たきりになり、食事摂取量が低下した。Aさんは「私はここで最期を迎えたい。痛い思いはしたくない。死ぬときは苦しまないようにしてもらいたい」と何度も話すようになった。娘夫婦と孫とが頻繁に面会に来ている。医師が家族に回復の見込みが低いことを伝え、家族は特別養護老人ホームでの看取りに同意した。

第101回午後:第104問

Aさんはほとんど食事を摂(と)らなくなり、尿量も減少してきた。自発的な動きが減少し、傾眠状態となった。Aさんの家族への看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 「状態が不安定なのでケアは職員で行いますね」

2: 「これからはご家族が目を離さないでくださいね」

3: 「刺激せず、なるべくそっとしておいてくださいね」

4: 「これからの経過について説明しますね」

Aさん(78歳、男性)は、76歳の妻と娘の3人で暮らしている。Aさんは、大腸癌(colon cancer)と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後、再発し、治療を行ったが効果がなく、在宅で緩和ケアを行うことになった。Aさんは腹部の癌性疼痛を訴え、オキシコドン塩酸塩徐放錠を1日2回内服している。Aさんは食べたいときに食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少してきている。妻は腰痛があり、娘は日中、仕事に出ている。

第100回午前:第96問

Aさんの傾眠傾向が強まり、時々無呼吸がみられるようになった。食事や水分の摂取量は少ないが、疼痛を訴えることはない。妻は「できればこのまま自宅でみていきたい」と話している。 自宅で看取るための体制として必要なのはどれか。

1: 見舞い客の制限

2: 訪問診療の導入

3: 娘の介護休暇の取得

4: 高カロリー輸液の開始

5: 家族による24時間の観察

Aさん(35歳、女性)は、夫と7歳の息子、2歳の娘と4人で暮らしている。ある日、震度6強の地震が起こり、Aさんの家は半壊した。Aさんは倒れてきた家具の下敷きになるところだったが、何とか免れ、家族は全員かすり傷程度の怪我(けが)で済んだ。被災後、家族は避難所である小学校で生活をしている。

第100回午前:第119問

Aさんから、「また地震の日のような状態になってしまうことが不安です。大丈夫でしょうか」と看護師に相談があった。 Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 「すぐに受診をした方が良いと思います」

2: 「つらい体験は早く忘れるようにしましょう」

3: 「誰にでもよいので積極的に自分の体験を話してください」

4: 「気分転換にご主人と一緒に家の片付けなどしてはいかがでしょう」

5: 「強いストレスを体験したときには誰もがなり得る正常な反応です」

Aさん(82歳、女性)は息子(57歳、会社員)と息子の妻(55歳、パート勤務)との3人暮らし。3年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症Alzheimer diseaseと診断され、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱb、要介護2である。Aさんの介護は、主に息子の妻が行っていた。Aさんは、声かけがあれば日常生活動作〈ADL〉を自分で行うことができた。しかし、Aさんは徐々に認知症が重度化し、1人で外出すると帰ってくることができなくなり、夜間に落ちつきなく動き回ることが多くなった。息子と息子の妻はAさんの介護について介護支援専門員に相談していたが、息子の妻は睡眠不足となり、体調を崩してしまった。そのため、Aさんは介護老人保健施設に入所することになった。

第111回午後:第98問

入所した日の夕方、Aさんは自分の荷物をまとめて「夕食を作らなければいけないので、家に帰りま す」と施設内を歩いている。  Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 「他の入所者と話をしましょう」

2: 「椅子に座ってお話ししませんか」

3: 「入所中なので家には帰れません」

4: 「歩くのは危ないのでやめましょう」

Aさん(37歳、初産婦)、会社員。妊娠41週1日の午後11時に3,200gの女児を分娩した。妊娠や分娩の経過は順調であり、会陰切開術を受けた。分娩後2時間の子宮底の高さは臍下2横指、縫合部に異常はみられなかった。

第102回午後:第117問

産褥5日。Aさんは「出産前は、職場に復帰しようと思っていましたが、今は仕事と育児とを両立できるか心配です。いろいろな制度があるとは聞いていますが、どのようなことができるのでしょうか」と看護師に相談した。 Aさんへの説明で正しいのはどれか。

1: 「退院直後から、お子さんを保育所に預けることができます」

2: 「お子さんが満2歳になるまで育児休業をとれます」

3: 「職場でお乳を搾る時間を1日4回とれます」

4: 「夫が育児休業をとることもできます」

Aさん(58歳、男性)は、 3年前に直腸癌 (rectal cancer) と診断され、手術を受けてストーマを造設 した。その後Aさんは直腸癌 (rectal cancer) を再発し、治療を行ったが効果がなく、腹部の癌性疼痛 を訴えたため、疼痛をコントロールする目的で入院していた。 Aさんは「自宅で療養したい。痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない」と在宅療養を希望した。現在、Aさんはオキシコドン塩酸塩を 1日 2回内服し、食事は食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少している。 Aさんの家族は 56歳の妻と他県で仕事をしている長女である。

第103回午前:第117問

Aさんの傾眠傾向が強まり、時々無呼吸がみられるようになった。Aさんは食事や水分の摂取量は少ないが、疼痛を訴えることはない。 Aさんの妻は「できればこのまま自宅でみていきたい」と話している。 Aさんを自宅で看取るための訪問看護師の対応として適切なのはどれか。

1: 高カロリー輸液の開始を医師と相談する。

2: 24時間の継続した観察を Aさんの家族へ指導する。

3: 仕事を辞めて介護を行うように Aさんの長女を説得する。

4: 今後起こりうる身体症状の変化を Aさんの家族へ説明する。

Aちゃん ( 2歳 4か月、女児 )は、母と会社員の父と 3人で暮らしている。 Aちゃんは、脳性麻痺で寝たきりのため全介助で在宅療養をしていた。 3か月前に、誤嚥性肺炎 (aspiration pneumonia)を発症して緊急入院し、気管切開をして人工呼吸器を装着した。現在、呼吸状態は安定しているが、啼泣時に気道閉塞があるため、夜間のみ人工呼吸器で呼吸管理を継続することになった。 Aちゃんは自宅に戻って訪問看護を利用する予定である。身体障害者手帳 (肢体不自由 1級 )を所持している。

第103回午後:第116問

Aちゃんの家族への指導は順調に行われ退院することになった。 Aちゃんの退院に向けて訪問看護師が連携をとる職種はどれか。

1: 保健師

2: 保育士

3: 社会教育主事

4: 介護支援専門員

Aくん(12歳、男子)は、5歳で気管支喘息(bronchial asthma)と診断され、抗アレルギー薬の服用と副腎皮質ステロイドの吸入をしている。アレルゲンはハウスダストである。Aくんは小学3年生までは、年に数回の中発作を起こし入院治療をしていた。その後は、月に1回の外来通院で症状はコントロールされ、入院することはなかった。小学6年生の冬に学校で中発作を起こし、学校に迎えに来た母親とともに救急外来を受診した。

第100回午後:第107問

気管支拡張薬の点滴静脈内注射でAくんの症状は改善した。Aくんは、医師や看護師の質問には素直に答えているが、心配する母親には「病院に来るほどじゃないんだよ、入院はしないからな」と反抗的な態度をとっている。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: なぜそう思おうのかをAくんに尋ねる。

2: Aくんにではなく母親に病状を尋ねる。

3: 母親への態度が適切でないとAくんを叱る。

4: 親子関係に問題があるのではないかと母親に伝える。

A ちゃん(10 歳、女児)は、両親と 3 人で暮らしている。発熱と顔色不良とを主訴に受診し入院した。血液検査データは、Hb 7.5 g/dL、白血球 75,000/μL、血小板 4 万/μLであった。骨髄検査の結果、急性リンパ性白血病 (acute lymphocytic leukemia) と診断された。医師が両親と A ちゃんに対し、病名と今後の抗癌薬治療および入院期間について説明した。両親はショックを受けていたが現実を受け止め、今後の治療や入院生活について質問し、経済的な不安を訴えた。

第104回午後:第105問

入院後 4 か月。A ちゃんは治療が順調に進み、退院して外来で維持療法を行うことになった。今後、学校に通学する際の A ちゃんと母親に対する説明で適切なのはどれか。

1: 「体育は見学してください」

2: 「授業中はお母さんが付き添いましょう」

3: 「給食はみんなと同じものを食べてよいです」

4: 「日焼け止めクリームを塗って登校してください」

5: 「体育館での全校集会は参加しない方がよいです」

第106回午後:第45問

Aさん(80歳、女性)は、要介護2となったため長男家族(長男50歳、長男の妻45歳、18歳と16歳の孫)と同居することとなった。在宅介護はこの家族にとって初めての経験である。 Aさんの家族が新たな生活に適応していくための対処方法で最も適切なのはどれか。

1: 活用できる在宅サービスをできる限り多く利用する。

2: 家族が持つニーズよりもAさんのニーズを優先する。

3: 介護の負担が特定の家族に集中しないように家族で話し合う。

4: 10代の子どもを持つ家族の発達課題への取り組みを一時保留にする。

Aさん (32歳、男性、会社員 )は、 2年前にうつ病 (depression)による入院歴がある。 Aさんは仕事中に「新しい営業戦略を考えついた」と上司に大声でまとまりのない話を続け、止めようとすると激怒するようになった。会社から連絡を受けたAさんの両親に付き添われて精神科を受診したところ、 Aさんは双極性障害 (bipolar disorder)と診断され入院した。

第103回午後:第109問

Aさんは常に動き回り、次々と他の患者に一方的に話しかけている。看護師が止めようとすると、 Aさんは「自分は営業職なんだから、人と話すのは得意なんだ。邪魔しないでほしい」と強い語調で言い返してくる。看護師の対応で優先されるのはどれか。

1: 家族に付き添いを依頼する。

2: Aさんを静かな場所へ誘導する。

3: Aさんに病気に関する説明をする。

4: 納得できるまで看護師に話すよう促す。

Aさん(32歳、初産婦)は妊娠39週4日に3,200gの男児を経腟分娩で出産した。分娩時に会陰切開縫合術を受けた。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後10点であった。分娩時の出血量200mL、分娩所要時間12時間30分であった。分娩室から病室に帰室する前に尿意を自覚したためトイレまで歩行し、排尿があった。

第111回午後:第108問

産褥4日、看護師はAさんに退院指導をすることにした。Aさんの児の経過は順調である。  Aさんと児が受けられるサービスとして、看護師が退院指導時に説明するのはどれか。

1: 養育支援訪問

2: 育成医療の給付

3: 養育医療の給付

4: 乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)

Aさん(80歳、男性)は、(妻80歳)と2人暮らし。血管性認知症(vascular dementia)でパーキンソニズムがみられる。認知症高齢者の日常生活自立度判定基準ランクⅡb、要介護2。普段は妻がAさんの身の回りの世話をしているが、妻が入院したため短期入所療養介護のサービスを受けることになった。入所時のAさんは歩行開始困難、加速歩行、すくみ足などの歩行障害がみられた。Aさんは「最近、家の中でつまずくことが多くなりました」と入所中の施設の看護師に話した。

第109回午前:第102問

Aさんは「もっと歩けるようになりたい。妻の負担にならずに生活できるようになりたい」と話している。退所後にAさんが利用する介護給付におけるサービスで最も適切なのはどれか。

1: 訪問介護

2: 療養通所介護

3: 通所リハビリテーション

4: 認知症対応型共同生活介護<認知症高齢者グループホーム>