Aちゃん(1歳2か月、女児)は、在胎38週2日、2,300g、新生児仮死状態で出生し、NICUで全身管理が行われた。人工呼吸器は3週後に離脱できたが、咳嗽反射が弱く嚥下障害がみられた。追視がなく、痙直性の四肢麻痺がみられるようになり、生後8か月で脳性麻痺と診断された。1歳の時点で小児病棟へ転棟し、退院に向けた準備を行っている。現在、身長と体重は年齢相当で、鼻腔から経管栄養を行っており、日常的に口腔内吸引が必要である。Aちゃんは第1子で、父親は会社員、母親は専業主婦である。
退院に向けて、自宅でのケアを習得するために母親が付き添うことになった。母親は、看護師と一緒にAちゃんの沐浴を行うことを楽しみにしているが、眠っているAちゃんの頭をなでながら、「Aがこんなことになったのは私の責任だと思う。家で世話をするのは自信がないけど頑張るしかない。この先、どの様に育っていくのだろう」と話す。父親は仕事が忙しいが家事を行い、週末は必ず面会に訪れている。 家族への看護で適切なのはどれか。
1: 父親への沐浴指導は母親に任せる。
2: 面会を増やせば母親が楽になると父親に伝える。
3: 将来のことは考えても仕方がないと母親に話す。
4: Aちゃんのケアについて母親ができていることを認める。
Aさん(60歳、女性)は、統合失調症(schizophrenia)で10年間入院していた。来月退院予定となったため、Aさん、医師、看護師でチームを作り、退院支援計画を立てることになった。Aさんは「両親も亡くなってしまい、これからの生活費や住む場所がとても心配だ」と訴えてきた。 退院支援を進めるにあたり、チームに加わるメンバーで最も適切なのはどれか。
1: 薬剤師
2: 精神保健福祉士
3: ピアサポーター
4: 臨床心理技術者(臨床心理士・公認心理師 等)
2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus)の患者の胃全摘術後における管理で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 血糖値が安定するまでは、2~6時間ごとに血糖を測定する。
2: 1日1回ドレーンの排液の糖濃度を測定する。
3: 創の発赤を認めたら創感染を疑う。
4: 術後2日目に腸蠕動の低下を認めたら腸閉塞を疑う。
5: 排ガスが認められた日から全粥食(1600kcal)摂取が可能になる。
救急外来を受診した成人患者で、治療の緊急度が最も高いのはどれか。
1: 2時間ほど前から右上下肢に力が入らず、ろれつが回らない。
2: 3日前にペットの葬儀が終わり、食欲がなく、夜眠れない。
3: プールでの日焼けによって背部全体が発赤している。
4: 市販の風邪薬を通常の2倍量服用した。
Aさんは在宅療養をしており、皮下埋め込み式ポートから高カロリー輸液を間欠的に注入している。 訪問看護師がAさんに行う日常生活の指導内容として適切なのはどれか。
1: 穿刺針の固定は不要である。
2: 抜針した当日の入浴はできない。
3: 穿刺針は一般廃棄物として処理する。
4: 刺入部の発赤を認めた場合は訪問看護師に連絡する。
Aさん(75歳、男性)は、妻(70歳)と2人暮らし。2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus)の治療中で、2年前から1日2回朝・夕食前に混合型インスリン注射が開始となった。その後、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)による視力障害が進んだため、現在は妻と一緒に単位数や針の確認をし、インスリンの自己注射を実施している。
外来受診時にAさんの妻から外来看護師に「人で協力してインスリン注射することには慣れてきました。たまには夜に夫とゆっくり和食を食べに行きたいのですが、外出時の注射で気を付けることを教えてほしい」と相談があった。Aさんと妻への外来看護師の指導内容で適切なのはどれか。
1: 「お店に着いたらすぐに注射を打ちましょう」
2: 「インスリンを常温で持ち運ぶことはできません」
3: 「注射ができる場所をお店の人に確認しましょう」
4: 「普段よりもインスリン量を増やす必要があります」
A君(8歳、男児)。公園から自転車で帰宅途中に転倒し、利き腕である右肘を強打した。疹痛と腫脹とがあり受診した。単純エックス線撮影の結果、右上腕骨顆上骨折(supracondylar fracture of the humerus)と診断され、治療のために入院した。
入院後2日。全身麻酔下で骨接合術が施行され、再び上腕から手関節までシーネ固定を行った。術後の全身状態は安定しており、夕食から食事が開始された。 このときのA君の食事摂取の方法で最も適切なのはどれか。
1: 側臥位で摂取する。
2: 流動食を摂取する。
3: 左手を使って摂取する。
4: 右手を使って摂取する。