第103回午後第53問の類似問題

A さん(20 歳、男性、大学生)は、皆が自分を嫌っていると言い、昨年から大学を休学し、 1 人暮らしのアパートで引きこもるようになった。先週、アパートで夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人から両親へ連絡があった。A さんの両親が A さんの部屋に入ってみると、窓は新聞紙で覆われていた。A さんは「 1 日中誰かに見張られている。あなたは親じゃない」と叫び続けるため、精神科病院に入院した。A さんは、統合失調症 (schizophrenia) と診断され非定型抗精神病薬による治療が開始された。

第104回午前:第114問

入院後 2 か月。症状も落ち着いてきたため、退院の準備をすることになった。Aさんは看護師に「病気はもう治ったのに、いつまで薬を飲まなければならないのか。薬を飲むと頭がぼんやりする。体力がなくなった気がする」と話した。A さんの退院の準備のために行う支援で優先度が高いのはどれか。

1: 回想法

2: 復学準備

3: 服薬心理教育

4: 筋力トレーニング

Aさん(81歳、男性)は、妻(73歳)と2人暮らし。自宅でのADLは自立し、認知機能に障害はない。Aさんは食欲不振と腹部不快感、微熱を主訴に受診したところ、急性胆嚢炎(acute cholecystitis)と診断され、その日のうちに入院した。Aさんのバイタルサインは、体温37.3 ℃、呼吸数22/分、脈拍90/分、血圧136/84mmHg。入院後は絶飲食の指示があり、持続点滴静脈内注射と抗菌薬の投与が開始された。トイレ歩行の許可は出ている。

第109回午前:第98問

入院後日、妻がAさんについて「入院してからよく寝ています。時々ここが病院だとわからないようです。話しかけても気づかず、天井を眺めていることもあるし、しゃべり続けることもあります」と看護師に訴えた。Aさんのバイタルサインは、体温36.9 ℃、呼吸数20/分、脈拍88/分、血圧144/80mmHg。Aさんの状態で最も考えられるのはどれか。

1: うつ病(depression)

2: せん妄(delirium)

3: ナルコレプシー(narcolepsy)

4: 急性ストレス反応

A 君( 8 歳、男児)は、携帯型電子ゲームやサッカーが好きである。A 君は宿題をしているときに、突然意識を失い、10 数秒持続する四肢の屈曲を伴うけいれんを起こした。その後、全身の筋肉の収縮と弛緩を繰り返すけいれんが 10 秒程度続き、A 君の呼吸は停止しチアノーゼが認められた。けいれんが終了し呼吸は回復したが、意識障害が持続していたため病院に救急搬送された。

第104回午後:第114問

入院後 1 か月。A 君の退院が決定した。A 君の家族に対する説明として適切なのはどれか。 2 つ選べ。

1: 「今後サッカーは禁止です」

2: 「十分な睡眠をとらせてください」

3: 「規則正しい服薬が発作を予防します」

4: 「発作時はタオルを口にかませてください」

5: 「学校には病名を知らせる必要はないでしょう」

第111回午後:第71問

Aさん(68歳、男性)は妻(68歳)と2人暮らし。膀胱癌bladder cancerで尿路ストーマを造設している。A さんはストーマ装具の交換に慣れてきたため、妻と帰りで近くの温泉地を旅行する計画を立てており、外来看護師に助言を求めた。  外来看護師がAさんに助言する内容で適切なのはどれか。

1: 装具の交換に必要な物品一式を2回分持参する。

2: 旅行中の水分摂取は1日1,000mL以内に控える。

3: 他の入浴客がいなければ装具を外して入浴できる。

4: オストメイト対応のトイレがなければ旅行先を変更する。

Aさん(85歳、女性)は、1人暮らしで、他県に住んでいる長男家族がいる。腰部脊柱管狭窄症(lumbar spinal canal stenosis)と診断されているが、ゆっくりとした動作であれば日常生活が可能であり、畑で野菜をつくることを趣味としている。

第105回午後:第99問

Aさんは、買い物の途中で急に強い腰痛が出現して動けなくなり、入院した。入院後1日。腰痛は軽減したが「また痛くなりそうで怖い。家に戻りたいけど心配です」と話す。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 「痛くなれば、また入院して治療しましょう」

2: 「入院が長引くと、もっと動けなくなりますよ」

3: 「1人暮らしが心配なら息子さんと同居したらいかがですか」

4: 「自宅でも痛みが強くならないような生活の工夫を考えましょう」

Aさん(73歳、女性)は、動悸の精密検査の目的で入院した。心電図や血液検査などで異常所見はなかったが、Aさんは全身倦怠感、食欲不振、腰痛、便秘などを訴え続け、薬物療法を行っているが症状は改善していないという。日中はぼんやりと過ごしており「心臓がドキドキして、ハッと朝早く目が覚め、死ぬんじゃないかと思い、その後眠れなくなる」と言う。

第100回午前:第107問

Aさんは、夜、寝る前に「入院しているのに治らない。こんなはずではなかった。ここにいても仕方がない」と看護師に訴えた。 このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 「薬が効くまでの我慢ですよ」

2: 「治っているように見えますよ」

3: 「治らないと感じるのはつらいですね」

4: 「治っていないことを医師に相談しますか」

Aさん(75歳、女性)は、脂質異常症(dyslipidemia)と高血圧症(hypertension)で通院中で、定期受診のため、外来待合室で順番を待っていた。Aさんは、待合室の雑誌を取ろうと立ち上がり、歩こうとしたところ、右足が思うように動かず引きずって歩いた。外来看護師が声をかけると、Aさんは「らいじょうぶ」と返答したが、ろれつが回らなかった。

第109回午前:第119問

検査の結果、Aさんは左脳の運動野に脳梗塞(cerebral infarction)を発症していることが分かった。Aさんは3週間の入院治療を経て転院し、2か月間のリハビリテーションを行うことになった。転院先の医療機関に提供する情報で最も優先するのはどれか。

1: 診療情報提供書

2: 要介護認定の申請書

3: 医療相談員の相談記録

4: 使用中の車椅子の機種

5: 身体障害者手帳の申請書

Aさん(81歳、女性)は、6年前にレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)と診断された。Aさんは雨の中を1人で外出して自宅に戻れなくなり、同居している娘に発見された。その夜、娘が話しかけたときのAさんの反応が鈍くなったため、かかりつけの病院を受診し、細菌性肺炎(bacterial pneumonia)と診断され入院した。呼吸器疾患の既往はない。

第105回午後:第102問

入院後7日、症状が軽快し明日退院することが決まった。消灯前にAさんが部屋にいないため探すと、小刻みにすり足で歩いているところを発見した。看護師がどうしたのか質問すると「そこに小さい子どもがいるので見に行きたい」と、思いつめた表情で話した。 このときのAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 転倒の危険を説明する。

2: 行きたい場所へ付き添う。

3: 子ども時代の思い出を尋ねる。

4: 子どもはどこかへ行ってしまったと説明する。

Aさん(23歳、女性)は、大学受験に失敗して以来、自宅に引きこもりがちになった。母親は、Aさんについて「中学時代までは成績優秀で、手のかからない、おとなしい子どもだった」と言っている。両親と妹との4人で暮らしている。1年前から手洗いを繰り返すようになり、最近では夜中も起き出して手を洗い、手の皮がむけてもやめなくなった。心配した母親が付き添って受診したところ、強迫性障害(obsessive-compulsive disorder)と診断された。Aさんには極度に疲労している様子がみられたことから、本人の同意を得て、その日のうちに任意入院となった。

第102回午後:第98問

Aさんは、食事の時間以外は他の患者との接触を避け、病室で1人で過ごしている。妹が大学受験を控えていることもあり、母親は毎日面会に来ることはできない。母親が来ない日には、Aさんは自宅に面会の催促の電話をかけては口論している。Aさんとの関わりに心身ともに疲れ果てた母親が看護師に相談してきた。 母親への対応として適切なのはどれか。

1: 毎日の面会を勧める。

2: Aさんの苦悩を代弁する。

3: Aさんからの自宅への電話を制限することを約束する。

4: 看護師が同席してAさんと母親とが話し合うことを提案する。

第106回午前:第72問

Aさん(32歳、女性)は小児専門の病院に勤務していたが、国際保健医療協力プログラムで中央アフリカ地域の州事務所に母子保健担当の看護師として派遣された。この地域は長く紛争が続き、母子の健康状態が不良と聞いた。 Aさんが現地で最初に行う業務はどれか。

1: 経口補水液の配布

2: 乳幼児の栄養状態の把握

3: 女性の識字率向上の支援

4: 病院における母子看護業務の把握

Aさん(82歳、女性)は息子(57歳、会社員)と息子の妻(55歳、パート勤務)との3人暮らし。3年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症Alzheimer diseaseと診断され、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱb、要介護2である。Aさんの介護は、主に息子の妻が行っていた。Aさんは、声かけがあれば日常生活動作〈ADL〉を自分で行うことができた。しかし、Aさんは徐々に認知症が重度化し、1人で外出すると帰ってくることができなくなり、夜間に落ちつきなく動き回ることが多くなった。息子と息子の妻はAさんの介護について介護支援専門員に相談していたが、息子の妻は睡眠不足となり、体調を崩してしまった。そのため、Aさんは介護老人保健施設に入所することになった。

第111回午後:第98問

入所した日の夕方、Aさんは自分の荷物をまとめて「夕食を作らなければいけないので、家に帰りま す」と施設内を歩いている。  Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 「他の入所者と話をしましょう」

2: 「椅子に座ってお話ししませんか」

3: 「入所中なので家には帰れません」

4: 「歩くのは危ないのでやめましょう」

Aさん(68歳、男性、自営業)は、妻(73歳)と2人暮らし。Aさんの就寝時刻は21時で、入眠後90分以上が経過した睡眠中に、大声で叫び、腕や足を振り回し暴れる行動が繰り返しみられたが、昼寝では夜間のような行動はみられない。日中、台所で子どもが遊んでいると言い、妻が台所を確認しても誰もいないことが何度かあった。心配になった妻がAさんとともに病院を受診し、Lewy〈レビー〉小体型認知症dementia with Lewy bodiesと診断された。

第111回午前:第110問

Aさんは定期的に精神科外来を受診することになった。受診6か月後、Aさんは足の筋肉がこわばり、動きが鈍くなった。また、幻視を訴える頻度が増え、感情のコントロールができず、妻に暴言や暴力を振るうことが多くなったため、精神科病院に入院となった。入院2日、Aさんは歩行時に床に子どもが寝転んでいると訴えて、子どもをよける動作で転びそうになった。また、突然、興奮して大声で怒り出すため、同室患者が苦情を訴えた。  Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

1: Aさんに別の病室へ移動することを提案する。

2: 歩行時は看護師と一緒に歩くように声をかける。

3: 怒りをコントロールできる方法を見つけるように伝える。

4: 床に子どもがいるように見えるのは幻視であることを説明する。

Aさん(48歳、女性)は、重症筋無力症(myasthenia gravis)を5年前に発症し、初期から副腎皮質ステロイドの内服治療を受けて自宅で生活している。現在は、眼瞼下垂、複視および上下肢の筋力低下がある。日中は、時間をかければ身の回りのことはできている。月1回の外来受診は強い疲労を伴う。夫とは離婚し、高校生の長女と2人で暮らしている。また、訪問サービスは訪問看護のみを利用している。

第102回午前:第108問

Aさんは「娘との生活を続けるために私も頑張らなくてはいけないと思っている」と言う。 訪問看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。

1: 「Aさんの頑張り次第です」

2: 「将来は娘さんに介護してもらいましょう」

3: 「将来は施設に入所することを考えましょう」

4: 「ホームヘルパーの支援を受けることも考えましょう」

A君(2歳6か月、男児)。両親との3人暮らし。脳性麻痺(cerebral palsy)と診断され、自力で座位の保持と歩行はできず専用の車椅子を使用している。話しかけると相手の目を見て笑顔を見せ、喃語を話す。食事はきざみ食でスプーンを使うことができるが、こぼすことが多く介助が必要である。排泄、清潔および更衣は全介助が必要である。

第106回午前:第105問

現在、A君の母親は妊娠16週で順調に経過している。母親は「出産のときにAを預かってくれるところを探そうと思っています」と看護師に話した。父親は会社員で、毎日20時ころ帰宅する。A君の祖父母は遠方に住んでおり支援をすることができない。 母親に情報提供する社会資源で最も適切なのはどれか。

1: 乳児院

2: 病児保育

3: 情緒障害児短期入所施設

4: レスパイトを目的とする入院

5: ファミリーサポートセンター

第102回午前:第57問

訪問看護の利用者の特徴として正しいのはどれか。

1: 年齢は65〜69歳が最も多い。

2: 要介護度は要支援2が最も多い。

3: 脳血管疾患(cerebrovascular disease)を含む循環器系疾患(circulatory disease)が最も多い。

4: 介護保険よりも医療保険によるサービス受給者が多い。

第107回午前:第50問

Aさん(70歳、女性)。夫(72歳)と2人暮らし。慢性腎不全(chronic renal failure)のため腹膜透析を行うことになった。認知機能や身体機能の障害はない。腹膜透析について説明を受けた後、Aさんは「私のように高齢でも自分で腹膜透析をできるのか心配です。毎日続けられるでしょうか」と話した。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 「誰でも簡単にできます」

2: 「ご家族に操作をしてもらいましょう」

3: 「訪問看護師に毎日見守ってもらいましょう」

4: 「同年代で腹膜透析をしている人の体験を聞いてみましょう」

Aさん(92歳、女性)は、脳梗塞cerebral infarctionの後遺症のため要介護4で、2年前から特別養護老人ホームに入所している。入所時は、日常生活は全介助で、話しかけるとうなずいたり首を振るなど自分の意思を伝えることができた。Aさんは歌が好きで、歌に関するレクリエーションには車椅子で参加し、笑顔がみられていた。家族は週1回、面会に来ていた。入所時に、Aさんは「延命処置を望まない」、家族は「できるだけ長生きしてほしい」と言っていた。  最近、ほとんど食事を摂らなくなり、閉眼していることが多く、看護師や施設職員の声かけに対する反応が徐々に鈍くなってきた。家族が面会時に声をかけると、目を開け、うなずくなどの意思表示がある。Aさんの状態から、医師と相談し看護師は看取りの準備が必要であると判断した。

第110回午前:第99問

3日後、Aさんは声かけに全く反応しなくなったため、看護師は死期が迫っていると判断した。  看護師が観察するAさんの状態はどれか。

1: 尿量の増加

2: 流涎の増加

3: 下痢便の出現

4: 下顎呼吸の出現

第104回午後:第69問

A さん(80 歳、女性)は、 1 人で暮らしている。内科と整形外科とを受診しているが、 2 週前から内服薬の飲み間違いがあり、主治医から訪問看護師に服薬管理の依頼があった。A さんがセルフケアを維持して内服するための訪問看護師の服薬管理の支援で最も適切なのはどれか。

1: 内服薬は薬局から訪問看護師が受け取る。

2: 自宅での内服薬の保管場所を分散する。

3: 内服指導を診療科ごとに依頼する。

4: 内服薬を 1 回分ごとにまとめる。

第104回午前:第70問

A さん(59 歳、男性)は、妻と 2 人で暮らしている。Parkinson〈パーキンソン〉病 (Parkinson’s disease) で、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類ステージⅢであり、嚥下に困難がある。要介護 2 の認定を受けている。食事の見守りを行う妻への看護師による指導で適切なのはどれか。

1: 「食事はきざみ食にしましょう」

2: 「食事は決まった時間にしましょう」

3: 「食事中はテレビをつけておきましょう」

4: 「食べ物を飲み込んだことを確認しましょう」

A君( 8歳、男児 )は、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、肉眼的血尿および両眼瞼の浮腫を主訴に病院を受診した。 1か月前に扁桃炎 (tonsillitis)に罹患した以外は既往歴に特記すべきこ とはない。扁桃炎 (tonsillitis)は抗菌薬を内服し軽快した。血液検査の結果、 溶連菌感染後急性糸球体腎炎 (poststreptcoccal acute glomerulonephritis)と診断されて入院した。入院時、 A君は体温 36.8℃、呼吸 数20/分、脈拍は 80/分、整で血圧 132/80 mmHgであった。

第103回午後:第105問

入院後 2週間が経過した。症状は軽快したが床上安静は続いている。仲が良かった同じ病室の児が退院して、 A君はイライラして母親をたたくこともある。 A君の母親は、毎日昼食後から夕食後まで面会をしている。 A君のストレスに対する看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 「家にすぐ帰れるから頑張ろう」

2: 「お母さんにずっといてもらおう」

3: 「好きなだけテレビを観ていいよ」

4: 「ベッドに寝たままプレイルームに行こう」