Aさん(56歳、女性、主婦)は、胆石症 (cholelithiasis) と診断され、腹腔鏡下胆嚢摘出術予定で入院 した。 Aさんは身長 152 cm、体重 70 kgである。Aさんは、数年前に脂質異常症 (dyslipidemia) を指摘されたが、治療は受けていない。Aさんにその他の特記すべき既往歴はない
Aさんの術後の経過は良好で、退院の許可が出た。退院後の日常生活に関する説明で正しいのはどれか。
1: 「低蛋白食を摂取してください」
2: 「退院後 1週間、シャワー浴はできません」
3: 「脂肪分の多い食事で下痢をするかもしれません」
4: 「傷口が赤く腫れてきたら、消毒をしてください」
Aさん(20歳、女性、外国籍)は、6月に来日し、9月に大学に入学した。入学して1週後、Aさんは大学でめまいを起こして座り込み、同じ国から昨年留学生として来日した友人に付き添われ病院の内科外来を受診した。外来では多くの患者が受診を待っており、診察までに時間がかかっていた。Aさんは、日常会話程度の日本語が話せ「身体がだるくて立っていられません」と看護師に伝えた。
Aさんは、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)と診断され、血液内科病棟の2人部屋に緊急入院になった。病棟看護師が入院オリエンテーションをするため病室を訪れたところ、同室の患者から「Aさんの香水の香りが強いので、つらい」と訴えがあり、看護師もその香りが気になった。看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 同室の患者に別室への移動を勧める。
2: Aさんに香水を洗い流すよう説明する。
3: Aさんに香水の使用は医師の許可が必要と説明する。
4: Aさんに香りが本人および同室の患者の治療に及ぼす影響を説明する。
精神科病棟における身体拘束時の看護で正しいのはどれか。 2 つ選べ。
1: 1 時間ごとに訪室する。
2: 拘束の理由を説明する。
3: 水分摂取は最小限にする。
4: 患者の手紙の受け取りを制限する。
5: 早期の解除を目指すための看護計画を立てる。
Aさん(82歳、男性)。妻との2人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準はランクJ。Aさんは搔痒感のために皮膚科を受診し、老人性皮膚搔痒症(pruritus senilis)と診断され、抗ヒスタミン内服薬が処方された。身長165cm、体重55kg。Aさんの趣味は散歩で、毎日1km程度を歩いている。
初診から1か月後、皮膚科の外来でAさんは「薬を飲み始めてから、口の中が渇いて食べにくい」と話した。 この状況から、Aさんに障害が起きていると考えられる摂食・嚥下の段階はどれか。
1: 先行期
2: 準備期
3: 咽頭期
4: 食道期
A さん(37 歳、女性)は、アジアの出身で 1 か月前に日本人の夫 (40 歳) と娘 (12 歳)とともに日本に移住した。母国語以外に簡単な言葉であれば日本語と英語は理解できる。A さんは、胸のしこりに気付き 1 週前に受診し、検査の結果、乳癌 (breast cancer) と診断された。今後の治療について説明を受けるため外来を受診する予定である。夫から「仕事が忙しく説明に立ち会えない。妻は日本語が上手く話せないがどうしたらいいですか」と電話があった。
術前に、術後の A さんの苦痛の程度を確認する方法について説明をすることになった。苦痛の程度を確認する方法として最も適切なのはどれか。
1: 日本語を覚えてもらう。
2: 母国語と日本語の対応表を準備する。
3: ナースコールの利用方法を説明する。
4: まばたきをしてもらうことを説明する。
Aさん(86歳、男性)は自宅で療養しており、84歳の妻が介護している。Aさんは寝たきりで、尿失禁のためオムツを使用している。Aさんの排尿量が多く、何度も布団を汚して困ると妻から相談があった。 Aさんの妻の介護負担を考慮した訪問看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 水分の摂取量を減らすように話す。
2: 膀胱留置カテーテルの使用を提案する。
3: ポータブルトイレに定期的に座るよう勧める。
4: オムツに尿取りパッドを追加するように指導する。
Aさん(35歳、女性)は、右肋骨の骨折で 2日前に整形外科病棟に入院した。上半身に多数の内出血のあとがあり、受け持ち看護師が Aさんに話を聞いた。Aさんは、夫は機嫌が悪いと暴力を振るい、時には投げ飛ばすこともあり、今回も夫に殴られて骨折したと話した。Aさんは、毎日面会に来る夫に非常におびえており「今話したことは夫には絶対に言わないでほしい。骨折の処置だけしてください」と言う。 Aさんは専業主婦で夫と 2人で暮らしており、近くに親類や知り合いはいない。
Aさんには、不眠や急におびえたように震え出す様子がみられた。鎮痛薬を増量したが、骨折による痛みは全く軽減していない。睡眠薬も開始したが、不眠も改善していない。受け持ち看護師はどのように対応したらよいか分からず、リエゾン精神看護を専門とする看護師に相談した。リエゾン精神看護を専門とする看護師の介入として適切なのはどれか。
1: Aさんと夫が話し合う場を設定する。
2: 精神科病棟への転棟を看護師長に指示する。
3: リラクセーション法による介入を受け持ち看護師と計画する。
4: 睡眠薬の増量を主治医と相談するよう受け持ち看護師に伝える。
Aさん(48歳、女性)は、重症筋無力症(myasthenia gravis)を5年前に発症し、初期から副腎皮質ステロイドの内服治療を受けて自宅で生活している。現在は、眼瞼下垂、複視および上下肢の筋力低下がある。日中は、時間をかければ身の回りのことはできている。月1回の外来受診は強い疲労を伴う。夫とは離婚し、高校生の長女と2人で暮らしている。また、訪問サービスは訪問看護のみを利用している。
Aさんがセルフケア能力を維持して、口腔内の清潔を保つための訪問看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 歯磨きの自助具を紹介する。
2: 含嗽はしないよう指導する。
3: 筋力低下の日内差について尋ねる。
4: 長女が口腔ケアを行うよう助言する。
5: 歯磨きは食事の前後に行うよう指導する。
Aちゃん(6歳、女児)は、重症の新生児仮死で出生した。誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)で入退院を繰り返しているため、今回の入院で経鼻経管栄養法を導入し、退院後は週1回の訪問看護を利用することになった。現在は四肢と体幹の著しい運動障害があり、姿勢保持が困難で、移動および移乗は全介助である。声かけに笑顔はみられるが、指示に応じることはできない。
訪問看護師は、Aちゃんの誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)を予防するケアの方法を母親に指導することにした。 母親が行うAちゃんへのケアとして適切なのはどれか。
1: 腹式呼吸を促す。
2: 咳嗽の訓練を行う。
3: 胸郭可動域の訓練を行う。
4: 含嗽液を用いてうがいをさせる。
Aさん(74歳、女性)は、右肺尖部癌(apical lung cancer)と診断され、外科的治療は困難で、外来で抗癌化学療法を実施していた。半年後、胸壁への浸潤が進行したため、抗癌化学療法目的で入院した。Aさんは5年前に夫を亡くしてからは1人暮らしをしており、入院前は、近所に住むAさんの娘が毎日訪問していた。
Aさんは抗癌化学療法を開始したが、副作用が強かったため、「治療をやめて家で過ごしたい」と希望し、退院した。退院後3日、訪問看護が開始された。 訪問看護師が今後注意すべきAさんの症状はどれか。
1: 構音障害
2: 聴力の低下
3: 片麻痺の出現
4: 上肢の強い痛み
A さん(20 歳、男性、大学生)は、皆が自分を嫌っていると言い、昨年から大学を休学し、 1 人暮らしのアパートで引きこもるようになった。先週、アパートで夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人から両親へ連絡があった。A さんの両親が A さんの部屋に入ってみると、窓は新聞紙で覆われていた。A さんは「 1 日中誰かに見張られている。あなたは親じゃない」と叫び続けるため、精神科病院に入院した。A さんは、統合失調症 (schizophrenia) と診断され非定型抗精神病薬による治療が開始された。
A さんは 5 日目ころから日中は臥床して過ごし、夜間は熟睡するようになった。食事の時間に遅れてくることが多く、看護師の声かけにほとんど反応しない。他の患者との交流もない。この時期の看護師の対応として最も適切なのはどれか
1: 食事摂取の介助をする。
2: 作業療法への参加を促す。
3: 日中の休息時間を維持する。
4: 食事時間を守るよう注意する。
Aさん(42歳、男性)、会社員。うつ病(depression)で自殺企図のために入院した。外傷はない。入院時に看護師が「大変でしたね」と声をかけたが、Aさんは一言も話そうとせず、硬い表情をしている。 この時点でのAさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 「気分転換にお散歩に行きませんか」
2: 「今夜は多床室で休んでいただきます」
3: 「仕事が合わないのではありませんか」
4: 「持ち物を一緒に確認させていただけますか」
Aさん(47歳、男性)は、統合失調症(schizophrenia)で20年間精神病院に入院している。父親はすでに亡くなっており、80歳になる母親は病気がちのため、面会は年に1回程度である。Aさんは看護師の声かけに応じて、月に1回の病棟レクリエーションや週に2回の作業療法に参加している。それ以外の時間はほとんど病室のベッド上で寝て過ごしている。発病以来、薬物療法を続けており、時々飲み忘れることはあるが、ほぼ自己管理できている。病状は安定していることから、退院の話が出るようになった。
Aさんは、これまで1人暮らしの経験はなく、自宅への退院を希望している。母親は電話で、「帰ってくるのはいいけれど、自分も体がつらくて、息子の世話までできない。日中、息子が出掛ける場所があるとよいのですが」と話している。 Aさんに勧める社会資源として適しているのはどれか。2つ選べ。
1: 福祉ホーム
2: 精神科デイケア
3: ショートステイ
4: ホームヘルプサービス
5: 公共職業安定所〈ハローワーク〉
Aさん(99歳、女性)は、特別養護老人ホームに入所している。脳卒中(stroke)の後遺症で左片麻痺がある。肺炎(pneumonia)をきっかけに寝たきりになり、食事摂取量が低下した。Aさんは「私はここで最期を迎えたい。痛い思いはしたくない。死ぬときは苦しまないようにしてもらいたい」と何度も話すようになった。娘夫婦と孫とが頻繁に面会に来ている。医師が家族に回復の見込みが低いことを伝え、家族は特別養護老人ホームでの看取りに同意した。
Aさんは「1人で死ぬのは寂しい」と看護師に話した。看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 「死ぬときは苦しくないようですよ」
2: 「Aさんは十分頑張ってきましたね」
3: 「できるだけAさんのそばにいますよ」
4: 「そんなことを言うとご家族が心配しますよ」