第102回午後第119問の類似問題

Aさん(92歳、女性)は、脳梗塞cerebral infarctionの後遺症のため要介護4で、2年前から特別養護老人ホームに入所している。入所時は、日常生活は全介助で、話しかけるとうなずいたり首を振るなど自分の意思を伝えることができた。Aさんは歌が好きで、歌に関するレクリエーションには車椅子で参加し、笑顔がみられていた。家族は週1回、面会に来ていた。入所時に、Aさんは「延命処置を望まない」、家族は「できるだけ長生きしてほしい」と言っていた。  最近、ほとんど食事を摂らなくなり、閉眼していることが多く、看護師や施設職員の声かけに対する反応が徐々に鈍くなってきた。家族が面会時に声をかけると、目を開け、うなずくなどの意思表示がある。Aさんの状態から、医師と相談し看護師は看取りの準備が必要であると判断した。

第110回午前:第97問

Aさんの死の迎え方を決めるために優先されるのはどれか。

1: 主治医の治療方針

2: 施設の職員のケア方針

3: 入所時のAさんの意思

4: 現在のAさんと家族の意思

Aちゃん(生後10か月)は、それまで機嫌よく過ごしていたが、夕方から突然不機嫌になり、15〜20 分ごとに激しく泣いては、泣き止むことを繰り返した。Aちゃんは夕食の離乳食を食べず哺乳もしなかったが、嘔吐したため21時に保護者と救急病院を受診した。担当医師は保護者に、腸重積症(intussusception)が疑われるためグリセリン浣腸を行って便性を確認する、と説明した。体温は37.1℃であった。

第108回午後:第105問

Aちゃんは、高圧浣腸により重積が整復され、経過観察のため入院した。翌朝、経口摂取が可能となり、状態も落ちついているため退院が決定した。保護者から「退院後に何か注意することはありますか」と看護師に質問があった。 保護者への説明で適切なのはどれか。

1: 「月1回の受診をしてください」

2: 「3日間は入浴を控えてください」

3: 「1週間は離乳食を1日1回にしてください」

4: 「同じような症状が出たら受診してください」

Aちゃんは39週0日に体重3000gで出生した。両親との3人家族である。顔貌(がんぼう)などの特徴や心室中隔欠損があることからダウン症候群(Down’s syndrome)が強く疑われた。

第100回午前:第109問

出生当日、医師は、両親に染色体検査の必要性と、検査の結果が出てから詳しい話をすることを説明した。両親は大きなショックを受けていたが、検査に同意した。 Aちゃんの入院中における両親への看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 早期療育の必要性を説明する。

2: ダウン症候群(Down’s syndorome)の親の会への入会を勧める。

3: ダウン症候群(Down’s syndorome)の治療について説明をする。

4: 一緒にAちゃんの世話をすることを提案する。

Aさん(28歳、女性、会社員)は、結婚後1年で夫と2人で暮らしている。仕事上の役割も増えている。次回月経予定日を2週過ぎても月経がみられないため、勤務先近くの産婦人科クリニックを受診した。月経周期は28日型で、最終月経は3月2日から4日間であった。診察の結果、妊娠と診断された。

第105回午後:第107問

Aさんは医師から妊娠していると説明を受けた。Aさんは看護師に「初めての妊娠でうれしい。でも、任されている大きなプロジェクトが続けられなくなるため悲しくて、妊娠しなければよかったと思います」と話す。 この時期のAさんの心理状態で最も適切なのはどれか。

1: 錯乱状態である。

2: 他罰的な感情がある。

3: マタニティブルーズである。

4: アンビバレント<両価的>な感情がある。

第106回午前:第59問

介護保険法で「入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設」と規定されているのはどれか。

1: 介護老人保健施設

2: 介護老人福祉施設

3: 介護療養型医療施設

4: 介護療養型老人保健施設

Aさん(68歳、女性)は、1人暮らし。隣の市に娘がいる。日常生活は自立している。10年前に糖尿病(diabetes mellitus)と診断され、血糖降下薬を服用している。最近の血液検査でHbA1c が8.5% のため、インスリンの自己注射を導入するかどうかを検討することになった。医師からAさんには自己注射についてまだ説明されていない。

第108回午前:第98問

Aさんは、医師から自己注射について説明された。Aさんは医師に質問はないと答えたが、考え込んでいたため、看護師はAさんに心配なことがあるか質問した。Aさんは「10年間、食事療法をがんばってきたのに、注射になるのですね。今後どうしたら良いかわからなくなりました」と話した。 この時の看護師の言葉かけで適切なのはどれか。

1: 「もう少しがんばれると良かったですね」

2: 「治療食の配食サービスを利用しましょう」

3: 「私たちの指導通りに行えばうまくいきます」

4: 「これまでの食事で工夫したことを一緒に振り返りましょう」

第111回午前:第69問

Aさん(73歳、男性)は慢性閉塞性肺疾患chronic obstructive pulmonary diseaseで在宅酸素療法〈HOT〉を受けている。受診時にAさんが「1人でお風呂に入っているが、息切れが強い」と訴えたため、外来看護師は入浴時の具体的な状況を確認した。  外来看護師がAさんに確認した内容で、息切れの原因と考えられるのはどれか。

1: 入浴はシャワー浴にしている。

2: 椅子に座って更衣を行っている。

3: 洗髪時に鼻カニューレを外している。

4: 浴室の扉を開けたまま入浴している。

Aさん (32歳、男性、会社員 )は、 2年前にうつ病 (depression)による入院歴がある。 Aさんは仕事中に「新しい営業戦略を考えついた」と上司に大声でまとまりのない話を続け、止めようとすると激怒するようになった。会社から連絡を受けたAさんの両親に付き添われて精神科を受診したところ、 Aさんは双極性障害 (bipolar disorder)と診断され入院した。

第103回午後:第110問

入院後 3日が経過した。 Aさんは自分の病室にいることはほとんどなく、自宅や会社に頻繁に電話したり、デイルームでノートに書き続けるなど、いつも忙しそうに過ごしている。食事の時間も落ち着かず、摂取量は毎食 1/3から 1/4程度である。看護師の対応で適切なのはどれか。

1: Aさんの食事を介助する。

2: Aさんが栄養指導を受けられるよう調整する。

3: Aさんに食事の摂取量が不足している事実を伝える。

4: Aさんが自分から食事をしたい気持ちになるのを待つ。

Aさん(85歳、男性)は、 5年前に脳梗塞 (cerebral infarction) を発症し右片麻痺があり、要介護 3の認定 を受けた。Aさんの子どもは遠方に住んでおり、腰痛のある Aさんの妻(80歳)が 1 人で介護している。Aさんは、週 2日通所介護を利用している。

第103回午前:第101問

Aさんに優先されるサービスはどれか。

1: 訪問入浴介護

2: 夜間対応型訪問介護

3: 特定施設入居者生活介護

4: 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム

Aさん(70歳、男性)は、妻(68歳)と2人暮らし。3年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis)(ALS)と診断され、在宅で療養生活を続けていた。その後、Aさんは症状が悪化し、入院して気管切開下の人工呼吸療法、胃瘻による経管栄養法を受けることになった。妻は、退院後に必要なケアの技術指導、人工呼吸器や胃瘻の管理方法、緊急・災害時の対応について病棟看護師から指導を受けた。退院前カンファレンスにおいて、訪問看護のほかに必要な在宅サービスについて検討することになった。妻は慢性腎不全(chronic renal failure)のため、週に3回の血液透析を受けており、1回に約6時間の外出が必要である。

第108回午後:第117問

退院から2週後、妻から「昨日、私が透析を受けている病院で災害が発生した場合の診療について説明がありました。在宅での生活にも少し慣れてきたし、夫のことも気になるので、あらためて災害に備えておきたいのですが、何から始めればよいでしょうか」と訪問看護師に相談があった。 訪問看護師が妻に指導する内容で最も優先度が高いのはどれか。

1: 予備の電源の選び方

2: 福祉避難所への移動手段

3: 災害用持ち出し物品の準備

4: 足踏み式吸引器の使用方法

第110回午前:第16問

緩和ケアの説明で適切なのはどれか。

1: 入院が原則である。

2: 家族もケアの対象である。

3: 創の治癒を目的としている。

4: 患者の意識が混濁した時点から開始する。

Aさん(74歳、男性)は、強い下腹部痛のため救急車で搬入された。Aさんは顔面蒼白で、冷汗をかき、腹部を押さえている。一緒に来た妻は、「夫はいつも尿が出にくい。夜は、3回はトイレに行くのに、昨夜は行かなかった。今朝もポタポタとしか出なかった。便秘はしていない」と話した。Aさんは4年前に脳梗塞(cerebral infarction)になり、重い構音障害があるが理解力に問題はなく、身の回りのことは全部自分でできている。搬入時のAさんは、看護師と視線を合わせることができ、問いかけにはうなずきで答えている。

第100回午後:第101問

処置を終えたAさんは、治療のため入院した。 Aさんとコミュニケーションをとるうえで適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 筆談用の文房具を準備する。

2: 理解を助ける絵カードを準備する。

3: 構音の間違いを直して練習させる。

4: 補聴器や眼鏡の使用状況を妻に確認する。

5: 問いかけはopen-ended question〈開かれた質問〉にする。