Aさん(35歳、女性)は、夫と7歳の息子、2歳の娘と4人で暮らしている。ある日、震度6強の地震が起こり、Aさんの家は半壊した。Aさんは倒れてきた家具の下敷きになるところだったが、何とか免れ、家族は全員かすり傷程度の怪我(けが)で済んだ。被災後、家族は避難所である小学校で生活をしている。
被災して1週間が過ぎた。避難所に派遣された看護師にAさんは、「地震の当日は不安が強く、突然怖くなりドキドキしました。考えがまとまらず、夢を見ているような感覚でした。翌日からはだいぶ落ち着き、日々楽になっている感じがします」と話した。 Aさんの状態で最も考えられるのはどれか。
1: 心気症(hypochondria)
2: 身体化障害(somatization disorder)
3: 強迫性障害(obsessive-compulsive disorder)
4: 心的外傷後ストレス反応(post-traumatic stress response)
Aさん(24歳、男性)は、昼間の過剰な眠気を主訴に来院した。半年前に居眠り運転で交通事故を起こした。入眠時の幻視や睡眠と覚醒の移行期に体を動かせなくなることがある。また、笑ったり、怒ったりしたときに脱力してしまうこともある。 最も考えられる疾患はどれか。
1: 睡眠時遊行症(sleepwalking(somnambulism))
2: ナルコレプシー(narcolepsy)
3: 睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)
4: 睡眠・覚醒スケジュール障害(sleep-wake schedule disorders)
心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉(post-tranumatic stress disorder)で正しいのはどれか。
1: 数日間で症状は消失する。
2: 特定の性格を持った人に起こる。
3: 日常のささいな出来事が原因となる。
4: 原因になった出来事の記憶が繰り返しよみがえる。
Aさん ( 23歳、女性 )は、トラックの横転事故に巻き込まれて一緒に歩いていた友人が死亡し、自分も軽度の外傷で入院している。看護師が Aさんに「大変でしたね」と声をかけると、笑顔で「大丈夫ですよ。何のことですか」と言うだけで、事故のことは話さない。 Aさんは検査の結果、軽度の外傷以外に身体的な異常や記憶の障害はない。この現象はどれか。
1: 解離
2: 昇華
3: 合理化
4: 反動形成
Aちゃん(4歳、男児)は、昨夜の土砂災害によって両親とともに小学校の体育館に避難している。母親は自分の両親の安否が不明なため眠ることができなかった。また、落ち着きがなく感情的になっている。父親はずっと毛布をかぶって横になっている。
昼間のAちゃんは体育館の中を走り回っている。また、指しゃぶりをしながら両親の姿を気にしているが、近づいて甘えようとはしない。 Aちゃんの反応で正しいのはどれか。
1: 自我同一性の拡散
2: 急性ストレス障害(acute stress disorder)
3: 外傷後ストレス障害<PTSD>(post-traumatic stress disorder)
4: 注意欠陥多動性障害<ADHD>(attention deficit hyperactivity disorder)
Aさん(25歳、男性)統合失調症(schizophrenia)と診断された。抗精神病薬の内服を開始した2日後、Aさんはそわそわして落ち着かず「足がムズムズする」と歩き回るようになった。Aさんにみられている状態はどれか。
1: アカシジア
2: ジストニア
3: ジスキネジア
4: ミオクローヌス