Aさん(55歳、女性)は、昨年10月に腹痛と腹部膨満のため受診し、膵癌(pancreatic cancer)、腹膜播種と診断された。手術の適応はなく、化学療法を受けていた。今回、腹水貯留があり経口摂取量も減少したため入院した。排泄は自立しているが、臥床していることが多い。事務職員をしていたが、現在は休職中である。夫とは離婚し25歳の長女と2人で暮らしている。23歳の長男は結婚し、遠方で暮らしている。今回の入院時から積極的治療が困難であることは、Aさんと長女へ医師から説明され、Aさんは自宅での療養を希望している。長女は就労しているため、あまり来院していない。
退院調整看護師から、訪問看護ステーションにAさんの情報提供と訪問看護の依頼が入った。 訪問看護師は、在宅療養ができるかを確認するため来院した。訪問看護師が、Aさんと会う前に退院調整看護師に確認すべき情報で優先度が高いのはどれか。
1: 自宅環境
2: 治療経過
3: 食事の摂取状況
4: 長女の在宅療養への意向
Aさん(81歳、男性)は、妻(73歳)と2人暮らし。自宅でのADLは自立し、認知機能に障害はない。Aさんは食欲不振と腹部不快感、微熱を主訴に受診したところ、急性胆嚢炎(acute cholecystitis)と診断され、その日のうちに入院した。Aさんのバイタルサインは、体温37.3 ℃、呼吸数22/分、脈拍90/分、血圧136/84mmHg。入院後は絶飲食の指示があり、持続点滴静脈内注射と抗菌薬の投与が開始された。トイレ歩行の許可は出ている。
入院後3週、Aさんは症状が改善し、退院することになった。Aさんは「退院したら孫たちと温泉旅行をして、おいしいものをたくさん食べることが楽しみです。何か気を付けることはありますか。」と看護師に話した退院時のAさんへの指導で適切なのはどれか。
1: 「上腹部の痛みがあったら受診してください」
2: 「食事内容の制限はありません」
3: 「運動は控えてください」
4: 「入浴しないでください」
Aさん ( 40歳、男性 )は、大学 1年生のときに統合失調症 (schizophrenia)を発症し、精神科病院に 20年入院している。今回、退院して両親と同居することになった。入院中は定期的に作業療法に参加しており、日常生活は自立している。服薬は自己管理となっているが、時々飲み忘れることがある。
退院後 3か月、 Aさんは処方どおりに服薬している。 Aさんの母親から「退院してからずっと 1日中家の中で何もせず過ごしています。夫は本人に働くよう言っています」と看護師に相談があった。母親への対応として最も適切なのはどれか。
1: 「もう一度入院を考えてみますか」
2: 「アルバイトを探してはいかがですか」
3: 「Aさんはどう考えているようですか」
4: 「お薬の調整を主治医に相談してみましょうか」
Aちゃん(1歳2か月、女児)は、在胎38週2日、2,300g、新生児仮死状態で出生し、NICUで全身管理が行われた。人工呼吸器は3週後に離脱できたが、咳嗽反射が弱く嚥下障害がみられた。追視がなく、痙直性の四肢麻痺がみられるようになり、生後8か月で脳性麻痺と診断された。1歳の時点で小児病棟へ転棟し、退院に向けた準備を行っている。現在、身長と体重は年齢相当で、鼻腔から経管栄養を行っており、日常的に口腔内吸引が必要である。Aちゃんは第1子で、父親は会社員、母親は専業主婦である。
母親は経管栄養と口腔内吸引とを1人で実施できるようになったが、「退院したら、昼間、Aと2人だけで過ごすのは心配です。Aの具合が悪いときにはどうしたら良いのでしょう」と話す。 Aちゃんが在宅療養に移行するために検討する内容で優先度が高いのはどれか。
1: 保育所への入所
2: 訪問看護の依頼
3: 家事支援のヘルパーの依頼
4: 地域の子育てグループへの参加
Aさん ( 40歳、男性 )は、大学 1年生のときに統合失調症 (schizophrenia)を発症し、精神科病院に 20年入院している。今回、退院して両親と同居することになった。入院中は定期的に作業療法に参加しており、日常生活は自立している。服薬は自己管理となっているが、時々飲み忘れることがある。
Aさんは 1週間後に退院する予定だが「退院したら薬を飲むのはやめようかな」と看護師に話すことがある。時々幻聴に関して訴えがあり、睡眠が不規則になる。退院後 Aさんが利用するサービスで最も適切なのはどれか。
1: 訪問介護
2: 精神科作業療法
3: 精神科訪問看護
4: 訪問リハビリテーション
Aさん(25歳、男性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。大学卒業後に就職し、仕事も順調であった。4ヶ月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1ヶ月ほど続いたが、通勤は何とか続けていた。Aさんは、2ヶ月前から不眠を訴えるようになり、先月からは、高額なマンションや車の購入契約をしたり、貯金の全額を宝くじの購入に費やしてしまうなどの行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。
入院後1週間が経過した。Aさんは職場のことが気になると言って、連日頻繁に会社に電話をしている。看護師が面接をしたところ、今後への強い焦りの訴えが聞かれた。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 仕事のことはあまり考えないようにと話す。
2: 治療の見直しについてAさんと再確認する。
3: Aさんのテレホンカードをナースステーションで管理する。
4: Aさんの上司に病状を説明し、Aさんの行動への理解を求める。
Aさん(75歳、女性)。1人暮らし。脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左不全麻痺があり、要介護1の認定を受けている。最近、夜間に中途覚醒することが多い。昨夜、トイレに行く際に転倒し、右手をついた。転倒後から右上肢の痛みがあり、翌朝になっても痛みが強かったため受診した。エックス線写真の結果から、右の上腕骨近位部骨折(proximal humerus fracture)と診断され、入院した。
Aさんは入院後7日で退院し、介護老人保健施設に入所した。現在はリハビリテーションを行っている。 退所後の再転倒を予防するためのAさんへの指導で適切なのはどれか。
1: 家の中で過ごす。
2: 歩幅を小さくして歩く。
3: 足関節の底背屈運動をする。
4: 就寝前に睡眠薬を内服する。
Aさん(19歳、男性、大学生)は、実家近くのアパートに1人で暮らしている。ある日、線路沿いの道を裸足で歩きながら険しい表情でカッターナイフを振り回し、ぶつぶつと独り言を言い続けていたことから警察に保護された。Aさんは、警察から連絡を受けた両親とともに精神科病院を受診したが「自分は命を狙われている」、「この人たちは自分の親じゃない」と言い、医療者に対しても拒否的な態度をとっている。診察の結果、Aさんは統合失調症(schizophrenia)と診断された。Aさんの頭髪は乱れ、食事や睡眠がとれていない様子であったため、そのまま医療保護入院をすることになった。
入院後2か月が経過し、主治医からは退院の話も出始めた。Aさんは入院をきっかけに大学を休学している。Aさんの両親が「Aは学業の遅れを心配して、退院後すぐに復学したいと言っています。Aはすぐに復学できるのでしょうか」と相談してきた。 看護師の説明として適切なのはどれか。
1: 「復学の時期を大学に判断してもらいましょう」
2: 「復学できる状態になるまで退院を延期しましょう」
3: 「ご両親からAさんに焦らないよう説得してください」
4: 「まずは家庭での日常生活に慣れることから始めましょう」
Aさん(25歳、男性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。大学卒業後に就職し、仕事も順調であった。4ヶ月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1ヶ月ほど続いたが、通勤は何とか続けていた。Aさんは、2ヶ月前から不眠を訴えるようになり、先月からは、高額なマンションや車の購入契約をしたり、貯金の全額を宝くじの購入に費やしてしまうなどの行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。
入院して1ヶ月が経過したAさんは、服薬による治療で多弁や易怒性などの症状が改善し、落ち着いて過ごせるようになった。Aさんは治療を継続する必要性についても理解している。看護師が家族への退院指導を行うことになった。 Aさんの家族への指導で最も適切なのはどれか。
1: 「薬は家族が管理してください」
2: 「今後も入院治療が定期的に必要になります」
3: 「症状が悪化する兆候を見逃さないようにしましょう」
4: 「服薬をしていれば症状は悪化しないので安心してください」
Aさん(23歳、女性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。専門学校卒業後に就職し、仕事も順調であった。4か月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1か月ほど続いたが、通勤は続けていた。Aさんは2か月前から不眠を訴えるようになり、先月からは給料の全額を宝くじの購入に費やしてしまう行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。
入院後2週が経過した。Aさんの携帯電話は母親が持ち帰っているため、Aさんは職場のことが気になると言って、毎日、病棟内の公衆電話から頻繁に会社の上司に電話をしている。看護師が面接をしたところ、今後への強い焦りの訴えが聞かれた。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 休養の必要性をAさんと再確認する。
2: 仕事のことは考えないように伝える。
3: Aさんの上司にAさんの病状と行動との関連を説明する。
4: Aさんのテレホンカードをナースステーションで管理する。
Aさん(22歳、女性 会社員)は、昼食後、自室に大量のお菓子とお酒を持ち込み、食べて飲んでいたところを母親に注意をされたことに腹を立て、母親の目の前でリストカットを始めた。慌てた母親は、父親とともにAさんを連れて救急外来に来院した。医師が傷の処置をしようとすると「死んでやる。触るな」と大声で騒ぎ暴れ始めたため、精神科病棟に緊急入院となった。
入院当日、Aさんに対する看護師の関わりで適切なのはどれか。
1: 短期間の入院となることを伝える。
2: 母親と関係修復をするように促す。
3: リストカットをしないように説得する。
4: Aさんの心身を心配していることを伝える。
Aちゃん(5歳、男児)は、両親と2歳の妹と4人で暮らしている。Aちゃんは、1歳のときにてんかん(epilepsy)と診断され、抗てんかん薬を服用していた。数日前から、失禁を伴う意識消失発作がみられるようになったため、検査と治療の目的で入院した。母親によると、抗てんかん薬を飲ませるのを忘れてしまうことがあったという。Aちゃんは、幼稚園に通っており、外で遊んだり絵本を見たりすることが好きである。知的発達の遅れはみられない。
てんかん発作がみられなくなり、Aちゃんは退院することになった。退院後の内服について、母親は「指導を受けて忘れない工夫はしているのですが、 2歳の妹の世話が大変で、つい忘れてしまうのではないかと不安です」と言う。看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 服薬を忘れたときは、次の服薬時に倍量を飲ませるよう指導する。
2: 母親の育児・家事の負担を減らす方法について話し合う。
3: 服薬管理はAちゃん自身に任せるよう指導する。
4: 入院期間の延長を提案する。
Aさん(30歳、初産婦、会社員)は、夫と2人暮らし。妊婦38週6日で3,200gの児を正常分娩した。分娩後から母子同室を開始しており、母乳育児を希望している。
産褥4日。Aさんは乳頭を児にうまくくわえさせられず「上手におっぱいがあげられない。退院してからも続けていけるか心配です」と言う。Aさんの乳房からは移行乳の分泌がみられる。児の体重は3,040g、排尿は5回/日、排便は4回/日である。 Aさんへの授乳時のアドバイスとして、適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 3時間ごとに授乳させる。
2: 児が前屈姿勢になるように支える。
3: 児が啼泣している時に授乳させる。
4: 児の舌の上に乳頭がのるようにくわえさせる。
5: 児が大きく口を開けたタイミングで乳頭をくわえさせる。
Aさん(58歳、男性)は、 3年前に直腸癌 (rectal cancer) と診断され、手術を受けてストーマを造設 した。その後Aさんは直腸癌 (rectal cancer) を再発し、治療を行ったが効果がなく、腹部の癌性疼痛 を訴えたため、疼痛をコントロールする目的で入院していた。 Aさんは「自宅で療養したい。痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない」と在宅療養を希望した。現在、Aさんはオキシコドン塩酸塩を 1日 2回内服し、食事は食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少している。 Aさんの家族は 56歳の妻と他県で仕事をしている長女である。
Aさんは退院後、訪問診療と訪問看護を利用することになった。訪問看護師が、Aさんと家族に説明する内容で適切なのはどれか。
1: 「お風呂に入るのはやめましょう」
2: 「自宅ではベッド上で安静にしてください」
3: 「ストーマのパウチの交換をお手伝いします」
4: 「ストーマがあるので副作用の便秘は心配ありません」
Aちゃん(2歳10か月、女児)は昨日から下痢と嘔吐を繰り返し、食事が摂れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎viral gastroenteritisによる中等度の脱水症dehydrationと診断され入院した。入院時、体温38.2℃、呼吸数36/分、心拍数136/分であった。3日前の保育所の身体計測では身長90cm、体重12.5kgであった。
入院2日。Aちゃんは、水様便は続いているが嘔吐はなくなった。付き添ってる母親は「Aは大泣きして、ストレスが溜まっているみたいです。アイスクリームを食べたいみたいです」と看護師に話した。 このときに看護師が母親に伝える内容で適切なのはどれか。
1: プレイルームで遊べること
2: アイスクリームを食べてよいこと
3: 個室隔離が明日、解除されること
4: Aちゃんの好きなおもちゃを自宅から持参してよいこと
5: Aちゃんが静かに過ごせるよう看護師の訪室を控えること
Aさん(22歳、女性 会社員)は、昼食後、自室に大量のお菓子とお酒を持ち込み、食べて飲んでいたところを母親に注意をされたことに腹を立て、母親の目の前でリストカットを始めた。慌てた母親は、父親とともにAさんを連れて救急外来に来院した。医師が傷の処置をしようとすると「死んでやる。触るな」と大声で騒ぎ暴れ始めたため、精神科病棟に緊急入院となった。
入院後3週、Aさんの精神状態は落ち着き、職場に早く戻りたいと意欲があったため、退院に向けての準備をすることになった。自傷行為は、入院前の1回のみだった。Aさんは「また過食をしないか心配だ」と看護師に訴えた。そのため主治医はAさんと話し合い認知行動療法が開始となった。Aさんの退院に向けて、医師、看護師のチームと連携するメンバーで最も適切なのはどれか。
1: 栄養士
2: 薬剤師
3: 臨床心理士
4: ゲートキーパー
5: 精神保健福祉相談員
Aさん(75歳、女性)は、1人暮らし。高血圧症hypertensionの内服治療をしているが、その他に既往歴はない。認知機能は問題ない。軽度の円背があるが、日常生活動作〈ADL〉は自立している。簡単な家事は自分で行っており、家の中で過ごすことが多かった。近所に住む長女が時々、Aさんの様子を見に来ていた。 ある日、Aさんは自宅の階段を踏み外して転落し、横向きになったまま動けなくなったところを訪問してきた長女に発見され、救急車で病院に運ばれ、右大腿骨頸部骨折femoral neck fractureと診断された。そのまま入院し、緊急手術を行うことになった。
Aさんの退院日が決定した。看護師は、Aさんの退院前の指導を行うことになった。Aさんから「医師から骨がもろくなっていると言われました。これ以上悪くならないように何をすればよいでしょうか」と質問があった。 Aさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。
1: 「体操は控えましょう」
2: 「炭酸飲料を飲みましょう」
3: 「果物を積極的に摂りましょう」
4: 「日光を浴びるようにしましょう」
Aちゃん(3歳、女児)は、父親(会社員)と母親(会社員)との3人暮らし。Aちゃんは、生後11か月のときに、卵による食物アレルギー(food allergy)と診断され、医師の指示で卵の除去食療法をしていた。保育所では卵を除去した給食が提供されている。Aちゃんは保育所の給食の時間に、隣の席の園児の卵が入ったおかずを摂取し、蕁麻疹と咳嗽が出現した。保育士に連れられて救急外来を受診した。Aちゃんは保育士に抱っこされ、「かゆい」と訴えており、咳込みがみられた。
翌日、Aちゃんは症状が落ち着いたため退院することとなった。母親は「卵を除去した給食を出してもらっていたのですが、また今回の様なことが起こるのではないかと心配です」と不安な様子である。 このときの母親への指導として最も適切なのはどれか。
1: 「保育所はしばらくお休みしましょう」
2: 「給食内容を保育所の栄養士に相談しましょう」
3: 「今後の給食時の対応を保育士と相談しましょう」
4: 「保育所の園児に保育士からアレルギーについて説明してもらいましょう」
A君(2歳6か月、男児)。両親との3人暮らし。脳性麻痺(cerebral palsy)と診断され、自力で座位の保持と歩行はできず専用の車椅子を使用している。話しかけると相手の目を見て笑顔を見せ、喃語を話す。食事はきざみ食でスプーンを使うことができるが、こぼすことが多く介助が必要である。排泄、清潔および更衣は全介助が必要である。
現在、A君の母親は妊娠16週で順調に経過している。母親は「出産のときにAを預かってくれるところを探そうと思っています」と看護師に話した。父親は会社員で、毎日20時ころ帰宅する。A君の祖父母は遠方に住んでおり支援をすることができない。 母親に情報提供する社会資源で最も適切なのはどれか。
1: 乳児院
2: 病児保育
3: 情緒障害児短期入所施設
4: レスパイトを目的とする入院
5: ファミリーサポートセンター
Aちゃん5歳、(男児)は、2日前に39 ℃に発熱して両側の耳下腺部の痛みを訴えた。昨日から同部位の腫脹がみられ、頭痛を訴えている。夜間に嘔吐が4回あり、発熱と頭痛が持続したため、本日父親に連れられて来院し、髄膜炎(meningitis)の疑いで個室に入院した。通っている幼稚園には、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)(mumps) 罹患児が数名いる。 既往歴 :特記すべきことはない。 予防接種歴:年齢の定期接種はすべて済んでいる。おたふくかぜワクチンは未接種である。 家族歴 :両親は流行性耳下腺炎(mumps)罹患の既往がある。妹のBちゃん、(3歳)は、年齢相応の定期予防接種は済んでいるが、おたふくかぜワクチンは未接種である。また、流行性耳下腺炎(mumps)罹患の既往はない 。 身体所見 :体温39.2 ℃、項部硬直あり。両側耳下腺部の腫脹と圧痛あり。胸部聴診で異常なし。腹部は平坦で軟、圧痛なし。Kernig<ケルニッヒ>徴候あり。 検査所見 :白血球8,760/μL。血清アミラーゼ834 U/L (基準44~132)、CRP 0.1mg/dL。
Aちゃんは入院の翌日も発熱が続いたが、頭痛は軽減し嘔気は消失したため経口摂取を開始した。入院3日、体温は微熱となり食欲が回復したことから、翌日の退院が決定した。耳下腺は縮小しつつあるが圧痛がある。父親から看護師へ「退院後、何か注意することはありますか」と質問があった。父親への看護師の回答で適切なのはどれか。
1: 「Aちゃんの精巣の腫れに注意してください」
2: 「Aちゃんは退院後1週間は登園できません」
3: 「Aちゃんの耳の聴こえ方に注意してください」
4: 「AちゃんからBちゃんへの感染予防には明日までのワクチン接種が効果的です」