午前 6時 30分、 A県立病院の看護師は勤務中に突然、立っていられないほどの大きな揺れを感じた。病院の電源は自家発電に切り替わり A県北部を震源とするマグニチュード 7.0の地震が発生したと院内放送があった。
看護師はトリアージを待っている被災者の 1人が床に倒れているのを発見した。看護師が最初に行う対応で適切なのはどれか。
1: 自動体外式除細動器〈AED〉を装着する。
2: 呼びかけに対する反応を確認する。
3: 胸骨圧迫を開始する。
4: 大声で人を呼ぶ。
Aさん(40歳、男性、会社員)は、うつ病(depression)と診断されていた。最近、仕事がうまくいかず、大きなミスを起こし、会社に損失を与えたことから自分を責め不眠となり、体重が減少した。ある朝、リビングの床で寝ているAさんを妻が発見し、大きな声で呼びかけたところ、Aさんは1度目を開けたが、すぐ目を閉じてしまった。ごみ箱に、からになった薬の袋が大量に捨ててあり、机には遺書があった。救急搬送後、意識が清明となり、身体的問題がないため精神科病院に入院となった。
入院時の看護師のAさんに対する関わりで適切なのはどれか。
1: いま死にたい気持ちがあるか尋ねる。
2: 命を大切にしたほうがよいと伝える。
3: 死ぬ気があれば何でもできると話をする。
4: 家族が悲しむから死んではいけないと伝える。
Aさん(75歳、女性)は、夫とは3年前に死別し、1人暮らし。喫煙歴があり、5年前に慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)と診断された。長女は隣県に住んでおり、時々様子を見に来ている。Aさんは受診を継続しながら、ほぼ自立して生活していた。今回、咳・痰の症状に加え呼吸困難が増強したため入院となった。入院後は酸素療法(鼻カニューレ:2L/分)と薬物療法を受け、症状が改善し、在宅酸素療法を導入し退院することになった。Aさんは初めて要介護認定を受けたところ、要支援2であった。
退院後の生活での問題点の確認のため、カンファレンスを開催することになった。Aさんは、自宅での療養を強く希望しており、2L/分の酸素投与下で呼吸状態や日常生活動作(ADL)については入院前と同程度まで回復してきているが、まだ退院後の買い物や洗濯などは負荷が強く、支援が必要と判断された。また、Aさんは、呼吸困難の再発について不安を訴えている。 カンファレンスの検討内容で優先度が高いのはどれか。
1: 電動ベッドの導入
2: 娘の居宅への転居
3: 急性増悪時の対応方法
4: 介護予防短期入所生活介護の利用
Aさん(81歳、男性)は、妻(73歳)と2人暮らし。自宅でのADLは自立し、認知機能に障害はない。Aさんは食欲不振と腹部不快感、微熱を主訴に受診したところ、急性胆嚢炎(acute cholecystitis)と診断され、その日のうちに入院した。Aさんのバイタルサインは、体温37.3 ℃、呼吸数22/分、脈拍90/分、血圧136/84mmHg。入院後は絶飲食の指示があり、持続点滴静脈内注射と抗菌薬の投与が開始された。トイレ歩行の許可は出ている。
入院後3週、Aさんは症状が改善し、退院することになった。Aさんは「退院したら孫たちと温泉旅行をして、おいしいものをたくさん食べることが楽しみです。何か気を付けることはありますか。」と看護師に話した退院時のAさんへの指導で適切なのはどれか。
1: 「上腹部の痛みがあったら受診してください」
2: 「食事内容の制限はありません」
3: 「運動は控えてください」
4: 「入浴しないでください」
Aさん(30歳、初産婦)は妊娠39週3日で陣痛発来し、4時に入院した。その後、陣痛が増強して順調な分娩進行と診断されて、11時45分の診察で子宮口が8cm開大となった。看護師が12時に昼食を配膳にいくとAさんは額に汗をかいて、側臥位で「陣痛がつらくて何も飲んだり食べたりしたくありません」と言っている。陣痛発作時は強い産痛と努責感を訴え、目を硬く閉じて呼吸を止めて全身に力を入れている。
Aさんへの看護で最も適切なのはどれか。
1: 坐位になるよう勧める。
2: シャワー浴を勧める。
3: 食事摂取を促す。
4: 呼吸法を促す。
Aさん(38歳、初産婦)は、妊娠38週3日に2,900gの女児を正常分娩した。出産前は、Aさんは夫と2人で暮らしていた。引っ越して3か月であり、周囲に親しい知り合いや友人はまだいない。
産褥5日。Aさんは「少しずつ育児ができるようになってよかったですが、自宅での育児は不安です」と話している。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 児童相談所に連絡する。
2: 保育所の利用を勧める。
3: 新生児訪問の時期を早めるよう市町村保健師に依頼する。
4: 子育てをしている親の会に退院直後から参加することを勧める。
Aさん(72歳、女性)は、 1人で暮らしている。Aさんは 1年前に夫を亡くした後、近所付き合いが少なくなっていた。遠方に住む Aさんの息子が時々電話で様子を確認していた。最近は元気がなく、 Aさんの息子が心配して様子を見に来たところ、食事を食べた様子がなく、ごみは捨てられていなかった。 Aさんは発熱してぐったりしており、息子に連れられて病院を受診した。 Aさんは脱水状態の治療と抑うつ状態の疑いのため検査が必要であると判断されて入院した。Aさんの既往歴に特記すべきことはない。
入院後 1週間、Aさんの脱水状態は改善したが臥床していることが多い。 Aさんは排泄時、手すりを使用してトイレまで歩行しているが、着脱動作が緩慢で失禁することが多い。 Aさんへの排泄援助として最も適切なのはどれか。
1: オムツの着用を勧める。
2: トイレに近い病室に変更する。
3: 膀胱留置カテーテルの挿入を検討する。
4: ポータブルトイレをベッドの横に設置する。
Aさん(80歳、男性)は、(妻80歳)と2人暮らし。血管性認知症(vascular dementia)でパーキンソニズムがみられる。認知症高齢者の日常生活自立度判定基準ランクⅡb、要介護2。普段は妻がAさんの身の回りの世話をしているが、妻が入院したため短期入所療養介護のサービスを受けることになった。入所時のAさんは歩行開始困難、加速歩行、すくみ足などの歩行障害がみられた。Aさんは「最近、家の中でつまずくことが多くなりました」と入所中の施設の看護師に話した。
入所初日の夜、Aさんはトイレに行った後、入所者Bさんの部屋に入ったという夜勤者からの申し送りがあった。
1: Aさんの部屋の前にAさんが認識しやすい目印を掲示する。
2: 夜間は2時間ごとにAさんを起こしてトイレに誘導する。
3: 夜間は尿器を使用することをAさんに勧める。
4: AさんとBさんの部屋を入れ替える。
A 君( 8 歳、男児)は、携帯型電子ゲームやサッカーが好きである。A 君は宿題をしているときに、突然意識を失い、10 数秒持続する四肢の屈曲を伴うけいれんを起こした。その後、全身の筋肉の収縮と弛緩を繰り返すけいれんが 10 秒程度続き、A 君の呼吸は停止しチアノーゼが認められた。けいれんが終了し呼吸は回復したが、意識障害が持続していたため病院に救急搬送された。
入院後 1 週。A 君は同じ病室に入院している他の患児と話したり、漫画を読んだりしてベッド上で過ごしている。入院後は抗てんかん薬を服用し、発作はみられていない。このときの A 君への指導内容で最も適切なのはどれか。
1: 1 人で入浴する。
2: 病棟の外を散歩する。
3: 好きな携帯型電子ゲームで遊ぶ。
4: 病棟レクリエーションへ参加する。
A さんの母親は過干渉で、A さんが反論すると厳しい口調でいつまでも A さんを批判し続けるため、A さんは母親との関係に悩んできた。その母親と同年代で体格が似ている担当看護師に対し、A さんは常に反抗的な態度をとり、強い拒絶を示している。A さんにみられるのはどれか。
1: 投影
2: 逆転移
3: 反動形成
4: 陰性転移
A さん(80 歳、女性)は、 1 人で暮らしている。内科と整形外科とを受診しているが、 2 週前から内服薬の飲み間違いがあり、主治医から訪問看護師に服薬管理の依頼があった。A さんがセルフケアを維持して内服するための訪問看護師の服薬管理の支援で最も適切なのはどれか。
1: 内服薬は薬局から訪問看護師が受け取る。
2: 自宅での内服薬の保管場所を分散する。
3: 内服指導を診療科ごとに依頼する。
4: 内服薬を 1 回分ごとにまとめる。
認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)で正しいのはどれか。
1: 光熱費は自己負担である。
2: 12人を1つのユニットとしている。
3: 看護師の配置が義務付けられている。
4: 介護保険制度の施設サービスである。
5: 臨死期は提携している病院に入院する。
Aさん(79歳、女性)。自宅の玄関で転倒し、救急外来で第12胸椎の圧迫骨折(compression fracture)と診断され、安静目的で入院した。 既往歴 : 5年前に大腿骨骨折(femoral fracture)。 現病歴 : 2年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病(Alzheimer disease)を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。 生活歴 : 要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。
入院後3週、Aさんはコルセットを装着し、杖を使ってゆっくり歩けるようになった。翌週には自宅へ退院することが決まった。 Aさんの退院に向けて、Aさんと長男夫婦への指導内容で適切なのはどれか。
1: 自宅ではコルセットを外してよい。
2: 家の中での日常生活行動を積極的に行う。
3: 5,000歩程度のウォーキングを毎日行う。
4: ビタミンB1の多い食品を積極的に摂取する。
Aさん(43歳、女性)は夫と2人暮らし。身長150cm、体重98kg。既往歴はない。先日、庭で転倒し右腓骨を骨折し、膝関節から足関節までのギプス固定をしている。来週、プレート固定術を受けることになっており、本日は夫と一緒に術前オリエンテーションに来院した。来院時のAさんのバイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数16/分、脈拍80/分、血圧138/80mmHgであった。夫によると「妻は、寝ているときはいつも大きないびきと、時々無呼吸があるので、慌てて起こしている」と言う。
Aさんは入院し、手術を受けた。手術室から病室への帰室後1時間、Aさんのバイタルサインは、体温35.9℃、呼吸数16/分、いびき様呼吸、脈拍60/分、血圧145/87mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%(鼻腔カニューレ3L/分酸素投与下)。大きな声で呼ぶと開眼し、簡単な指示に従うことができる。尿量は70mL/時、血糖値128mg/dLであった。 看護師が優先して対処すべきAさんの症状・徴候はどれか。
1: 体温35.9℃
2: いびき様呼吸
3: 血圧145/87mmHg
4: 尿量70mL/時
5: 血糖値128mg/dL