第109回午後第60問の類似問題

Aさん(81歳、女性)は、1人暮らし。7年前から糖尿病(diabetes mellitus)、高血圧症(hypertension)、便秘症(constipation)で病院の内科に定期的に通院しており、近所に住む長女が時々様子を見に来ていた。本日、長女がAさん宅を訪ねたところ、Aさんは床に倒れて起き上がれなくなっていた。受診の結果、胸椎と腰椎の圧迫骨折(compression fracture)で病院に入院した。入院時、Aさんは病棟看護師に「朝食は食べていません。朝の薬を飲んだと思うが、はっきり覚えてません。家に帰ればわかります」と話した。病棟看護師が体のことで心配なことはあるかを問うと「この半年で体重が2kg減りました。最近は疲れやすく歩くのもゆっくりで、握力も弱くなり荷物を持つのがつらいです。このまま寝たきりになるのではないかと不安です」と話した。内科のカルテには1か月前の計測で身長150cm、体重41kgと記載されていた。入院時のバイタルサインは、体温36.6℃、呼吸数16/分、脈拍80/分、血圧144/88mmHg。血糖値114mg/dLで、軽度の皮膚湿潤があった。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは29点であった。

第108回午前:第120問

Aさんは、入院中に要介護1と認定された。退院後は週2回の家事援助サービスを利用した。退院3か月後、Aさんは長女と病院の整形外科外来を受診した。長女は診察を待つ間、外来看護師に「母は最近、ご飯を食べたのに食べていない、と近所の人に言うので困っている。薬の飲み忘れも目立ってきた。どうしたらよいか」と話した。 外来看護師が長女に説明する内容で適切なのはどれか。

1: 「介護度の見直しについて、介護支援専門員に相談しましょう」

2: 「食べ物を目につく場所に置きましょう」

3: 「近所に出かけないよう説明しましょう」

4: 「入院した高齢者によくある症状です」

第101回午後:第70問

Aちゃん(4歳)は、風邪で小児科外来を受診した。診察を待っている間、母親から看護師に「昼間は自分でトイレに行けるようになったのに、まだおねしょをするのですが大丈夫でしょうか」と相談があった。 看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 「今は心配ないのでもう少し様子をみましょう」

2: 「夜中に1度起こしておしっこを促してください」

3: 「2時間おきにトイレに行く習慣をつけましょう」

4: 「小児専門の泌尿器科を受診した方がよいでしょう」

Aちゃんは39週0日に体重3000gで出生した。両親との3人家族である。顔貌(がんぼう)などの特徴や心室中隔欠損があることからダウン症候群(Down’s syndrome)が強く疑われた。

第100回午前:第109問

出生当日、医師は、両親に染色体検査の必要性と、検査の結果が出てから詳しい話をすることを説明した。両親は大きなショックを受けていたが、検査に同意した。 Aちゃんの入院中における両親への看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 早期療育の必要性を説明する。

2: ダウン症候群(Down’s syndorome)の親の会への入会を勧める。

3: ダウン症候群(Down’s syndorome)の治療について説明をする。

4: 一緒にAちゃんの世話をすることを提案する。

Aちゃん(1歳2か月、女児)は、在胎38週2日、2,300g、新生児仮死状態で出生し、NICUで全身管理が行われた。人工呼吸器は3週後に離脱できたが、咳嗽反射が弱く嚥下障害がみられた。追視がなく、痙直性の四肢麻痺がみられるようになり、生後8か月で脳性麻痺と診断された。1歳の時点で小児病棟へ転棟し、退院に向けた準備を行っている。現在、身長と体重は年齢相当で、鼻腔から経管栄養を行っており、日常的に口腔内吸引が必要である。Aちゃんは第1子で、父親は会社員、母親は専業主婦である。

第102回午後:第120問

母親は経管栄養と口腔内吸引とを1人で実施できるようになったが、「退院したら、昼間、Aと2人だけで過ごすのは心配です。Aの具合が悪いときにはどうしたら良いのでしょう」と話す。 Aちゃんが在宅療養に移行するために検討する内容で優先度が高いのはどれか。

1: 保育所への入所

2: 訪問看護の依頼

3: 家事支援のヘルパーの依頼

4: 地域の子育てグループへの参加

第103回午後:第53問

Aさん (85歳、男性 )は、認知症 (dementia)である。 Aさんは肺炎 (pneumonia)で入院し、病状が改善した ため、主治医は退院を許可した。 Aさんは「家に帰りたい」と繰り返し言っているが、同居していた長男夫婦は高齢者施設への入所を希望している。このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 主治医に退院後の療養場所を決定してもらう。

2: 長男夫婦に Aさんの希望を尊重するよう話す。

3: 長男夫婦に入所が可能な高齢者施設の情報を提供する。

4: 長男夫婦が Aさんの施設への入所を希望している理由を確認する。

Aちゃん(1歳2か月、女児)は、在胎38週2日、2,300g、新生児仮死状態で出生し、NICUで全身管理が行われた。人工呼吸器は3週後に離脱できたが、咳嗽反射が弱く嚥下障害がみられた。追視がなく、痙直性の四肢麻痺がみられるようになり、生後8か月で脳性麻痺と診断された。1歳の時点で小児病棟へ転棟し、退院に向けた準備を行っている。現在、身長と体重は年齢相当で、鼻腔から経管栄養を行っており、日常的に口腔内吸引が必要である。Aちゃんは第1子で、父親は会社員、母親は専業主婦である。

第102回午後:第119問

退院に向けて、自宅でのケアを習得するために母親が付き添うことになった。母親は、看護師と一緒にAちゃんの沐浴を行うことを楽しみにしているが、眠っているAちゃんの頭をなでながら、「Aがこんなことになったのは私の責任だと思う。家で世話をするのは自信がないけど頑張るしかない。この先、どの様に育っていくのだろう」と話す。父親は仕事が忙しいが家事を行い、週末は必ず面会に訪れている。 家族への看護で適切なのはどれか。

1: 父親への沐浴指導は母親に任せる。

2: 面会を増やせば母親が楽になると父親に伝える。

3: 将来のことは考えても仕方がないと母親に話す。

4: Aちゃんのケアについて母親ができていることを認める。

第104回午後:第73問

A さん(79 歳、女性)は、癌の化学療法を受けていたが、脳出血 (cerebral hemorrhage) を起こし意識不明の状態になった。A さんの家族は回復する見込みはないと医師から説明を受けた。家族は A さんの延命を望んでおり、医師と今後の治療方針を決定する前に看護師に相談した。A さんの家族への対応で最も適切なのはどれか。

1: 医師に方針を決めてもらうよう伝える。

2: 病院の倫理委員会に判断を依頼するよう伝える。

3: A さんのアドバンスディレクティブ〈事前指示〉を確認するよう伝える。

4: 経管栄養法を開始することで A さんの身体の状態は維持できると伝える。

第110回午後:第66問

Aさん(69歳、女性)は、主治医、訪問看護師とともに、母(91歳)を自宅で看取った。死亡確認の直後、Aさんは涙ぐみながら「母のためにもっとできることがあったのではないかと申し訳なく思います」と話した。  このときに訪問看護師が行うAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 遺族の会を紹介する。

2: 母への思いを傾聴する。

3: 遺品を整理することを勧める。

4: 新たなことに取りかかるよう促す。

Aちゃん(5歳、男児)は、両親と2歳の妹と4人で暮らしている。Aちゃんは、1歳のときにてんかん(epilepsy)と診断され、抗てんかん薬を服用していた。数日前から、失禁を伴う意識消失発作がみられるようになったため、検査と治療の目的で入院した。母親によると、抗てんかん薬を飲ませるのを忘れてしまうことがあったという。Aちゃんは、幼稚園に通っており、外で遊んだり絵本を見たりすることが好きである。知的発達の遅れはみられない。

第101回午前:第112問

Aちゃんは、入院後、突然意識が消失して動作が止まる 10秒程度の発作が1日に数回みられているが、その他は元気に過ごしている。Aちゃんへの看護で正しいのはどれか。

1: 排泄時には付き添う。

2: 食事はきざみ食とする。

3: ベッド上で安静とする。

4: 日中は病室を薄暗くしておく。

第100回午前:第70問

出産後、児に先天性心疾患(congenital heart disease)があると診断され、母親が「この子の病気は私のせいです」と話している。 母親への看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 児との面会を制限する。

2: 母親の責任ではないと説明する。

3: 母親への病状に関する説明は控える。

4: 母乳を与えることはできないと説明する。

Aさん(85歳、男性)は、 5年前に脳梗塞 (cerebral infarction) を発症し右片麻痺があり、要介護 3の認定 を受けた。Aさんの子どもは遠方に住んでおり、腰痛のある Aさんの妻(80歳)が 1 人で介護している。Aさんは、週 2日通所介護を利用している。

第103回午前:第102問

3年後、Aさんは誤嚥性肺炎 (aspiration pneumonia) で入退院を数回繰り返したことから ADLが低下し、 要介護 5になった。そのため、Aさんの妻の腰痛が悪化し、Aさんは介護老人福祉施設に入所した。入所後 1か月が経過し、Aさんは発熱、傾眠傾向が続いている。 Aさんの妻は医師から死期が近いと説明を受け動揺した。 Aさんの妻は「自宅で看取ることができず、夫に悪いと思っています」と施設の看護師に話した。 Aさんの妻への声かけで最も適切なのはどれか。

1: 「あなたがしっかりしましょう」

2: 「自宅で看取るようにしましょう」

3: 「長い間、十分介護をしてきましたよ」

4: 「私たちが看取りますので大丈夫ですよ」

Aさん(99歳、女性)は、特別養護老人ホームに入所している。脳卒中(stroke)の後遺症で左片麻痺がある。肺炎(pneumonia)をきっかけに寝たきりになり、食事摂取量が低下した。Aさんは「私はここで最期を迎えたい。痛い思いはしたくない。死ぬときは苦しまないようにしてもらいたい」と何度も話すようになった。娘夫婦と孫とが頻繁に面会に来ている。医師が家族に回復の見込みが低いことを伝え、家族は特別養護老人ホームでの看取りに同意した。

第101回午後:第105問

Aさんは深い昏睡の状態になり、四肢の冷感、チアノーゼ及び下顎呼吸が出現してきた。痰は絡んでいない。医師は付き添っていた家族にAさんの死が近いことを告げた。Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 見守る。

2: 下肢を挙上する。

3: 酸素吸入をする。

4: 気管内吸引をする。

Aくん(12歳、男子)は、5歳で気管支喘息(bronchial asthma)と診断され、抗アレルギー薬の服用と副腎皮質ステロイドの吸入をしている。アレルゲンはハウスダストである。Aくんは小学3年生までは、年に数回の中発作を起こし入院治療をしていた。その後は、月に1回の外来通院で症状はコントロールされ、入院することはなかった。小学6年生の冬に学校で中発作を起こし、学校に迎えに来た母親とともに救急外来を受診した。

第100回午後:第107問

気管支拡張薬の点滴静脈内注射でAくんの症状は改善した。Aくんは、医師や看護師の質問には素直に答えているが、心配する母親には「病院に来るほどじゃないんだよ、入院はしないからな」と反抗的な態度をとっている。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: なぜそう思おうのかをAくんに尋ねる。

2: Aくんにではなく母親に病状を尋ねる。

3: 母親への態度が適切でないとAくんを叱る。

4: 親子関係に問題があるのではないかと母親に伝える。

Aちゃん(7歳、女児、小学1年生)は、3歳ころから夜間就寝中や保育所の昼寝の時に時々いびきがあり、保育所の友達に「Aちゃんがうるさくて眠れない」と言われた。母親が心配してAちゃんを小児科外来に連れて行った。その後、Aちゃんは外来で経過観察されてきたが、今年の4月から7月までの間に、急性扁桃炎(acute tonsillitis)を3回起こしていることや、睡眠時無呼吸がみられるようになったことから、8月中に扁桃腺摘出術を受けることになった。

第109回午後:第104問

手術後1日。Aちゃんはベッド上で、静かにぬり絵をして遊んでいたが、昼食時には黙って涙ぐみ、食事や水分も摂ろうとしない。付き添っている母親は「痛くて食べられないようです」と看護師に言った。Aちゃんのバイタルサインは、体温37.6 ℃、血圧100/60 mmHg。看護師がAちゃんの痛みを把握するのに最も適切な方法はどれか。

1: Aちゃんの表情を観察する。

2: 母親にAちゃんの痛みの様子を聞く。

3: Aちゃんに痛みの程度を話してもらう。

4: Aちゃんに痛みスケールを使って示してもらう。

第105回午後:第49問

Aさん(80歳、男性)は、脳梗塞(cerebral infarction)の治療のために入院した。Aさんは多弁であり「めがねをとってください」のことを「めとねをとってください」などと話す様子が観察される。 Aさんの症状で正しいのはどれか。

1: 錯語

2: 感情失禁

3: 喚語困難

4: 運動性失語

Aさん(58歳、男性)は、 3年前に直腸癌 (rectal cancer) と診断され、手術を受けてストーマを造設 した。その後Aさんは直腸癌 (rectal cancer) を再発し、治療を行ったが効果がなく、腹部の癌性疼痛 を訴えたため、疼痛をコントロールする目的で入院していた。 Aさんは「自宅で療養したい。痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない」と在宅療養を希望した。現在、Aさんはオキシコドン塩酸塩を 1日 2回内服し、食事は食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少している。 Aさんの家族は 56歳の妻と他県で仕事をしている長女である。

第103回午前:第117問

Aさんの傾眠傾向が強まり、時々無呼吸がみられるようになった。Aさんは食事や水分の摂取量は少ないが、疼痛を訴えることはない。 Aさんの妻は「できればこのまま自宅でみていきたい」と話している。 Aさんを自宅で看取るための訪問看護師の対応として適切なのはどれか。

1: 高カロリー輸液の開始を医師と相談する。

2: 24時間の継続した観察を Aさんの家族へ指導する。

3: 仕事を辞めて介護を行うように Aさんの長女を説得する。

4: 今後起こりうる身体症状の変化を Aさんの家族へ説明する。

Aさん(82歳、女性)は息子(57歳、会社員)と息子の妻(55歳、パート勤務)との3人暮らし。3年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症Alzheimer diseaseと診断され、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱb、要介護2である。Aさんの介護は、主に息子の妻が行っていた。Aさんは、声かけがあれば日常生活動作〈ADL〉を自分で行うことができた。しかし、Aさんは徐々に認知症が重度化し、1人で外出すると帰ってくることができなくなり、夜間に落ちつきなく動き回ることが多くなった。息子と息子の妻はAさんの介護について介護支援専門員に相談していたが、息子の妻は睡眠不足となり、体調を崩してしまった。そのため、Aさんは介護老人保健施設に入所することになった。

第111回午後:第97問

看護師からAさんに施設について説明したが、その後もAさんは「ここはどこ」と繰り返し聞いていた。息子の妻は「私がやらなければいけないことは何ですか」と聞いてきた。  息子の妻に対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 「面会に来てください」

2: 「家族会に参加しましょう」

3: 「まずは休息をとりましょう」

4: 「認知症への対応を覚えましょう」

第103回午後:第56問

Aさん ( 80歳、男性 )は、肺炎 (pneumonia)と高血圧症 (hypertension)で入院している。入院日の夜から Aさ んにはせん妄の症状がみられる。 Aさんの家族は「しっかりした人だったのに急におかしくなってしまった」と動揺している。せん妄について Aさんの家族への説明で正しいのはどれか。

1: 「認知症 (dementia)の一種です」

2: 「昼間に起こりやすいです」

3: 「一度起こると治りません」

4: 「環境の変化で起こることがあります」

Aちゃん(8歳、女児)は、両親と妹(3歳)の4人家族である。2歳時に気管支喘息(bronchial asthma)と診断された。5歳までは喘息発作のため救急外来を受診することも多く年に1回は入院していた。6歳から発作を起こすこともなくなり、定期受診はしなくなっていた。アレルゲンは、ダニとハウスダストである。

第108回午後:第100問

Aちゃんは、学校から帰ってきた後から咳嗽がみられ、元気がなかった。夕食はあまり食べずに就寝した。夜間になり「苦しくて眠れない」と訴え、母親とともに救急外来を受診した。口元での喘鳴が著明であり、問診すると途切れ途切れに話した。救急外来受診時のバイタルサインは、体温36.9℃、呼吸数36/分、心拍数120/分、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)92%であった。 Aちゃんの気管支喘息の発作強度はどれか。

1: 小発作

2: 中発作

3: 大発作

4: 呼吸不全

第102回午後:第70問

A君(14歳、男子)は、心室中隔欠損症(ventricular septal defect)のために通院している。母親とともに外来を受診しているが、母親がトイレに行った際に、A君は「自分の心臓のことはよく理解しているし、もう1人で受診したいけど、母さんが心配だから一緒に行くってうるさくて」と看護師に話した。 看護師の最初の対応として適切なのはどれか。

1: 母親にA君への関わりが過保護だと伝える。

2: 母親の心配を理解してあげなさいとA君に話す。

3: 次回からは1人で受診してもよいとA君に話す。

4: 母親がいない場でA君の気持ちを聴く機会をもつ。