Aさん(68歳、男性)は妻(68歳)と2人暮らし。膀胱癌bladder cancerで尿路ストーマを造設している。A さんはストーマ装具の交換に慣れてきたため、妻と帰りで近くの温泉地を旅行する計画を立てており、外来看護師に助言を求めた。 外来看護師がAさんに助言する内容で適切なのはどれか。
1: 装具の交換に必要な物品一式を2回分持参する。
2: 旅行中の水分摂取は1日1,000mL以内に控える。
3: 他の入浴客がいなければ装具を外して入浴できる。
4: オストメイト対応のトイレがなければ旅行先を変更する。
Aさん(58歳、男性)は、 3年前に直腸癌 (rectal cancer) と診断され、手術を受けてストーマを造設 した。その後Aさんは直腸癌 (rectal cancer) を再発し、治療を行ったが効果がなく、腹部の癌性疼痛 を訴えたため、疼痛をコントロールする目的で入院していた。 Aさんは「自宅で療養したい。痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない」と在宅療養を希望した。現在、Aさんはオキシコドン塩酸塩を 1日 2回内服し、食事は食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少している。 Aさんの家族は 56歳の妻と他県で仕事をしている長女である。
Aさんは退院後、訪問診療と訪問看護を利用することになった。訪問看護師が、Aさんと家族に説明する内容で適切なのはどれか。
1: 「お風呂に入るのはやめましょう」
2: 「自宅ではベッド上で安静にしてください」
3: 「ストーマのパウチの交換をお手伝いします」
4: 「ストーマがあるので副作用の便秘は心配ありません」
Aさん ( 42歳、男性 )は、血尿を主訴に泌尿器科を受診した。診察の結果、 Aさんは膀胱鏡検査を受けることになった。 Aさんへの検査についての説明で適切なのはどれか。
1: 「入院が必要です」
2: 「前日は夕食を食べないでください」
3: 「局所麻酔で行います」
4: 「終了後は水分の摂取を控えてください」
Aさん(73歳、女性)は、既往歴はなく自立した生活を送っていた。最近、尿意を我慢できず尿失禁することがあり、夜間の排尿回数も増えたため、病院を受診した。その結果、過活動膀胱overactive bladderと診断された。 Aさんへの看護師の指導内容で適切なのはどれか。
1: 腹筋を鍛える。
2: 膀胱訓練を行う。
3: 水分摂取を控える。
4: 尿意を感じたらすぐトイレに行く。
Aさん(92歳、女性)は、脳梗塞cerebral infarctionの後遺症のため要介護4で、2年前から特別養護老人ホームに入所している。入所時は、日常生活は全介助で、話しかけるとうなずいたり首を振るなど自分の意思を伝えることができた。Aさんは歌が好きで、歌に関するレクリエーションには車椅子で参加し、笑顔がみられていた。家族は週1回、面会に来ていた。入所時に、Aさんは「延命処置を望まない」、家族は「できるだけ長生きしてほしい」と言っていた。 最近、ほとんど食事を摂らなくなり、閉眼していることが多く、看護師や施設職員の声かけに対する反応が徐々に鈍くなってきた。家族が面会時に声をかけると、目を開け、うなずくなどの意思表示がある。Aさんの状態から、医師と相談し看護師は看取りの準備が必要であると判断した。
Aさんは、食事を全く食べず、水分も取らなくなり、皮膚も乾燥してきた。家族は毎日面会にきて声をかけているが、反応がなくなってきた。 Aさんが死に向かう中で、穏やかに過ごすための援助で適切なのはどれか。
1: 好きな音楽をかける。
2: 輸液療法を検討する。
3: 家族の面会を制限する。
4: 皮膚の清潔ケアを頻回に行う。
Aさん(87歳、女性)は、 6年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症(dementia of Alzheimer type)を発症した。在宅で療養していたが、夫が介護に疲れたために施設に入所した。現在、長谷川式簡易知的機能評価スケール〈HDS-R〉10点、障害高齢者の日常生活自立度判定基準B-1である。下肢筋力や立位バランスの低下がある。自宅では自分で車椅子に移乗してトイレに行き排泄していた。尿失禁はなかった。入所直後、Aさんは表情が険しく落ち着きがなく、看護師が声をかけても応じない。自発的にトイレに行きたいという発言はなく、着衣を尿で汚染することが多いためトイレ誘導を行うことにした。
入所後2週。Aさんの表情は穏やかになり行動も落ち着くようになった。自発的に車椅子に乗り廊下を移動している。尿意はあるが、尿失禁が続いている。 尿失禁の状態を把握するために行う看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 排泄動作を全介助する。
2: 夜間は下着をオムツに変更する。
3: 尿失禁の不快感について質問する。
4: 廊下を移動中、トイレに行きたいのかを確認する。
Aちゃん(2歳10か月、女児)は昨日から下痢と嘔吐を繰り返し、食事が摂れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎viral gastroenteritisによる中等度の脱水症dehydrationと診断され入院した。入院時、体温38.2℃、呼吸数36/分、心拍数136/分であった。3日前の保育所の身体計測では身長90cm、体重12.5kgであった。
入院2日。Aちゃんは、水様便は続いているが嘔吐はなくなった。付き添ってる母親は「Aは大泣きして、ストレスが溜まっているみたいです。アイスクリームを食べたいみたいです」と看護師に話した。 このときに看護師が母親に伝える内容で適切なのはどれか。
1: プレイルームで遊べること
2: アイスクリームを食べてよいこと
3: 個室隔離が明日、解除されること
4: Aちゃんの好きなおもちゃを自宅から持参してよいこと
5: Aちゃんが静かに過ごせるよう看護師の訪室を控えること
Aさん(74歳、男性)は、強い下腹部痛のため救急車で搬入された。Aさんは顔面蒼白で、冷汗をかき、腹部を押さえている。一緒に来た妻は、「夫はいつも尿が出にくい。夜は、3回はトイレに行くのに、昨夜は行かなかった。今朝もポタポタとしか出なかった。便秘はしていない」と話した。Aさんは4年前に脳梗塞(cerebral infarction)になり、重い構音障害があるが理解力に問題はなく、身の回りのことは全部自分でできている。搬入時のAさんは、看護師と視線を合わせることができ、問いかけにはうなずきで答えている。
Aさんは、治療後、自力排尿が可能となったが、トイレまで間に合わずに少量の尿失禁を繰り返している。Aさんはトイレで排尿することを強く希望している。 Aさんへの看護師の対応として最も適切なのはどれか。
1: トイレに近い病室に移動する。
2: 水分の摂取を控えるよう説明する。
3: できるだけ尿意を我慢するように言う。
4: 尿意はなくても、4時間ごとにトイレに行くよう勧める。
Aさん(80歳、男性)は、(妻80歳)と2人暮らし。血管性認知症(vascular dementia)でパーキンソニズムがみられる。認知症高齢者の日常生活自立度判定基準ランクⅡb、要介護2。普段は妻がAさんの身の回りの世話をしているが、妻が入院したため短期入所療養介護のサービスを受けることになった。入所時のAさんは歩行開始困難、加速歩行、すくみ足などの歩行障害がみられた。Aさんは「最近、家の中でつまずくことが多くなりました」と入所中の施設の看護師に話した。
Aさんは「もっと歩けるようになりたい。妻の負担にならずに生活できるようになりたい」と話している。退所後にAさんが利用する介護給付におけるサービスで最も適切なのはどれか。
1: 訪問介護
2: 療養通所介護
3: 通所リハビリテーション
4: 認知症対応型共同生活介護<認知症高齢者グループホーム>
Aさん(57歳、女性)は1人暮らし。統合失調症schizophreniaで精神科病院への入退院を繰り返しており、今回は入院してから1年が経過している。日常生活動作〈ADL〉はほぼ自立し、服薬の自己管理ができるようになってきた。 Aさんが退院に向けて利用するサービスとして適切なのはどれか。
1: 療養介護
2: 施設入所支援
3: 地域移行支援
4: 自立訓練としての機能訓練
A さん(52 歳、女性、専業主婦)は、夫と 2 人の息子との 4 人で暮らしている。A さんは内向的な性格であり、順番にまわってきた町内会の役員を引き受けたことで悩むことが多くなった。 2 か月前から食欲不振と不眠が続いている。 1 か月前から家事ができなくなり、死んでしまいたいと言い始めたため、夫が付き添って精神科を受診したところ、うつ病 (depression) と診断された。
入院後 1 か月。A さんは「私は役に立たない人間です。昔から妻や母親としての役割を果たせていませんでした」と発言している。食事は 3 分の 2 を摂取できるようになり、夜間も眠れていることから、主治医は認知療法への参加を勧めた。この時点の認知療法で修正するのはどれか。
1: 内向的な性格
2: 低下した意欲
3: A さんと息子との親子関係
4: 自分は役に立たない人間だという考え方
Aさん(56歳、男性)は、コンビニエンスストアの店長で自動車を運転して通勤している。不規則な生活が続き、ストレスが溜まることも多く、十分な睡眠がとれないこともあった。荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現し受診したところ、狭心症(angina pectoris)が疑われたため検査をすることになった。脂質異常症(dyslipidemia)の既往がある。
Aさんの経過は順調で、手術後4日に退院することになった。Aさんは「家に戻ってもまた症状が出るのではないかと心配です」と話した。 Aさんに対する退院指導の内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 「水分摂取を控えましょう」
2: 「肉類を多く食べましょう」
3: 「睡眠時間を確保しましょう」
4: 「自動車の運転はやめましょう」
5: 「次回の外来受診までは重い荷物を運ぶ作業は控えましょう」
Aちゃん(4歳)は、風邪で小児科外来を受診した。診察を待っている間、母親から看護師に「昼間は自分でトイレに行けるようになったのに、まだおねしょをするのですが大丈夫でしょうか」と相談があった。 看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 「今は心配ないのでもう少し様子をみましょう」
2: 「夜中に1度起こしておしっこを促してください」
3: 「2時間おきにトイレに行く習慣をつけましょう」
4: 「小児専門の泌尿器科を受診した方がよいでしょう」
Aさん(38歳、女性)は、大腸癌colon cancerの終末期である。癌性腹膜炎cancerous peritonitisによる症状緩和の目的で入院し、鎮痛薬の静脈内注射と高カロリー輸液が開始された。Aさんは自宅で過ごしたいと希望したため、医師と看護師で検討し、症状緩和をしながら自宅退院の方向で退院支援カンファレンスを開催することになった。 退院支援カンファレンスの参加者で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 薬剤師
2: 言語聴覚士
3: 臨床検査技師
4: 介護支援専門員
5: ソーシャルワーカー
Aさん(85歳、男性)は、 5年前に脳梗塞 (cerebral infarction) を発症し右片麻痺があり、要介護 3の認定 を受けた。Aさんの子どもは遠方に住んでおり、腰痛のある Aさんの妻(80歳)が 1 人で介護している。Aさんは、週 2日通所介護を利用している。
Aさんの妻は「夜中にオムツを替えるために毎日起こされ、腹が立ちます」と通所 介護の送り迎えを担当している看護師に訴えた。 最初に Aさんの妻へ話しかける言葉で適切なのはどれか。
1: 「主治医に相談しましょう」
2: 「これまで通り頑張りましょう」
3: 「夜眠れないと本当に大変ですね」
4: 「Aさんはもっとつらいと思いますよ」
Aさん(42歳、女性)は、交通事故による脊髄損傷(spinal cord injury)で入院し、リハビリテーションを受けた。Aさんの排泄の状況は、間欠的導尿による排尿と、坐薬による3日に1回の排便である。同居する夫と実母が導尿の指導を受け、退院することになった。初回の訪問看護は退院後3日目とし、その後は訪問看護を週2回受けることになった。 入院していた医療機関から提供された患者情報のうち、初回訪問のケア計画を立案するのに最も優先度の高い情報はどれか。
1: 食事の摂取量
2: 1日の導尿回数
3: 最終排便の日時
4: リハビリテーションの内容
Aさん(68歳、女性)は、1人暮らし。隣の市に娘がいる。日常生活は自立している。10年前に糖尿病(diabetes mellitus)と診断され、血糖降下薬を服用している。最近の血液検査でHbA1c が8.5% のため、インスリンの自己注射を導入するかどうかを検討することになった。医師からAさんには自己注射についてまだ説明されていない。
朝食前の自己注射によって、Aさんの血糖値は安定していた。6年後、Aさんはサービス付き高齢者向け住宅に転居した。転居後の外来受診時、Aさんは外来看護師に「施設の食堂で食事をしている。食堂に行く前は化粧で忙しいが、毎日楽しい。間食はしていない」と話す。転居後2か月のHbA1c値が上昇していたため、外来看護師がAさんに質問すると「引っ越してから、注射を忘れることがあった」と話した。Aさんの自己注射の手技に問題はなく、Mini-Mental State Examination(MMSE)は29点だった。Aさんの娘に確認すると、Aさんの自室の冷蔵庫に、未使用のインスリンが余っていることが分かった。 外来の看護師からAさんと娘への助言で最も適切なのはどれか。
1: 訪問看護師に注射を依頼する。
2: 注射をしたらカレンダーに印をつける。
3: 化粧で使う鏡に「朝食前に注射」のメモを貼る。
4: サービス付き高齢者向け住宅の職員にインスリンの残量を数えてもらう。
A君(2歳6か月、男児)。両親との3人暮らし。脳性麻痺(cerebral palsy)と診断され、自力で座位の保持と歩行はできず専用の車椅子を使用している。話しかけると相手の目を見て笑顔を見せ、喃語を話す。食事はきざみ食でスプーンを使うことができるが、こぼすことが多く介助が必要である。排泄、清潔および更衣は全介助が必要である。
定期受診のため外来を受診した。バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数32/分、心拍数120/分、血圧108/48mmHg であった。両上肢と手関節は屈曲、両下肢は交差伸展し、背を反らしており、全身が緊張している。母親は看護師に「Aは、便は出ない日がありますが大体毎日出ています。時々夜遅くまで眠らない日がありますが日中は機嫌良くしています」と話した。 母親に指導すべき内容で優先度が高いのはどれか。
1: 感染予防
2: 筋緊張の緩和
3: 排便コントロール
4: 呼吸機能の悪化予防
5: 睡眠パターンのコントロール
Aさん(65歳、男性)は、右下葉の肺癌(lung cancer)(T3N2M0)と診断され、抗癌化学療法(シスプラチン+エトポシド)1クール4日間を4クール行うことになった。入院時のAさんは、体温36.2度、呼吸数18/分、脈拍72/分、血圧124/74mmHgであった。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は98%で、咳嗽が時々みられるが、痰の喀出はなく、胸部の聴診にて副雑音はない。Aさんの血液検査の結果は、白血球5600/μl、アルブミン3.7g/dl、CRP0.3mg/dlであった。Aさんは20歳のころから毎日20本の煙草(たばこ)を吸っていたが、60歳のときに禁煙した。
抗癌化学療法が開始されて2日が経過した。Aさんは悪心・嘔吐、下痢が出現し、食事はほとんど取れていない。 Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 吐き気があるのは薬が効いている証拠だと話す。
2: 無理して食べなくてもよいと話す。
3: 嘔吐後の口腔ケアは控える。
4: 経管栄養を検討する。
Aさん(19歳、男性、専門学校生)は、1人暮らし。「皆が自分を嫌っている」と言い、昨年から学校を休学し、アパートに引きこもるようになった。先週、夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人が両親へ連絡をした。連絡の翌日、Aさんの両親が訪ねてみると、Aさんは「隣の人に嫌がらせを受けている。助けてくれ」と叫び続けたため、両親とともに精神科病院へ行き、その日のうちに任意入院となった。Aさんは統合失調症(schizophrenia)と診断され、抗精神病薬による治療が開始された。
Aさんは、入院後10日から日中に臥床するようになった。夜間は熟睡している。食事の時間に食堂に遅れてくることが多い。看護師と会話をするようになったが、他の入院患者への被害妄想がある。 この時期の看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 食事介助をする。
2: 一緒に院内を散歩する。
3: 他の入院患者との交流を促す。
4: 日中に臥床しているときは声かけを控える。