Aさん(32歳、男性)。自宅の部屋で多量の鎮咳薬を見つけた母親に心配され、自宅近くの病院を受診した。「5年前、仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らないことがあった。そのときに処方された咳止めの薬を飲むと、頭がボーッとして気持ちが良かったのがきっかけで、近所の薬局で咳止めを買うようになった。3年前から飲む量が増えるようになり、やめられなくなっている。仕事もうまくいかなくなり、退職した」と言う。Aさんは紹介を受けた精神科を受診した。
Aさんは鎮咳薬による薬物依存症と診断され、任意入院となった。入院2週後、Aさん、主治医および担当看護師で、今後の治療について話し合った。Aさんは「今までは自分の力で薬をやめられると思ったけれど、やっぱりできなかった。仕事もしていないし、家に帰ったらまた薬を買ってしまいそうだ。今度こそ何とかやめたい」と話している。 Aさんへの対応として最も適切なのはどれか。
1: 服薬心理教育を実施する。
2: ハローワークを紹介する。
3: 生活技能訓練〈SST〉を勧める。
4: 薬物依存症者のリハビリテーション施設の情報を提供する。
A さん(90 歳、女性)は、Alzheimer〈アルツハイマー〉病 (Alzheimer disease) で、重度の認知機能の低下がある。要介護 4 で、短期入所〈ショートステイ〉や通所介護を利用している。長年、長男夫婦が自宅で介護している。
その後、A さんは誤嚥性肺炎 (aspiration pneumonia) の症状が軽快し、胃瘻を造設せずに退院する予定である。家族は自宅での介護を考えていたが、長男の妻が脳出血 (cerebral hemorrhage) で入院したため、Aさんの退院先の再検討を行うことになった。A さんの退院先として最も適切なのはどれか。
1: 軽費老人ホーム
2: 介護老人福祉施設
3: 回復期リハビリテーション病棟
4: 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
Aさん(60歳、男性、元建設業)は、妻(57歳) と2人暮らし。 2年前に 悪性胸膜中皮腫(malignant pleural mesothelioma)と診断され、化学療法を受けたが効果がみられず、外来通院していた。2週前から、胸痛、息苦しさ、倦怠感が増強したため、症状コントロール目的で入院した。 バイタルサイン:体温36.0 ℃、呼吸数24/分、脈拍92/分、血圧126/88mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>86~90%(room air)。 身体所見:両側下肺野で呼吸音が減弱しており、軽度の副雑音が聴取される 。 血液所見:赤血球370万/μL、Hb 8.8g/dL、白血球6,700/μL、総蛋白5.2g/dL、アルブミン3.8g/dL、CRP1.5mg/dL。 動脈血液ガス分析(room air):pH7.31、動脈血二酸化炭素分圧<PaCO2>40Torr、動脈血酸素分圧<PaO2>63Torr。 胸部エックス線写真:胸膜肥厚と肋骨横隔膜角の鈍化が認められる。肺虚脱なし。
入院後、症状緩和のためモルヒネの内服と経鼻カニューレによる酸素療法2L/分が開始された。経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>は95%前後で維持されるようになったが、Aさんは夜間の息苦しさを訴えている。Aさんの呼吸困難を緩和するための体位で適切なのはどれか。
1: 半腹臥位
2: 右側臥位
3: 左側臥位
4: セミファウラー位
Aさん(23歳、女性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。専門学校卒業後に就職し、仕事も順調であった。4か月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1か月ほど続いたが、通勤は続けていた。Aさんは2か月前から不眠を訴えるようになり、先月からは給料の全額を宝くじの購入に費やしてしまう行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。
入院して2か月が経過し、Aさんは服薬による治療で多弁や易怒性などの症状が改善し、落ち着いて過ごせるようになった。Aさんは治療を継続する必要性についても理解している。看護師がAさんと家族への退院指導を行うことになった。 退院指導における説明で最も適切なのはどれか。
1: 「薬の管理は家族が行ってください」
2: 「今後も定期的な入院が必要になります」
3: 「Aさんの言動の変化に気を付けましょう」
4: 「服薬していれば再発することはありません」
Aちゃん(生後24日、女児)は両親と3人暮らし。母親が母子健康手帳の便色カードを見て、Aちゃんの便色が気になったため、Aちゃんを連れて近所の小児科医院を受診した。Aちゃんは在胎39週、出生体重3,100g、出生時に異常はない。 現在、混合栄養で体重は3,700gである。体温37.2℃、呼吸数36/分、心拍数108/分、整、血圧78/44mmHg。眼球結膜に黄染を認める。 血液検査結果:Hb12.6g/dL、白血球7,800/μL、血小板21万/μL、プロトロンビン時間〈PT〉88%、総ビリルビン11.3mg/dL、直接ビリルビン9.5mg/dL、AST96U/L、ALT126U/L。 紹介先の病院で腹部超音波検査を実施した結果、Aちゃんは胆道閉鎖症biliary atresiaの疑いがあり入院した。
Aちゃんは入院7日に術中胆道造影検査で胆道閉鎖症biliary atresiaと確定診断された。手術は無事に終了した。術後は絶食となり、腹腔ドレーンが挿入され、持続的点滴静脈内注射が行われている。母親は疾患や治療について理解している。術後3日、付き添っていた母親は看護師に「A はおなかが空いて泣き止まないし、私はAを抱っこもできず、何もしてあげられません。つらいです」と涙を浮かべて話した。 看護師の母親への対応で、最も適切なのはどれか。
1: 話しかけやおしゃぶりの活用など母親ができることを伝える。
2: 早期発見だったのでAちゃんは早く退院できると説明する。
3: 心療内科の受診を勧める。
4: 患者家族会を紹介する。
Aさん(62歳、男性)。1人暮らし。1週前から感冒様症状があり様子をみていたが、呼吸困難と咳嗽が増強したため外来を受診した。胸部エックス線写真と胸部CTによって特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis)による間質性肺炎(interstitial pneumonia)と診断され入院した。 既往歴:42歳で糖尿病(diabetes mellitus)と診断された。59歳と61歳で肺炎(pneumonia)に罹患した。 生活歴:3年前から禁煙している(20〜59歳は20本/日)。 身体所見:BMI17.6。体温38.8 ℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧140/98mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉91%。両側下肺野を中心に、吸気終末時に捻髪音あり。呼気時は問題ないが、吸気時に深く息が吸えない。ばち状指を認める。 検査所見:血液検査データは、白血球13,000/μL、Hb10.5g/dL、総蛋白5.2g/dL、アルブミン2.5g/dL、随時血糖85mg/dL、CRP13.2mg/dL。動脈血液ガス分析で、pH7.35、動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉38Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉56Torr。胸部エックス線写真と胸部CTで、下肺野を中心に輪状影、網状影、淡い陰影あり。
Aさんは入院後に呼吸機能検査を受けることになった。換気障害の分類を図に示す。 Aさんの呼吸機能検査の結果で考えられるのはどれか。
1: A
2: B
3: C
4: D
A 君( 8 歳、男児)は、携帯型電子ゲームやサッカーが好きである。A 君は宿題をしているときに、突然意識を失い、10 数秒持続する四肢の屈曲を伴うけいれんを起こした。その後、全身の筋肉の収縮と弛緩を繰り返すけいれんが 10 秒程度続き、A 君の呼吸は停止しチアノーゼが認められた。けいれんが終了し呼吸は回復したが、意識障害が持続していたため病院に救急搬送された。
入院後 1 週。A 君は同じ病室に入院している他の患児と話したり、漫画を読んだりしてベッド上で過ごしている。入院後は抗てんかん薬を服用し、発作はみられていない。このときの A 君への指導内容で最も適切なのはどれか。
1: 1 人で入浴する。
2: 病棟の外を散歩する。
3: 好きな携帯型電子ゲームで遊ぶ。
4: 病棟レクリエーションへ参加する。
Aさん(83歳、女性)は1人暮らし。誤嚥性肺炎aspiration pneumoniaで入退院を繰り返していた。今回の退院後に、訪問看護が導入されることになり、退院前カンファレンスが行われた。 誤嚥性肺炎aspiration pneumoniaの再発を予防するために病棟看護師が訪問看護師に情報提供する内容で優先されるのはどれか。
1: 嚥下機能検査の判定結果
2: 栄養状態を示す検査データ
3: 入院中の日常生活動作〈ADL〉
4: 誤嚥性肺炎aspiration pneumoniaの治療に用いられた薬剤
A さん(20 歳、男性、大学生)は、皆が自分を嫌っていると言い、昨年から大学を休学し、 1 人暮らしのアパートで引きこもるようになった。先週、アパートで夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人から両親へ連絡があった。A さんの両親が A さんの部屋に入ってみると、窓は新聞紙で覆われていた。A さんは「 1 日中誰かに見張られている。あなたは親じゃない」と叫び続けるため、精神科病院に入院した。A さんは、統合失調症 (schizophrenia) と診断され非定型抗精神病薬による治療が開始された。
入院後 2 か月。症状も落ち着いてきたため、退院の準備をすることになった。Aさんは看護師に「病気はもう治ったのに、いつまで薬を飲まなければならないのか。薬を飲むと頭がぼんやりする。体力がなくなった気がする」と話した。A さんの退院の準備のために行う支援で優先度が高いのはどれか。
1: 回想法
2: 復学準備
3: 服薬心理教育
4: 筋力トレーニング
Aちゃん(2歳10か月)は、両親と生後3か月の妹と4人で暮らしている。Aちゃんは、6日前に発熱および不定形の発疹が腹部と背部とに出現した。解熱薬の使用によって、体温は一時的に低下したが、再び上昇したので受診した。受診時、口唇の充血と乾燥とが著明で、眼球結膜の充血と四肢の硬性浮腫とがみられた。受診時の血液検査の結果は、CRP 15.7mg/dl、AST〈GOT〉22 I U/l、ALT〈GPT〉54 I U/lであった。Aちゃんは川崎病(Kawasaki disease)と診断され、入院した。アスピリンの内服と γ-グロブリンの点滴静脈内注射とが開始された。
心エコー検査で冠状動脈瘤(coronary artery aneurysm)が発見されたが、Aちゃんは元気にしており、退院することになった。Aちゃんの家族への退院指導で適切なのはどれか。
1: 走らせない。
2: 塩分摂取を制限する。
3: 激しく泣かせない。
4: 予防接種は退院後6か月以降に行う。
Aさん ( 56歳、男性 )は、進行結腸癌 (advanced colonic cancer)の術後に両側の多発肺転移が進行し、終末期 で在宅療養中であったが呼吸困難が増悪したため入院した。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は 95%であるが、安静時でも呼吸困難を訴え、浅い頻呼吸となっている。発熱はなく、咳嗽はあるが肺炎 (pneumonia)の併発はない。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 仰臥位を保つ。
2: 酸素投与は行わない。
3: モルヒネ塩酸塩の投与を検討する。
4: 安静を保つため訪室は最低限とする。
A君(14歳、男子)は、夏休みのサッカー部の部活動で、朝10時から12時まで屋外で練習した。昼食時におにぎり2個とお茶を500mL摂取し、休憩後の13時から15時まで再び練習した。この日は晴天で、外気温は32℃であった。15分休憩し練習を再開したところ、A君は突然頭痛と悪心とを訴え、グラウンドの隅に座り込んだ。 サッカー部担当のB教諭が、A君を日陰で横にして休ませ様子をみていたが、症状が改善せず、顔面蒼白、冷汗が出現した。A君は「気持ち悪い」と言った後に嘔吐した。
A君は熱中症(heat illness)と診断された。点滴静脈内注射の後、A君の状態は回復し、家族とともに帰宅することとなった。付き添いのB教諭から、今後の部活動における熱中症予防について看護師に相談があった。 熱中症予防のための指導内容で適切なのはどれか。
1: 袖口の狭い服の着用を促す。
2: 口渇がなくても水分摂取を促す。
3: 湿度が高いときに部活動をする。
4: 休憩は90分に1回を目安にする。
Aちゃん(1歳6か月、男児)は、5日前から発熱し、自宅近くのかかりつけ医に通院していたが解熱せず、昨日から眼球結膜の充血、口唇の発赤と亀裂が出現したため入院した。診察では、体幹の発疹と手足の浮腫もあり、川崎病(Kawasaki disease)および脱水症(dehydration)と診断された。Aちゃんに対し、点滴静脈内注射による脱水症(dehydration)の治療が開始され、左手掌から前腕までシーネで固定された。Aちゃんは機嫌が悪く、両手をバタバタと上下に動かしながら泣いている。左手背の留置針刺入部には、腫脹や発赤はない。
Aちゃんの血液検査の結果は、白血球15,000/μL、血小板45万/μL、CRP 4.8mg/dLであり、心臓超音波検査に異常はなかった。γ-グロブリン製剤の点滴静脈内注射が開始された。10分後にAちゃんは腹部をかきはじめ、全身にかゆみを伴う膨隆疹と喘鳴、口唇のチアノーゼが出現した。 Aちゃんの状態として最も考えられるのはどれか。
1: イレウス( ileus)
2: 心筋梗塞(myocardial infarction)
3: アレルギー反応
4: クループ症侯群(croup syndrome)
Aさん(56歳、男性)は、コンビニエンスストアの店長で自動車を運転して通勤している。不規則な生活が続き、ストレスが溜まることも多く、十分な睡眠がとれないこともあった。荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現し受診したところ、狭心症(angina pectoris)が疑われたため検査をすることになった。脂質異常症(dyslipidemia)の既往がある。
Aさんの経過は順調で、手術後4日に退院することになった。Aさんは「家に戻ってもまた症状が出るのではないかと心配です」と話した。 Aさんに対する退院指導の内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 「水分摂取を控えましょう」
2: 「肉類を多く食べましょう」
3: 「睡眠時間を確保しましょう」
4: 「自動車の運転はやめましょう」
5: 「次回の外来受診までは重い荷物を運ぶ作業は控えましょう」
Aちゃん(2歳0か月、女児)。昨日から下痢と嘔吐とを繰り返し、食事が摂(と)れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎(viral gastroenteritis)と診断され入院した。入院時、体温38.2℃、呼吸数36/分、心拍数136/分であった。1週前の保育所の身体計測では身長89cm、体重12.0kgであった。個室隔離とし、点滴静脈内注射による持続輸液が開始された。
入院翌日。Aちゃんは活気がなく臥床している。下痢症状は改善し嘔吐もみられなくなったが、時々顔をしかめており、母親は「まだおなかが痛いみたいです」と看護師に話す。 Aちゃんの痛みへの対応で適切なのはどれか。
1: 食事摂取を促す。
2: 日中も部屋を暗くする。
3: 1人で過ごすようにする。
4: Aちゃんが好きな絵本を読み聞かせる。
Aさん(28歳、女性、会社員)は、夫と1歳の娘との3人で暮らしている。25歳のときに潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)と診断され、内服治療を続けてきた。Aさんは27歳で出産後、職場に復帰していたが3か月前から排便回数が増え、便に血液が混入するようになった。1週前から下痢が1日8~10 回あり、腹痛や発熱もみられ、外来受診したところ、潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)の再燃のため入院することになった。身長158.2 cm、体重40.2 kg。体温38.3℃、脈拍92/分、血圧108/76 mmHgであった。血液検査データは、赤血球340万/μL、白血球9,800/μL、Hb 7.8 g/dL、アルブミン2.5 g/dL、CRP 5.5 mg/dL。
入院後、Aさんは点滴静脈内注射による持続輸液とプレドニゾロン40 mg/日の内服とが開始された。入院翌朝、Aさんが「たくさん汗をかいたのでさっぱりしたい」と話したため、看護師は清拭を行うと提案した。体温38.0℃、呼吸数18/分、脈拍82/分、血圧112/72 mmHgであった。下痢は0時から6時までで3回あり、倦怠感が強い。 看護師が入浴ではなく清拭を提案した理由で適切なのはどれか。
1: プレドニゾロンの内服
2: 点滴静脈内注射の実施
3: 急性増悪
4: 貧血
Aちゃん(7歳、女児、小学1年生)は、3歳ころから夜間就寝中や保育所の昼寝の時に時々いびきがあり、保育所の友達に「Aちゃんがうるさくて眠れない」と言われた。母親が心配してAちゃんを小児科外来に連れて行った。その後、Aちゃんは外来で経過観察されてきたが、今年の4月から7月までの間に、急性扁桃炎(acute tonsillitis)を3回起こしていることや、睡眠時無呼吸がみられるようになったことから、8月中に扁桃腺摘出術を受けることになった。
定期外来の受診時に、手術が決まったことが医師からAちゃんに伝えられた。Aちゃんは「なんで手術するの」と涙ぐんでいる。扁桃腺摘出術を受けるAちゃんに対する看護師の説明で適切なのはどれか。
1: 「寝ているときに息を止めてしまうことがあるからだよ」
2: 「のどにいる悪い虫をとるためだよ」
3: 「のどにお熱があるからだよ」
4: 「いびきが大きいからだよ」
Aちゃん ( 3歳 0か月 )は、午後から 38.0℃の発熱があったが、食事は摂取でき活気があった。夜間になり、 3回嘔吐したため救急外来を受診した。来院時、 Aちゃんは傾眠傾向にあった。診察の結果、髄膜炎 (meningitis)が疑われ、点滴静脈内注射を開始し入院した。入院時、 Aちゃんは、体温 38.5℃、呼吸数 30/分、心拍数 120/分、血圧 102/60 mmHgであった。入院時の Aちゃんへの対応で最も優先度が高いのはどれか。
1: 冷罨法を行う。
2: 水平仰臥位を保つ。
3: 意識レベルを観察する。
4: 大泉門の状態を観察する。
Aさん(60歳、男性)は、慢性心不全(chronic heart failure)の終末期で、積極的な治療を行わないことを希望している。現在、入院中で、リザーバーマスク10L/分で酸素を吸入し、水分制限がある。時々息切れがみられるが、Aさんは面会に来た長女との会話を楽しみにしている。バイタルサインは呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧76/50mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%であった。 このときの対応で最も適切なのはどれか。
1: 面会は制限しない。
2: 水分制限を厳しくする。
3: Aさんに仰臥位を維持してもらう。
4: 面会中は酸素マスクを鼻腔カニューラに変更する。
Aさん(24歳、男性)は、突然出現した胸痛と呼吸困難があり、外来を受診した。意識は清明。身長180cm、体重51kg、胸郭は扁平である。20歳から40本/日の喫煙をしている。バイタルサインは、体温36.2℃、呼吸数20/分(浅い)、脈拍84/分、血圧122/64mmHg である。 胸部エックス線写真(別冊No.1)を別に示す。 Aさんの所見から考えられるのはどれか。
1: 抗菌薬の投与が必要である。
2: 胸腔ドレナージは禁忌である。
3: 右肺野の呼吸音は減弱している。
4: 胸腔内は腫瘍で占められている。