第105回午前第86問の類似問題

第106回午後:第57問

Aさん(65歳、男性)は、肺気腫(pulmonary emphysema)で在宅酸素療法を受けている。ある日、Aさんの妻(70歳)から「同居している孫がインフルエンザ(influenza)にかかりました。今朝から夫も体が熱く、ぐったりしています」と訪問看護ステーションに電話で連絡があったため緊急訪問した。 訪問看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。

1: 喀痰の性状

2: 胸痛の有無

3: 関節痛の有無

4: 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉

Aさん(25歳、男性、飲食店店員)は、 2日前から感冒様症状があり、夜眠ろうとして横になるが息苦しくて眠れず、歩行や会話も困難となり、夜間に Aさんの家族に伴われて救急外来を受診した。 Aさんは地元の野球チームに所属し、休日には練習に参加しており、最近は残業が多く疲れていた。診察の結果、Aさんは気管支喘息発作 (bronchial asthma) と診断され、気管支拡張薬、副腎皮質ステロイドによる治療と、フェイスマスクによる酸素投与が行われたが、改善がみられず入院した。

第103回午前:第93問

非侵襲的陽圧換気開始後、Aさんの呼吸状態は改善した。酸素投与も中止となり、歩行時の呼吸状態の悪化を認めないため、近日中に退院する予定である。退院時のAさんへの指導として最も適切なのはどれか。

1: 「食事の制限はありません」

2: 「お酒は飲んでも大丈夫です」

3: 「野球はやめた方がよいでしょう」

4: 「ストレスをためないようにしてください」

第107回午後:第63問

Aさん(75歳、男性)。1人暮らし。慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉(chronic obstructive pulmonary disease)のため、2年前から在宅酸素療法を開始し、週に2回の訪問看護を利用している。訪問看護師はAさんから「最近、洗濯物を干すときに息が苦しくて疲れるが、自分でできることは続けたい」と相談された。 Aさんの労作時の息苦しさを緩和する方法について、訪問看護師が行う指導で適切なのはどれか。

1: 労作時は酸素流量を増やす。

2: 呼吸は呼気より吸気を長くする。

3: 動作に合わせて短速呼吸をする。

4: 腕を上げるときは息を吐きながら行う。

Aさん(34歳、男性)は、運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90 mmHg と尿蛋白2+、尿潜血2+を指摘されたが放置していた。1週前、感冒様症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgA が高値でIgA腎症(IgA nephropathy)が疑われ入院した。

第105回午前:第96問

Aさんは退院後、仕事が忙しくなり一度も受診をせずに2年が経過した。2か月前から疲れやすくなったが、仕事のせいだと思い放置していた。1週前から息切れ、食欲不振および浮腫があり、昨日から眠気、悪心および嘔吐が出現したため外来を受診した。体温36.5 ℃、脈拍98/分、血圧238/112 mmHg であった。血液検査データは、尿素窒素100 mg/dL、クレアチニン12.0mg/dL、Hb 7.1 g/dL。胸部エックス線写真で心拡大と肺うっ血とが認められ入院した。 直ちに行われるのはどれか。2つ選べ。

1: 輸血

2: 血液透析

3: 利尿薬の内服

4: 胸腔ドレナージ

5: 降圧薬の点滴静脈内注射

Aさん(70歳、男性)。妻(74歳)と2人で暮らしている。Aさんがトイレに入ったまま戻ってこないので妻が見に行くと、トイレで倒れていた。妻が発見直後に救急車を要請した。救急隊からの情報ではジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ- 20で右片麻痺があり、バイタルサインは、体温36.5℃、呼吸数16/分、脈拍108/分、血圧200/120mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%であった。

第106回午前:第116問

頭部CTの結果、高血圧性脳出血(hypertensive cerebral hemorrhage)と診断され、集中治療室に入室した。入室時にはジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ- 30。体温37.0℃、呼吸数 16/分、脈拍82/分、血圧154/110mmHg。入室から8時間後、体温37.2℃、呼吸数18/分、脈拍50/分、血圧208/106 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%になり、呼びかけと痛み刺激に開眼しなくなった。 このときのAさんの状態はどれか。

1: 低酸素脳症(hypoxic encephalopathy)

2: 脳圧亢進症状

3: 髄膜刺激症状

4: 正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus)

Aさん(89歳、女性)は、息子夫婦と3人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度判定基準A-2。腹部膨満感とふらつきを自覚したため受診したところ、原発不明の癌による多臓器への転移と腹水貯留が認められ、入院した。入院時に、医師からAさんと家族に、回復の見込みが低いことが伝えられた。看護師に、Aさんは「もう十分長生きできましたから、自然に最期を迎えたいです」と話した。 身体所見:身長148cm、体重43kg、腹囲80cm。体温36.8℃、血圧128/80mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)97%。意識レベル清明。 検査所見:Hb 6.9g/dL、総蛋白4.5g/dL、アルブミン2.9g/dL、AST(GOT)45IU/L(U/L)、AST(GOT)60IU/L(U/L)、Na 130mEq/L、K 4.2mEq/L。

第108回午前:第100問

Aさんは全身の衰弱がみられるものの、Aさんの希望で病室のトイレには歩いて行くことになった。看護師は、Aさんは転倒するリスクが高いと判断した。 Aさんの転倒要因はどれか。2つ選べ。

1: 貧血(anemia)

2: 腹水貯留

3: 肝機能低下

4: 低酸素血症(hypoxemia)

5: 低カリウム血症(hypokalemia)

Aさん(85歳、男性)は、5年前に発症した右脳梗塞の後遺症(cerebral infarction)のため、左半身麻痺がある。現在、療養病床に入院中である。右膝関節の軽度拘縮のため、ベッド上で過ごすことが多く、自力で体位変換をすることができない。全身の発汗が多く、便失禁と尿失禁とがあり、1日5回以上のオムツ交換を行っている。仙骨部に褥瘡を認め、創底の直径は5cm、創面は黄色、皮下脂肪組織までの欠損がある。毎日1回の褥瘡処置を行っている。現在のAさんは身長162cm、体重48kgである。

第102回午後:第111問

Aさん(85歳、男性)は、5年前に発症した右脳梗塞の後遺症(cerebral infarction)のため、左半身麻痺がある。現在、療養病床に入院中である。右膝関節の軽度拘縮のため、ベッド上で過ごすことが多く、自力で体位変換をすることができない。全身の発汗が多く、便失禁と尿失禁とがあり、1日5回以上のオムツ交換を行っている。仙骨部に褥瘡を認め、創底の直径は5cm、創面は黄色、皮下脂肪組織までの欠損がある。毎日1回の褥瘡処置を行っている。現在のAさんは身長162cm、体重48kgである。 肛門周囲の皮膚は湿潤しており暗赤色であった。 看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 殿部をアルカリ性石鹸で洗浄する。

2: 肛門周囲の皮膚に保護オイルを塗布する。

3: 肛門周囲の皮膚をマッサージする。

4: ベッドにウレタンマットレスを敷く。

第105回午前:第52問

Aさん(102歳、女性)は、重度の廃用症候群のために5年前から発語が少なく体を動かすことができない。誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)で入退院を繰り返し、終末期である。同居している家族は積極的な治療をしないことを希望し、自宅でAさんを看取ることを決めた。 Aさんの家族への退院時の指導で最も適切なのはどれか。

1: 「24時間付き添ってあげましょう」

2: 「おむつの重さで尿量を測定しましょう」

3: 「苦しそうになったら救急車を呼びましょう」

4: 「Aさんが食べたければ食べさせてあげましょう」

Aさん(62歳、男性)。1人暮らし。1週前から感冒様症状があり様子をみていたが、呼吸困難と咳嗽が増強したため外来を受診した。胸部エックス線写真と胸部CTによって特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis)による間質性肺炎(interstitial pneumonia)と診断され入院した。 既往歴:42歳で糖尿病(diabetes mellitus)と診断された。59歳と61歳で肺炎(pneumonia)に罹患した。 生活歴:3年前から禁煙している(20〜59歳は20本/日)。 身体所見:BMI17.6。体温38.8 ℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧140/98mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉91%。両側下肺野を中心に、吸気終末時に捻髪音あり。呼気時は問題ないが、吸気時に深く息が吸えない。ばち状指を認める。 検査所見:血液検査データは、白血球13,000/μL、Hb10.5g/dL、総蛋白5.2g/dL、アルブミン2.5g/dL、随時血糖85mg/dL、CRP13.2mg/dL。動脈血液ガス分析で、pH7.35、動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉38Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉56Torr。胸部エックス線写真と胸部CTで、下肺野を中心に輪状影、網状影、淡い陰影あり。

第107回午後:第92問

Aさんは入院後に呼吸機能検査を受けることになった。換気障害の分類を図に示す。 Aさんの呼吸機能検査の結果で考えられるのはどれか。

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1: A

2: B

3: C

4: D

第101回午前:第52問

肺気腫(pulmonary emphysema)の患者が、歩行時の息切れが強くなってきたため受診した。呼吸数は34/分で、口唇のチアノーゼがみられた。 この患者について正しいのはどれか。

1: 1回換気量が増加している。

2: 病状が進行すると PaCO2が上昇する。

3: 呼気よりも吸気を促すと効果的である。

4: 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は上昇している。

Aさん(60歳、男性、元建設業)は、妻(57歳) と2人暮らし。 2年前に 悪性胸膜中皮腫(malignant pleural mesothelioma)と診断され、化学療法を受けたが効果がみられず、外来通院していた。2週前から、胸痛、息苦しさ、倦怠感が増強したため、症状コントロール目的で入院した。 バイタルサイン:体温36.0 ℃、呼吸数24/分、脈拍92/分、血圧126/88mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>86~90%(room air)。 身体所見:両側下肺野で呼吸音が減弱しており、軽度の副雑音が聴取される 。 血液所見:赤血球370万/μL、Hb 8.8g/dL、白血球6,700/μL、総蛋白5.2g/dL、アルブミン3.8g/dL、CRP1.5mg/dL。 動脈血液ガス分析(room air):pH7.31、動脈血二酸化炭素分圧<PaCO2>40Torr、動脈血酸素分圧<PaO2>63Torr。 胸部エックス線写真:胸膜肥厚と肋骨横隔膜角の鈍化が認められる。肺虚脱なし。

第109回午前:第92問

入院後、症状緩和のためモルヒネの内服と経鼻カニューレによる酸素療法2L/分が開始された。経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>は95%前後で維持されるようになったが、Aさんは夜間の息苦しさを訴えている。Aさんの呼吸困難を緩和するための体位で適切なのはどれか。

1: 半腹臥位

2: 右側臥位

3: 左側臥位

4: セミファウラー位

Aさん(23歳、男性)は、マラソンの途中で嘔吐し、意識混濁状態となり救急車で搬送された。来院時、体温39.5℃で、熱中症(heatillness)と診断された。気管挿管と人工呼吸器管理が実施された。膀胱留置カテーテルを挿入後に輸液療法を開始して、ICUに入室した。表面冷却と血管内冷却によって体温は37℃台に下降した。 既往歴 : 特記すべきことはない。 身体所見 : ICU入室時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-20。体温37.8℃、呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧94/74mmHg。暗赤色尿を1時間で20mL認めた。 検査所見 : Hb16.8g/dL、Ht48.6%、Na130mEq/L、K6.5mEq/L、Cl100mEq/L、クレアチンキナーゼ〈CK〉48,000IU/L、尿素窒素60mg/dL、クレアチニン2.4mg/dL、AST〈GOT〉70IU/L、ALT〈GPT〉88IU/L。尿一般検査でミオグロビン陽性。胸部エックス線写真および頭部CTで異常所見なし。心電図でSTの変化はなく、洞性頻脈を認めた。

第106回午後:第115問

このときのAさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 貧血である。

2: 筋肉が傷害されている。

3: 致死性不整脈が出現しやすい。

4: 心原性ショックを起こしている。

5: 利尿薬の使用が必要な状態である。

第100回午前:第65問

Aさん(78歳、女性)は心筋梗塞(mycardial infarction)の再発作で入院した。治療経過は順調であるが、日常における行動範囲が拡大しない。Aさんは「心臓に負担がかかるから休んでいたい」と言う。 Aさんへの言葉かけで適切なのはどれか。

1: 「それでは、休みましょう」

2: 「息が上がる程度に動きましょう」

3: 「不整脈があっても大丈夫ですよ」

4: 「負担がかかると思うのはどんなときですか」

Aさん(50歳、男性、会社員)は半年ほど前から労作時に胸痛と呼吸困難感があり、狭心症angina pectorisと診断され内服治療を受けている。本日明け方から胸部に圧迫感があった。出勤途中に強い胸痛を自覚し、自ら救急車を要請した。救急外来到着時のバイタルサインは、体温35.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(酸素2L/分)。意識は清明。12誘導心電図はV1~V4でST上昇、Ⅱ、Ⅲ、aVF でST低下がみられた。

第111回午後:第93問

その後、Aさんは経皮的冠動脈形成術〈PCI〉を受けた。帰室時のバイタルサインは、体温36.2℃、呼吸数20/分、脈拍58/分、整、血圧80/40mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%(酸素1L/分)。顔面は蒼白、冷汗を認めた。意識は清明である。  このとき看護師が最初に行うことはどれか。

1: 側臥位にする。

2: 除細動器の準備を行う。

3: 穿刺部の出血の有無を確認する。

4: 鎮痛薬の処方を医師に相談する。

第108回午前:第58問

Aさん(75歳、女性)は、腰部脊柱管狭窄症(lumbar spinal canal stenosis)と診断されており、要介護1、障害高齢者の日常生活自立度判定基準A-1である。 Aさんが介護保険による貸与を受けられる福祉用具はどれか。

1: 車椅子

2: 歩行器

3: 電動ベッド

4: 入浴用椅子

第107回午前:第51問

Aさん(80歳、女性)。大腿骨頸部骨折(femoral neck fracture)のため人工骨頭置換術を受けた。手術後14日、Aさんの経過は順調で歩行訓練を行っている。歩行による疼痛の訴えはない。 現在のAさんの状態で最も注意すべきなのはどれか。

1: せん妄

2: 創部感染

3: 股関節脱臼(hip dislocation)

4: 深部静脈血栓症(deep vein thrombosis)

Aさん(81歳、男性)は、妻(73歳)と2人暮らし。自宅でのADLは自立し、認知機能に障害はない。Aさんは食欲不振と腹部不快感、微熱を主訴に受診したところ、急性胆嚢炎(acute cholecystitis)と診断され、その日のうちに入院した。Aさんのバイタルサインは、体温37.3 ℃、呼吸数22/分、脈拍90/分、血圧136/84mmHg。入院後は絶飲食の指示があり、持続点滴静脈内注射と抗菌薬の投与が開始された。トイレ歩行の許可は出ている。

第109回午前:第98問

入院後日、妻がAさんについて「入院してからよく寝ています。時々ここが病院だとわからないようです。話しかけても気づかず、天井を眺めていることもあるし、しゃべり続けることもあります」と看護師に訴えた。Aさんのバイタルサインは、体温36.9 ℃、呼吸数20/分、脈拍88/分、血圧144/80mmHg。Aさんの状態で最も考えられるのはどれか。

1: うつ病(depression)

2: せん妄(delirium)

3: ナルコレプシー(narcolepsy)

4: 急性ストレス反応

第109回午前:第69問

Aさん(68 歳、男性)は、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis)(ALS)のため在宅療養中で、 気管切開下で人工呼吸器を使用し、要介護5の認定を受けている。 Aさんに提供される訪問看護で適切なのはどれか。

1: 医療保険から給付される。

2: 特別訪問看護指示書を受けて実施される。

3: 複数の訪問看護事業所の利用はできない。

4: 理学療法士による訪問は給付が認められない。

第100回午前:第45問

スポーツ大会に参加していた成人男性のAさんが突然倒れ、心配停止になった。大会の保健管理担当の看護師が人工呼吸と心マッサージ(胸骨圧迫)を行っている。 この時点で看護師が周囲の人に出す指示で、優先されるのはどれか。

1: 「Aさんに大声で呼びかけてください」

2: 「AさんにAEDを装着してください」

3: 「Aさんの家族に連絡してください」

4: 「Aさんの血圧を測定してください」

第111回午前:第60問

A君(小学6年生)は病院に併設された院内学級に通いながら骨肉腫osteosarcomaの治療を続けていた。現在、肺転移があり終末期にある。呼吸障害のため鼻腔カニューレで酸素(2L/分)を吸入中である。A君の食事摂取量は減っているが意識は清明である。1週後に院内で卒業式が予定されている。A君は「卒業式に出席したい」と話している。  看護師のA君への対応として適切なのはどれか。

1: 両親に判断してもらおうと話す。

2: 今の状態では出席は難しいと話す。

3: 出席できるように準備しようと話す。

4: 出席を決める前に体力をつけようと話す。