第107回午前第99問の類似問題

Aさん(25歳、男性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。大学卒業後に就職し、仕事も順調であった。4ヶ月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1ヶ月ほど続いたが、通勤は何とか続けていた。Aさんは、2ヶ月前から不眠を訴えるようになり、先月からは、高額なマンションや車の購入契約をしたり、貯金の全額を宝くじの購入に費やしてしまうなどの行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。

第100回午後:第119問

入院後1週間が経過した。Aさんは職場のことが気になると言って、連日頻繁に会社に電話をしている。看護師が面接をしたところ、今後への強い焦りの訴えが聞かれた。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 仕事のことはあまり考えないようにと話す。

2: 治療の見直しについてAさんと再確認する。

3: Aさんのテレホンカードをナースステーションで管理する。

4: Aさんの上司に病状を説明し、Aさんの行動への理解を求める。

A さん(68 歳、女性)は、 2 年前に高血圧症 (hypertention) と診断され、カルシウム拮抗薬を服用している。高血圧をきっかけに、喫煙を 1 日 30 本から 5 本に減らし、飲酒を週 3 回から 1 回に減らした。また、減量に取り組み、 2 年間で BMI が 25.5 から 22.9 に変化した。A さんは町の健康診査で骨密度が低下していることが分かり、整形外科を受診し骨粗鬆症 (osteoporosis) と診断された。A さんは「子どもができなかったし、夫もすでに亡くなりました。 1 人暮らしで家事は自分で行っているので、骨折や寝たきりの状態は困ります」と話した。

第104回午後:第99問

看護師が A さんに運動を勧めたところ、A さんは「子どものころから運動は苦手で運動を続ける自信がない」と答えた。指導の内容で最も適切なのはどれか。

1: 歩行器を使って外出する。

2: 腰背部の背屈運動をする。

3: 介護予防サービスを利用する。

4: 買い物のときに 30 分程度歩く。

Aさん(23歳、女性)。両親との3人暮らし。Aさんは大学受験に失敗して以来、自宅に引きこもりがちになった。1年前から手洗いを繰り返すようになり、最近では夜中も起き出して手を洗い、手の皮膚が荒れてもやめなくなった。心配した母親が付き添って受診したところ、Aさんは強迫性障害(obsessive-compulsive disorder)と診断された。母親は、Aさんについて「中学生までは成績優秀で、おとなしい子どもだった」と言う。Aさんには極度に疲労している様子がみられたことから、その日のうちに任意入院となった。

第107回午後:第111問

入院1か月後、手洗い行為は軽減してきた。Aさんはカーテンを閉め切って1人で過ごしていることが多いが、担当看護師や主治医とは治療についての話ができるようになってきた。Aさんは「薬を飲む以外にできることはありますか」と聞いてきた。 このときのAさんに最も有効と考えられるのはどれか。

1: 催眠療法

2: 作業療法

3: 認知行動療法

4: 就労移行支援

Aさん(58歳、男性)、建築作業員。趣味はジョギングで毎日5kmを走っている。 55歳のときに肺気腫(pulmonary emphysema)を指摘されている。1か月前から咳嗽が続いて止まらないため、自宅近くの病院を受診した。胸部エックス線撮影で異常陰影が認められ、精密検査の結果、右下葉に肺癌(lung cancer)が見つかり、標準開胸右下葉切除術が予定された。20歳から喫煙歴があり、肺気腫(pulmonary emphysema)を指摘されるまで1日40本程度吸っていた。

第102回午前:第93問

エアリークは自然に消失し、経過は良好であるため退院予定となった。体動時の痛みは持続しているが、ADLに支障はない。 Aさんへの退院時の生活指導として適切なのはどれか。

1: 「傷の痛みはすぐによくなりますので心配ありません」

2: 「リハビリテーションはジョギングから始めましょう」

3: 「外出時はマスクを使用してください」

4: 「退院後2、3日から入院前と同じ仕事をしても大丈夫です」

A さん(14 歳、男子、中学生)は、両親と弟( 7 歳)との 4 人で暮らしている。Duchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィー (Duchenne muscular dystrophy) で 2 年前に誤嚥性肺炎 (aspiration pneumonia) を繰り返し、経鼻経管栄養法と在宅酸素療法とを開始した。その後、呼吸障害が進行し、非侵襲的陽圧換気による呼吸管理目的で入院した。A さんは「特別支援学校に戻って友達に会いたい。夜に使うマスクに早く慣れたい」と訴えた。A さんは自宅に戻って訪問看護を利用する予定である。身体障害者手帳(肢体不自由 1 級)が交付されている。

第104回午前:第117問

退院後 6 か月。A さんは特別支援学校に通学している。弟の小学校でインフルエンザが例年より早い時期から流行し始めた。弟はインフルエンザの予防接種を受けていた。A さんの母親は「A にインフルエンザがうつらないか心配です」と訪問看護師に話した。母親への訪問看護師の助言として最も適切なのはどれか。

1: 「A さんを隔離しましょう」

2: 「ショートステイを利用してみましょう」

3: 「予防接種について主治医に相談してみましょう」

4: 「弟さんは予防接種を受けているので A さんにはうつりませんよ」

第108回午後:第66問

Aさん(85歳、女性)は、1人暮らし。日常生活は自立しており、健康のために毎日20〜30分のウォーキングをしている。夜間は、廊下を歩いて1、2回トイレに行く。 Aさんの現時点での家屋環境の整備で最も優先されるのはどれか。

1: 便座の高さを高くする。

2: 廊下に手すりを設置する。

3: トイレの扉を引き戸にする。

4: 廊下に足元照明を設置する。

A さん(20 歳、男性、大学生)は、皆が自分を嫌っていると言い、昨年から大学を休学し、 1 人暮らしのアパートで引きこもるようになった。先週、アパートで夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人から両親へ連絡があった。A さんの両親が A さんの部屋に入ってみると、窓は新聞紙で覆われていた。A さんは「 1 日中誰かに見張られている。あなたは親じゃない」と叫び続けるため、精神科病院に入院した。A さんは、統合失調症 (schizophrenia) と診断され非定型抗精神病薬による治療が開始された。

第104回午前:第112問

A さんは 5 日目ころから日中は臥床して過ごし、夜間は熟睡するようになった。食事の時間に遅れてくることが多く、看護師の声かけにほとんど反応しない。他の患者との交流もない。この時期の看護師の対応として最も適切なのはどれか

1: 食事摂取の介助をする。

2: 作業療法への参加を促す。

3: 日中の休息時間を維持する。

4: 食事時間を守るよう注意する。

Aさん(23歳、男性)は、マラソンの途中で嘔吐し、意識混濁状態となり救急車で搬送された。来院時、体温39.5℃で、熱中症(heatillness)と診断された。気管挿管と人工呼吸器管理が実施された。膀胱留置カテーテルを挿入後に輸液療法を開始して、ICUに入室した。表面冷却と血管内冷却によって体温は37℃台に下降した。 既往歴 : 特記すべきことはない。 身体所見 : ICU入室時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-20。体温37.8℃、呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧94/74mmHg。暗赤色尿を1時間で20mL認めた。 検査所見 : Hb16.8g/dL、Ht48.6%、Na130mEq/L、K6.5mEq/L、Cl100mEq/L、クレアチンキナーゼ〈CK〉48,000IU/L、尿素窒素60mg/dL、クレアチニン2.4mg/dL、AST〈GOT〉70IU/L、ALT〈GPT〉88IU/L。尿一般検査でミオグロビン陽性。胸部エックス線写真および頭部CTで異常所見なし。心電図でSTの変化はなく、洞性頻脈を認めた。

第106回午後:第116問

Aさんは腎不全が悪化し、持続的血液透析を1週間実施した。入院後20日が経過し、Aさんは尿量100mL/時間以上、クレアチニン1.4mg/dLとなった。気管チューブと膀胱留置カテーテルは抜去され、状態は落ち着いている。ADLは拡大し、3日後に退院することとなった。 Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。

1: 水分を制限する。

2: 蛋白質を制限する。

3: 積極的に運動する。

4: 生野菜を積極的に摂取する。

第100回午前:第62問

Aさん(85歳、男性)は、じん肺症(pneumoconiosis)で入院した経験があり、現在は自宅で1人で暮らしている。認知障害はなく、身の回りのことは自分でできるため、介護保険は申請していない。しかし、最近、日常の買い物で荷物を持つことが困難になった。 Aさんに勧めるサービスで最も適しているのはどれか。

1: 短期入所

2: 配食サービス

3: グループホーム

4: 近医による訪問診療

第108回午後:第64問

Aさん(60歳、女性)は、統合失調症(schizophrenia)で10年間入院していた。来月退院予定となったため、Aさん、医師、看護師でチームを作り、退院支援計画を立てることになった。Aさんは「両親も亡くなってしまい、これからの生活費や住む場所がとても心配だ」と訴えてきた。 退院支援を進めるにあたり、チームに加わるメンバーで最も適切なのはどれか。

1: 薬剤師

2: 精神保健福祉士

3: ピアサポーター

4: 臨床心理技術者(臨床心理士・公認心理師 等)

Aさん(47歳、男性)は、統合失調症(schizophrenia)で20年間精神病院に入院している。父親はすでに亡くなっており、80歳になる母親は病気がちのため、面会は年に1回程度である。Aさんは看護師の声かけに応じて、月に1回の病棟レクリエーションや週に2回の作業療法に参加している。それ以外の時間はほとんど病室のベッド上で寝て過ごしている。発病以来、薬物療法を続けており、時々飲み忘れることはあるが、ほぼ自己管理できている。病状は安定していることから、退院の話が出るようになった。

第100回午後:第116問

Aさんのベッド周囲の状況について同室者から看護師に苦情の訴えがあった。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: Aさんと話し合いながら整理・整頓(せいとん)を行う。

2: 同室者にAさんの病状について説明を行う。

3: Aさんの母親に連絡を取り、不要な物を持ち帰ってもらう。

4: 看護師が定期的にAさんのベッド周囲の整理・整頓(せいとん)を行う。

第101回午後:第78問

精神科病棟に入院しているAさんの服薬管理は、看護師が行っている。 入院中の服薬を自己管理に移行できるかを判断する際に、看護師が情報収集する項目として優先度が高いのはどれか。

1: 入院形態

2: 入院期間

3: 退院後の同居者の有無

4: 副作用の生活への影響

Aさん(76歳、女性)。夫(74歳)と2人暮らし。6年前にParkinson〈パーキンソン〉病(Parkinson disease)と診断された。現在、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅢ、要介護1である。トイレと浴室には手すりが設置されている。レボドパ<L-dopa>を1日3回内服している。最近、足がすくむことが増えたため受診した。Aさんは主治医から「薬剤の効果を評価するために、服薬時間や生活の状況を日誌に記録しましょう。2週後にまた受診してください」と説明を受けた。

第107回午後:第113問

Aさんと夫は、2週後に日誌を持って受診した。レボドパ〈L-dopa〉の処方が1日4回に増量されることになり、病状管理と療養指導のためAさんは週1回の訪問看護を利用することになった。薬剤が増量されてから1週が経過し、足がすくむことが少なくなった。Aさんから「足がすくむようになってから浴槽に入るのをやめていたけれど、入浴しても大丈夫でしょうか」と訪問看護師に相談があった。 Aさんに指導する内容で最も適切なのはどれか。

1: 「レボドパが効いている時間に入浴しましょう」

2: 「通所介護の入浴を利用しましょう」

3: 「訪問入浴介護を利用しましょう」

4: 「シャワー浴にしましょう」

Aさん(70歳、男性)。妻(74歳)と2人で暮らしている。Aさんがトイレに入ったまま戻ってこないので妻が見に行くと、トイレで倒れていた。妻が発見直後に救急車を要請した。救急隊からの情報ではジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ- 20で右片麻痺があり、バイタルサインは、体温36.5℃、呼吸数16/分、脈拍108/分、血圧200/120mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%であった。

第106回午前:第117問

入院から4週が経過し、病状が安定して意識が回復した。Aさんは後遺症として運動性失語が残り、言葉がうまく発せられないため涙ぐむことがあった。妻は面会後「夫が話す言葉が分からず、どう接すればよいか分からない」と言って戸惑っていた。 妻に対する対応で最も適切なのはどれか。

1: 「いつもどおり話をしてあげてください」

2: 「看護師も同席してAさんとお話ししましょう」

3: 「リハビリテーションで話せるようになりますよ」

4: 「分かりやすい言葉で話しかけてあげてください」

Aさん(75歳、男性)は、妻(70歳)と2人暮らし。2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus)の治療中で、2年前から1日2回朝・夕食前に混合型インスリン注射が開始となった。その後、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)による視力障害が進んだため、現在は妻と一緒に単位数や針の確認をし、インスリンの自己注射を実施している。

第109回午後:第117問

訪問看護が導入されて2か月、Aさんの妻が健康診査後の精査目的で数日間入院することになった。Aさんは妻の入院中もできる限り自宅で過ごしたいと考えている。妻の入院中の対応について、サービス担当者会議が開かれた。この時に訪問看護師が行うAさんへの提案で優先度が高いのはどれか。

1: 通所介護を利用する。

2: 訪問介護を利用する。

3: 配食サービスを利用する。

4: 訪問看護の回数を増やす。

Aさん(32歳、男性)は、仕事上のストレスを抱えていた際に知人から誘われ、覚せい剤を常用するようになり逮捕された。保釈後、薬物依存症の治療を受けることができる精神科病院に入院し、治療プログラムに参加することになった。

第110回午後:第109問

入院時のAさんへの看護師の対応として適切なのはどれか。

1: 二度と使用しないと約束させる。

2: 回復が期待できる病気であることを伝える。

3: 使用をやめられなかったことに対する反省を促す。

4: 自分で薬物を断ち切る強い意志を持つように伝える。

Aさん(56歳、男性)は、若いころテニスの選手で、現在も趣味でテニスを続けている。膀胱癌(bladder cancer)と診断され、膀胱全摘除術・回腸導管造設術の手術目的で入院した。Aさんは「外来で病名を聞いたときは動揺しましたが、家族と話し合い、今は心の準備ができています」と看護師に話した。

第101回午前:第105問

看護師は、Aさんから「退院後はどのように生活が変わりますか」と質問された。看護師の説明で適切なのはどれか。

1: 「入浴の際、浴槽の湯に入ることはできません」

2: 「食事の内容を変える必要はありません」

3: 「排尿のときは導尿が必要です」

4: 「テニスはできなくなります」

Aさん (42歳、男性)は、全身倦怠感を訴え病院を受診したところ、肝機能障害が認められ内科に入院した。Aさんは大量飲酒を長期間続けており、アルコール依存症(alcohol dependence)が疑われた。内科医からの依頼で精神科医が診察をしたときは、Aさんは意識清明で見当識障害はなかった。妻とは不仲であり、半年前に仕事で大きなトラブルがあったため、朝から飲酒するようになり飲酒量はさらに増えていた。

第105回午前:第114問

その後、薬物治療によって興奮は改善した。肝機能も改善し、夜間もよく眠れるようになったため、退院が決定した。 Aさんに対する退院時の説明で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 「仕事は辞めましょう」

2: 「断酒会に参加しましょう」

3: 「集団精神療法を受けましょう」

4: 「飲酒しない日を週1日設けましょう」

5: 「生活行動を家族に記録してもらいましょう」

Aさん(48歳、男性)は、横断歩道を歩行中に乗用車に衝突され、救命救急センターに搬送された。搬送時、呼びかけに開眼せず、四肢の筋緊張が亢進していた。呼吸数30/分、脈拍60/分、血圧142/98 mmHgであった。右側頭部と右肩甲骨部の擦過傷以外に目立った外傷はなかった。

第105回午後:第96問

術後14 日。Aさんの意識レベルはジャパン・コーマ・スケールⅠ-2で、左上下肢に軽度の麻痺と左の視空間失認とがある。Aさんは座位を保持し、自力で食事を摂ることが可能となったが、左側の食べ物を残す様子がみられる。車椅子への移乗は看護師の介助が必要であるが、1人でベッドから降りようとする。Aさんは右利きである。 このときの適切な看護はどれか。

1: 離床センサーを設置する。

2: 右側を意識するように促す。

3: 食器をAさんの左側に配置する。

4: 残した食事は看護師が介助して口に運ぶ。

5: 視空間失認が改善してから歩行訓練を開始する。

Aさん(29歳、女性)は、20歳で短期大学を卒業するのと同時に就職したが「会社に行きたくない」と言い出して、 2か月で仕事を辞めた。その後は、自宅で何もせずに過ごしていた。昼夜逆転の生活が長く続いたが、ある日、夜遅く帰宅した父親と就職のことで激しい口論となった。それ以来、昼も夜も起きていて、食事も摂(と)らずに自室に引きこもり、ぶつぶつと独り言を言ったり、笑ったりするようになった。心配した母親に伴われて受診し、統合失調症(schizophrenia)と診断された。

第101回午後:第117問

退院支援グループに参加し始めてから1か月が経過し、Aさんはグループの他の参加メンバーとも打ち解けて話をするようになった。5回目の参加で、Aさんは「父親は、私の苦しさを分かってくれない。退院しても、また言い争いになりそう」と話した。 グループに参加しているAさんの担当看護師の対応で、適切なのはどれか。2つ選べ。

1: Aさんの気持ちを積極的に代弁する。

2: 終了後、Aさんに反省点を報告してもらう。

3: Aさんの話がテーマとずれないよう介入する。

4: Aさんに父親とのやり取りのロールプレイを提案する。

5: Aさんが自分の悩みを表現したことは意義があると話す。